3.セオの楽しみ
エマはぐったり。の巻
R-15です。
セオと腕を組みながら、招待客の皆様に挨拶をしてまわる。アリンガム家側の人は知ってる人ばかりで気楽だったんだけど、キンケイド家側の人となると私が会ったことあるのは前公爵夫妻しかいないのだ。
「エマ。緊張してる?」
セオに耳元で聞かれて「す、少し」と思わず素直に言う。
「大丈夫。理不尽なこと言われたら、にこやかに言い返していいから。さ、行くよ」
私は深呼吸をして、キンケイド家側の招待客が大勢いる中に足を踏み入れた。
たくさんの親戚筋に紹介され、なかには微妙な反応を示す人もいたが、たいていの人は歓迎ムードだったので私はホッとした。私が“にこやかに言い返す”という技を披露することがなかったのは、セオが微妙な反応をした相手にそれなりの対応をしたからだった。
パーティーはおおむね順調に進行し、終わる頃の私はものすごくくたびれていた。
「つ、疲れた・・・・」
私は自分の部屋でドレスを脱いだあと夜着に着替えてベッドに寝転がっていた。結婚式って・・・疲れる。
なんか始終笑顔でいたせいか、顔がひきつってる気がするし・・・。
「うあ~。くたびれたなあ・・・・」
ごろごろしていると、部屋の内部にあるドアが開いてセオが入ってきた。
「セ、セオ??」
「エマ。迎えに来た」
「は?迎えって?」
「・・・・今日は俺たちは結婚しただろう?」
「うん、した。それがどうしたの?」
私の反応にセオは、はあ~っと大量のため息をつき苦笑した。
「もうドレスも着ないよね・・・・ということは、跡をつけても大丈夫なわけだ」
ここまで言われたら、鈍い私も気づく。あ、そうか・・・・
急に赤くなった私を見て、セオは「エマ、かわいい」とキスを落として、私を抱き上げた。
「セオ?あ、あの。どこ行くの?」
「俺の部屋。その夜着、俺を誘ってる?」
「へえっ?こ、これは部屋に置いてあったのよっ!!いつもの夜着がないんだもの!!」
なぜか、今日の夜着はなんかふわふわしてて薄い上質な布で、前は簡単なボタンと胸元のリボンでとめるというなんとも色気のあるものだった。
それを変だなと思いつつ、誰も見ないからいいやと着た1時間まえの私っていったいどんだけ鈍いんだよ。
赤くなりながらも「いや。これはですね、」と言い訳するも、当然セオは全然聞いてなくて余計嬉しそうにするだけだった。
「ほら、動くな。エマが今日から寝るのは俺の部屋。」
そういうと、セオは内側のドアから私を自分の部屋へ連れて行ってしまった。
朝、起こしに来るときと掃除のときしか入らないセオの部屋。
机の上は相変わらず書類と魔法石が混在してる・・・・今度、片付けなくちゃいけないかなあ・・・
ベッドに下ろされて、私はセオを見上げる。
「・・・・今、何考えてた?」
「机のうえに、書類と魔法石が山積みだなあって・・・・」
「余裕だね、エマ。俺はずーっとエマに触れたくてしょうがなかったのに」
そういうと、セオはキスをすると、夜着のリボンに手をかけた。リボンは簡単にほどけて、ボタンもいつの間にか外れていた。
なんで、こんな簡単にはずれるわけ~~っ??困惑しているあいだに夜着は私の体から滑り落ちていた。
「エマ・・・」
セオは私の耳元を軽くかんで、首筋から始まって体のあちこちに跡をつけていく。指はその間私の体を高めていく。
「あ・・・セオ・・・」私が手を伸ばすとがっちりと捕まえてくれる。
「もうすごいことになってる」
セオが聞かせた音に私は恥ずかしくなって身をよじってしまう。
「こら。もっと俺に聞かせてくれないと・・・」そういうと、セオは私と体を重ねた・・・。
セオが私の髪の毛をなでてくれる・・・気持ちよくて眠ってしまいそう。でも・・・
「・・・セオ。お風呂に入りたいの」
「風呂か。そうだな、俺も入りたい」
「は?俺“も”って・・・」
「エマ、動けないだろ?」
「え。動けるわよ。」そう言って起きようとするけど、動けない。どうして??
「・・・・ごめん。ちょっと暴走した」セオは申し訳なさそうに言うが、なぜか嬉しそうだ。
「セオ~~」
「だから、俺が責任をもってエマを風呂に連れて行ってやる」
「いや、いいから!回復魔法さえかけてくれれば」
「魔法のかけすぎは体によくない」
「自分だって、いっつも移動魔法とか使ってるじゃん!!」
「遠慮するな」そういうとセオは、私を抱き上げた。
そういえば、当主室にはお風呂がついてるんだ、と気づいたときには遅かった。
その後、セオにお風呂場とベッドでたっぷり愛されてしまった私は、その日を寝てすごしたのは言うまでもない・・・
読了ありがとうございました。
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セオが我慢したかいがあったね、という回です。




