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特命投資室、始動

梅雨空が明けた6月の終わり、静謐な空が街を包んでいた。


晴吉も鬱屈とした地下鉄駅から明るい地上を求めるように足早に階段を上った。


「この天気のように、穏やかな日々が続けばいいのだが…」


そう晴吉は思いながらオフィスへ足を急いだ。今日は月曜日。土日の休暇でリフレッシュ出来ているだろう。


晴吉のオフィスはその特殊性から、本社ビルの中でも一般職のフロアと役員職のフロアの間、30階建ての24階に位置していた。ここから上は役員会議室と役員室、役員の宿泊室そして社長室。

24階は大小の一般の会議室、そして東側の隅の決して広くないスペース。そこが晴吉の本拠地、特命投資室である。


ドアを開ける。

「おはようございます。」

入り口手前左から総務課から移動して来た華本、右に情報処理能力に長けた中林、左奥に折衝能力に長け、野心溢れる入社6年目平野、右奥にはこの特命投資室のタイムキーパーと言っても過言ではないスケジュール管理を一手に引き受ける卯月。

この4人が海外投資担当役員薫音から特命を受けた晴吉の手足となる部下である。


晴吉は自席に辿り着く前に全員を見回し、言った。

「次のミッションはわかば銀行と共同でヤマト電機の経営再生に乗り出す。期間は次のヤマト電機の決算、3月期までだ!」


「まずはヤマト電機の財務状況の洗い出し、そしてわかば銀行担当、ヤマト電機担当との綿密な連絡だ。ではキックオフ・ミーティングを始める!」


ひと息に言い切ったあと、晴吉は今回のミッションの闇に未だ気づいてはいなかった。

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