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絶望戦線  作者: なおしゃま
第一章−惨劇−
2/4

記事の警告と日常の崩壊

やあ、こんにちわ。

ぼくの名前は朝比奈 唯という。

ちょっぴりパソコンが出来るだけの一般ピーポーだ。


あ、ところで今、お昼休みでパソコン室で面白い記事を発見したんだけど…これ、すごいヤバいものだと思うんだよね、他のサイトで転勤されてたりしたんだけど、それがデマだと思って信用できる情報共有サイトで確認したら事実だ、って書いてあってね。


ちなみにぼくが今見ている情報共有サイトは会員以外は絶対にアクセスできないし招待制度だし、事実以外のことが書かれることは99%あり得ないから信用できる。


『10月4日、午前6時23分。東京の○○区にて、その事件は起こった。

私はなんとなく歩道橋から下の横断歩道を眺めていた。

そうしたら偶然なのか、昨日電車で席を譲ったおばあちゃんがゆっくりとふらつきながら歩いていたのを見つけた。

私はこれでも視力がいいからこういう時には一目で知り合いならばわかる。

余談はおいて置くとして、特にすることもないのでおばあちゃんが歩いているのを見ていた。

不意に、横断歩道の真ん中辺りで止まった。

と思ったら、いきなりケータイで電話をしながら歩いていた30代前半くらいのOL(っぽい人)の首の付け根に噛み付き、首の付け根の肉を喰いちぎった。

私もOL(っぽい人)の周りにいた人も驚き、悲鳴が上がった。

その悲鳴はどんどん広まり、おばあさんは悲鳴のする方にいる人をゆっくり追いかけながら人々を襲っていった。

少ししたら、もうそこにはOL(っぽい人)の死骸しかなかった。

無惨にも喰いちぎられた後にろくに治療もしなかったらそうなるだろう。

だが、おばあさんの奇行には少なからず覚えがあった。

それは映画等で現れるゾンビやグールといった存在だ。

伝説や物語でしか存在しない生ける屍。

まさに自分たちの世界が、その物語となったと知り、身震いがした。

考えるのをやめ、私は再びOL(っぽい人)に目をやったら、何と立ち上がっていたのだ。

そして目の前の恐怖に泣き声を上げている大学生くらいの女性の肩を押さえ、おばあさんが自分にしたことをそのまま繰り返す。

私はもうこれ以上見ていられずにこの場を後にし、家へ戻りしばらく大人しくすることに決め、この記事を書いた。

証拠として、実際の、おばあさんが他の人を追いかける場面からになってしまうが動画をあげておこう。

OL(っぽい人)が同じ奇行に走る部分が動画の最後の部分にあるはずだ。』


記事はここで終わっており、下に動画が乗っていた。

その動画を見たが、おぞましい。

正直、本当だとしても現実を受け入れるには実際に見てみないとだが、もしフィクションだたにしても、あり得ないような生々しさがあるというか…ぼくまで身震いした。

と同時に胸ポケに入っているスマホからバイブレーションが。

ぼくはあいつからの電話だと察し、応答する。


「ねえ!大変なの!次の時間が突然自習になったって担任が言って生活指導の先生と正門に突然入ってきたサラリーマンと話し合いするかと思ったらサラリーマンが担任に噛み付いて…!!」


その声は、幼なじみであり、今は妹という立場にある朝比奈 美佳からの通話だったが、さっき見た記事のことが現実に起こるとは今でも信じられず、ぼくは顔をしかめつつも、美佳に落ち着いて美佳の大事な友達と教室を抜けてパソコン室に来るように伝える。

あと、もう一人の幼馴染みにも同様のことを伝えた。

その後、正門の向きにある窓を覗くと、うちのクラスの担任がヨロヨロと立ち上がり、手を前方にだらんと垂らし、動画で見たゾンビのように玄関へ向かってきているところだった。

事態が事態だけに、 目眩がしたので、そいつらが来るまでぼくは座って目を瞑っていることにした。

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