表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/31

隣の皇太子ルトガー・エルドランド・ローヒメティ

ルトガーは留学生である。

隣、マゼッテイ公国から真北に位置する大帝国ローヒメティからの留学生である。

年の頃は宰相の息子アルフォンソより一つ上だが、身分が身分なので第二公子ベルナルドと同じクラスに編入された。

身分というのは……。

何を隠そう、ローヒメティ帝国の皇太子である事。

つまり、次の皇帝。

これを知っているのは、大公と第一第二公子の三人のみ。

親密になるべきは、やはり次の大公たる第一公子だが彼は既に学生ではないので、ルトガーはベルナルドと誼を結ぶ事にし、彼をを通して第一公子の人となりを見る事にした。


ローヒメティ帝国には学園やそれに準ずる物がなく、ルトガーの教育も家庭教師によって行われた。貴族も似た様な物で家庭教師を雇っている。平民の教育は一つは教会の慈善事業任せで、もう一つはその部族任せだった。

なので、ルトガーは同じ年頃の少年少女と共に学んだ事はなく、それは新鮮で大変楽しい充実したモノとなった。特に、学園祭、体育祭などの祭りと名の着くイベントがルトガーのお気に入りだ。

小さな公国に学ぶモノなど無いと思って留学して来たルトガーだったが、今では帝立の学校を祖国に創るべく勉学に勤しんでいる。

留学生なので残された時間は少ない。

マゼッテイ公(海の)国での留学期間が終わって春になれば、ミルクスン山脈にある小さな国に親善を兼ねて赴き、そのまま南にあるヴィリーキイリョート(氷の)シムリャー 帝国に行く予定になっている。

出来れば、マゼッテイ公国で学ぶ時間を増やしたいが、既に予定は組まれているので難しい。仕方ないと諦めてギリギリまで勉強とベルナルドを始めとする友人達との交遊を深める事とした。



ルトガーは悪役令嬢アンジェリカ・メーダには前世の記憶が存在することに直ぐに気付いた。それも、この世界とは違う文明の進んだ世界からの転生者である事に。

何故なら、ルトガーがアンジェリカと同じく転生者だから、では無く……ローヒメティ帝国の重要機密に転生者の項目があるからである。

皇帝家には幾人かの転生者が存在した。

ルトガーがそれを知ったのは立太子してからで、それまでは他の貴族や平民同様に前世の記憶があるとか、異なった世界があるなどという話は与太話でしかなかった。


アンジェリカ・メーダは頑張り過ぎた。

勉学や剣術は勿論、商品開発は遣り過ぎだった。

悪いとは言っていない。ローヒメティ帝国の産業や名産ではないので商売敵ではあるが、安心安全で高品質便利な商品の存在は他国産とはいえ、有り難いモノである。

しかし、少々度が過ぎる。

『異世界からの転生者がいた』という事実を知っているルトガーが、アンジェリカがその転生者ではないか?と気付くくらい彼女は異質過ぎた。

アンジェリカが『この世界で異質な存在だ』と感じ始めている輩が、ルトガー以外にも居るようだった。

転生者だとバレなくても、異質認定されてしまったらアンジェリカの行く先はどんなモノが待ち受けているのだろうか。危険視され監禁されるのか、便利なアイディア生産機扱いされるのか。

恐らく、今までの様に自由に生きられないだろう。




それは流石に可哀想だと、ルトガーは思う。

自らが転生者の血を引いているだけに、余計に。




アンジェリカはチートし過ぎた!



ルトガー と エルドランド はドイツ語ですが、意味は分かりませんでした(゜ロ゜;

次もルトガーです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ