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宰相閣下と行儀見習の娘  作者: 春隣 豆吉
第7章:忙しい婚約期間
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5.ドレス選びであれこれ

エマのドレス。の巻

 今日は母とお義母様が二人揃って屋敷を訪れるということで、私は台所でくるみの入ったマーブルケーキを焼いていた。

 周囲の人たちの協力のおかげで、最近はアルテアさんとピエルさんを呼び捨てにすることにも慣れ(といっても内心はどきどきしている)、式の準備も着々と進んでいた。

 甘い匂いが漂いはじめ、私はお茶の準備を始めた。


「さあエマ!!結婚式用のドレスカタログを取り寄せておいたわ。式の準備はあらかた終わったから、次はあなたのドレスを決めなくてはね」

 母がうきうきと、私の前にカタログを並べる。

「・・・・なんか大量・・・・」

「そりゃそうよ。私とフェイスで国中のデザイナーのカタログを集めたんだから。エマ、まずはどれから見る?」

 私の独り言に反応したのはお義母様。

 母とお義母様はどうやら私が誘拐されたときに意気投合したらしく、私やセオが知らない間に互いに「フェイス」「ベリンダ」と呼び合う仲になっていて、今回の準備も二人が先頭に立って周囲を巻き込みものすごい勢いで進めていた。

「実はエリー様も参加したがってたのよ。でも難しいからお断りしたけど、残念がっていたわ。」

 王太后様までがこの二人に加わると?母の言葉を聞いて私は頭がくらっとしてきた。


 とりあえず二人にお茶とケーキを勧め、私はカタログの山に目をやった。それにしても、よくこれだけ集まったよなあ・・・私は中味よりもそっちに感心してしまう。

「お母様・・・よく短期間でこんなに集まったわね。」

「こう言ってはなんだけど、あなたたち二人だけの式というわけにはいかないのよ?アリンガム商会とキンケイド公爵家の縁組でもあるの。どのデザイナーだって、自分のデザインしたドレスを花嫁に着てほしいわよ。」

「フェイスの言うとおりよ、エマ。どうしても家の名前が表に出てしまうのよ。」

 まさに、結婚って本人同士がよければいいってわけじゃない・・・・大量のカタログを前にして、こっそりため息をついた。


 結局、私が選んだものに母たちが意見を加え、最終的に決まったドレスは波のようにふんわりした布が重なっているデザインで胸元の切り替え部分に光沢のある薄い青のリボンをあしらったものだ。袖もふんわりしていて全体にシンプルだけど可愛らしい。

「じゃあ、さっそくデザイナーに連絡するわね」

 お義母様がピエルさんを呼んで、デザイナーに連絡をとるように命じていた。

「・・・・はい。よろしくお願いします・・・・」

 いつか私も、ああやって命令することにためらいがなくなる日がくるんだろうか。

 それにしても、ドレス選びって・・・・結婚した友達が一番楽しかったって言ってたけど・・・・確かに自分がこんなの着たらどうだろうって想像するのは楽しいけど・・・それでも、このカタログの山を全部見るってのは相当に疲れる。

 だけど、疲労感満載なのは私だけで母たちは元気そのもの。どこからあのパワーが出てくるんだ。



 セオが戻ってきたので、お茶を持っていく。

「エマ、ドレスが決まったんだって?」

「ええ。とてもかわいいのよ」

「どんなドレスなんだ?」

「それは秘密」

「どうして」

「・・・・セオを驚かせたいから。」

 真っ赤になりながら私がそういうと、なにかがセオのツボだったらしく「エマ。俺の理性を崩壊させないでくれる?」そう言って抱きしめてキスをしてきた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


エマのドレスを考えるのに

ウェディングドレスのサイトを検索しました。

見てるだけでも楽しかったです♪

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