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印税の所得区分如何

作者: やっさんさん

目次

1 はじめに

2 注意事項

3 結論

4 そもそも、所得区分とは

5 3つの所得で、計算はどう違う?

6 一時所得の定義

7 税務署の考え

8 補足(という名の本題

1 はじめに

 先日、書籍化した際に税務上のリスクを説明されているエッセイを拝読させていただきました。

 「開業届を出そう」というエッセイは最近見かけるようになったなと感じていたところに、「開業届を出すと、副業禁止規定違反を問われるリスクがある」というエッセイは、当たり前ではありながら斬新かつ納得のいく内容でした。

 ただ、印税収入の税法上の解釈に疑問を覚えたのでその旨感想に書き込ませていただいたところ、「印税収入が少額で単発の場合、偶発的、一時的な収入に該当するので、50万円以下なら問題ない」という趣旨のお返事をいただきました。


 想定外の解釈だったので、国税庁のHP等で調べた内容をまとめて、自分のエッセイとして書くことにしました。


2 注意事項

 このエッセイは、専門家ではない私が、インターネット上で確認できる事項等より導き出した独自研究にすぎず、正確性を保証されていません。

 ご自身の個別具体的な事例について判断する際には、税理士、税務署または地方税当局へご相談ください。

 なお、税理士等以外の者が税務相談を行うことは税理士法で禁じられているので、専門家以外の方に個別具体的な相談を行わないでください。


3 結論

 国税庁HPには、印税収入は事業所得または雑所得と記載されています。

 事業と雑、どちらになるかは分かりませんが、そこは「常識で考えろ」ということでしょう。JK。


4 そもそも、所得区分とは

 所得税法は、所得(いわゆる利益)を10種類に区分しています(事業・不動産・給与・利子・配当・譲渡・退職・山林・一時・雑)。

No.1300所得の区分のあらまし

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1300.htm


 どの所得に区分されるかで、所得の計算の仕方が変わり、税負担も変わります。

 印税は、あきらかに不動産賃料でも、給与でも、預金利息でも、株の配当でも、何かの譲渡収入でも、退職金でも、木の売却金でもなさそうです

 よって、候補は事業・一時・雑の3つだと思われます。


5 3つの所得で、計算はどう違う?

 事業所得と雑所得(公的年金以外)は、ざっくり言うと、「収入-実際にかかった経費=所得金額」です。

 事業所得の場合、青色申告特別控除だの、各種特典を受けられる場合があります。

 一時所得は、「(収入-実際にかかった経費-50万円)÷2=所得金額」です。


No.1350事業所得の課税のしくみ(事業所得)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1350.htm

No.1500雑所得

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1500.htm

No.1490一時所得

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1490.htm


6 一時所得の定義

 「一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。」(所得税法34条1項)

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E%E6%B3%95%E7%AC%AC34%E6%9D%A1


「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得」

「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」

「一時の所得」

「労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」


 条文を分解すると、以上のようになります。


 wikipediaによると印税とは、「著作物の利用者(レコード会社、出版社、放送局など)が、著作物を利用する対価として著作者・著作権者に支払うロイヤルティーの一種。著作権使用料と同義」と説明されています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B0%E7%A8%8E


 単発で本を出した場合、この印税が上記の条文の要件を満たしているのか否か、探せば裁判例でも出てくるのでしょうが、探すのがしんどいのでパス。

 誰もそんなもの読みたくないだろうし。


7 税務署の考え

 というわけで、当局の見解を紹介します。

 「所得税法基本通達」というものがあります。

 これは、国税庁が所得税法をこのように解釈していますという、公表されている通達です。

 この中で、


「35-2次に掲げるような所得は、事業から生じたと認められるものを除き、雑所得に該当する。

 (4) 原稿、さし絵、作曲、レコードの吹き込み若しくはデザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料又は講演料等に係る所得」


と記載があります。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/04/09.htm


 著作権の使用料=印税を、国税庁は事業所得または雑所得だと解釈しています、ということです。

 これはあくまで通達なので、国税庁の外の人はこの解釈に縛られません。

 が、この解釈と異なる解釈をするということは、税務署と争そうリスクを負うことになりそうです。


 また、当たり馬券訴訟のように、特殊な事例では通達と異なる結論になることもあるので、申告の際は専門家に相談するほうがよさそうです。


8 補足(という名の本題)

 所得が一定額を超えると、扶養控除や配偶者控除からはずれます。

 税金だけでなく、会社からもらえる家族手当がなくなったり、社会保険からはずれないといけなくなったりすることもあるかもしれません。

 しかしながら、印税収入がどれだけになるかは紙の味噌汁……ではなく、神のみぞ知る世界。

 パート収入のように調整できるものでもないので、数千部程度だと、パートより割に合わないことになるかもれません。

 なろうで書籍化された本が沢山売れますように、アーメン。



 あ、あと、所得が一定額を超えると、還付金がある場合でも、確定申告は原則必要になるようです。

 こちらの2が参考になりそうです。

 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2020.htm


 それと、所得35万円を超えた人(で、ほかに所得控除がない人)は、住民税の申告が原則必要になるようです。

 こちらの「住民税の申告が必要な場合」と「申告をしなくてもよい場合」が参考になりそうです。

 http://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/zei/jyuminzei/shinkoku.html

 

 申告しないとどうなるかって?

 おっとだれか来たようだ。

(11/19追記)

読者より、税理士法の相談にあたる可能性があるとの指摘を受けました。

そこで本文を見直し、断言口調をなくす、具体的な金額は記載しない、内容を国税庁の通達を紹介するにとどめ、私の意見は削るという形に訂正しました。

ご指摘ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「申告をする際の所得区分」 「申告をしなかった際の税務署判断」 この二つの混同を問題視しているんですけれどね。 前者のみを問題にするのであれば、印税収入は雑または事業です。特殊条件が整わな…
[気になる点] このエッセイは、税理士法違反です。 税理士法は、税務相談を「無償独占」と定めていますので、税理士以外の人間が「~である」といった説明をすることは許されません。付け加えれば、「専門家に…
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