幼馴染み②
ぼくは最後に三人にパソコンの置いてある机の裏に隠れているように言いつけ、ぼくは静かに扉を開け、閉める。
そのまま左右を確認し、ゾンビがいないことに安堵する。
パソコン室の場所は学校の四階だ。
何故かは調べたことがないのでそんなにはわからないが、この学校は新校舎が2年前に出来て、生徒全員を新校舎へ移したらしい、そしてその校舎では一階に二年と三年の一部、二階に三年の一部と一年、三階には多目的室や準備室、職員室がある。
そしてここ、四階にはパソコン室に加え、空き室がおおいが、同好会や部活が使っていたりする部屋がある。
屋上は常に閉ざされているために屋上へ行ったことのある生徒はほぼいない。
とまあ、こんなところ。
ぼくは少し歩いたところを右に曲がり、階段を下るが、警戒は怠らない。
そうして警戒しているが、三階に来たところで血なまぐさい匂いや、低く、地を這いずるようなうめき声が鼻や耳をつく。
まだゾンビとは遭遇していないものの、警戒心を一層強める。
ぼくは三階の階段と二階の階段のおどり場にゾンビを発見する。
一見すればただのおばちゃん主婦だが、息絶えた女子生徒の原に喰らいつく様はもうこの状況からすれば私はゾンビです、と言っているようなものだ、まあ、連中は隠さず見つけたら喰うようなものらしいが。
一瞬、吐き気がするが、それを抑える。
そのままぼくは先を急ぐ。
が、学校の床は普通に歩いたら足音が響いている状態なのででそんなことは出来ない。
もうおばちゃんの顔をしたゾンビはぼくに向かって手を向け、ゆっくり歩いてきている。
おどり場なので距離はそんなにないが、ゾンビの進行スピードでは、少しは猶予がある。
ぼくはゾンビの腹を階段の下へ向けて蹴る。
ゾンビは落ちた時に頭を打ち、動かなくなった。
もう立ち上がる気配はない、案外呆気ないものだね。
そして丁度二階に上がってきた二人の女子を発見する。
一人は美佳だったのでもう一人が連れだろう。
美佳たちはそのまま階段を上っておどり場で合流した。
「大丈夫だった?」
『うん…何とか、それよりその先輩…、早く行かないと復活しちゃうんじゃ…。」
「ああ、大丈夫、さっき喰われたばかりだろうし多少は時間があるはず、まあいつまでここで話してる訳にも行かないし、行くか。」
ぼくらはその後難なくパソコン室へ到達し、鍵を掛け、再び自己紹介をし合った。
美佳は緊張の糸が切れたためかへな、とぼくの肩に寄りかかっている。
少し恥ずかしいがまあ美佳は一階からもう一人の女子を連れてながらゾンビが巣食う学校を駆けって来たのだ、それくらいは許容しよう。
ちなみに美佳が連れて来た女子は同じクラスメイトだ。
クールな感じがするがどちらかというと読書ばかりしているタイプの大人しい子で、名前は木村 彩花。
ぼくらと話が合うため高校に入ってから時々会話をする仲だ。
さて、集まったメンツを見渡し一つ思い出したことがある。
「武器っていうか…何か金ずくバットとか木刀みたいなのないとやばくね…?」