2.宰相室で昼食を
セオ、二人きりを邪魔される。の巻
昼食を持って宰相室に行くと、国王様と渋い表情のセオ、そんなセオを面白がってるラルフがいた。
「やあ、エマ。昼食を持ってきたのかい?」
「はい」
国王様に聞かれてうなずいたものの、どうしよう。聞いてないからラルフとセオの分しか持って来てない。
「今日はハルの昼食はない。さっさと部屋に戻れよ」
「セオってば冷たいねえ。・・・・まあ、しょうがないか。よし、私の分は食堂からここに持ってこさせよう。ラルフ、悪いが食堂に行って私の分を宰相室に持ってくるよう頼んでくれないか?」
「わかりました、ハル様」
国王様に言われてラルフが部屋を出て行った。
昼食が運ばれてきて、食事が始まった。昼食として持ってきたインゲン豆と腸詰の煮込み、揚げ焼きかぼちゃのマリネ、雑穀パンを次々と出していると、なぜか国王様がじーっと見ている。
「いいなあ。セオのお昼うまそう・・・セオ、俺の食事と交換しないか」
「嫌です。さっさと食べないと食事時間が終わりますよ、陛下」
「そこで仕事口調かよ。心が狭いなあ、セオは。エマ、こんな男でいいのか?」
「へ?」
「今ならまだ結婚やめられるよ?」
「い、いえ。あの、」
「陛下。午後から処理していただく書類を倍にしてもいいんですよ?」
「うっ・・・俺が悪かった。うん、料理長の作った食事はうまいなあ。」
そういうと、慌てて食事をとりはじめた。
食事を終えて、お茶を飲み終えた国王様は「さて。そろそろ私は戻るかな・・・ラルフ。ちょっと私の書類の整理を手伝うように」とラルフを連れて部屋を出て行った。
「エマ。もう一杯お茶をくれないか?」
「はい」
「それと、エマもここに座って」と自分の隣をぽんぽんとたたく。
「え。でも、仕事中ですから」
「エマも休憩しなくちゃ。昼休みだろう?命令したほうがいいのかな?」
「もう、セオったら・・・わかりました」
セオの子供っぽい言い方に思わず笑ってうなずいた。
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「ハル様。セオ様をからかわないでくださいよ。今後の業務に支障が出ます。」
「だってエマが絡んだときのセオが面白くてさあ。あの心の狭さを見たか?」
「エマに関しては普段のセオ様じゃないですよね」
「あんなに溺愛傾向が出るとは思わなかった。」
「羨ましいならハル様もご結婚したほうがいいんじゃないんですか?」
「・・・・お前まで母上みたいなこと言うなよ。別に俺より先にラルフ、お前が結婚してもいいんだぞ」
「今度は俺にふりますか。俺よりあの変人魔道士に言ってやってくださいよ。ブランデルの先代様がトビーに見合いを組むんですけど、あいつが逃げ回るんで俺が怒られるんです」
「トビーが結婚・・・・想像できんな」
「俺もです。」
その後、国王様と宰相秘書は魔道士の結婚問題で大いに盛り上がっていた。
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第6章で株の上がった陛下を出してみました。
自分の作ったキャラを気に入ってもらえるのって、すごく嬉しいです。




