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宰相閣下と行儀見習の娘  作者: 春隣 豆吉
第6章:陛下の微笑み
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7.仕組まれた二人

くっつく二人。の巻

 国王様の命令とはいえ、カルロ殿下の提案に乗っかるんじゃなかった・・・・私は屋敷を前にして深く深くため息をついた。

 殿下が滞在している屋敷は、王都のメイン通りからちょっと外れた高級屋敷街にあって庭などはないものの、地味ながら趣のある外観でとても素敵な屋敷なのだ。私のような庶民から見れば「観賞用」の屋敷であって、足を踏み入れてはいけないような雰囲気が漂っている。

 よもや、そんな場所で自分が休暇を過ごすはめになろうとは・・・・ああ、実家のベッドでくつろぎたい・・・・。

「こちらの部屋でおくつろぎください」

「はい。ありがとうございます」

 執事さんがにっこり笑って立ち去った後に私はドアを開けた。

「エマ!!」

「セオ様!!」

 部屋の中にはセオ様がいて、私たちはお互いに驚くしかなかった。


「互いにハルにはめられたな」

「そうですね」

「でも、元気そうでよかった」

「え?」

「ゲイリーが滞在してるんだろう?誘拐されてたときを思い出したりしないか?」

 セオ様は私を心配そうに見つめる。

「・・・大丈夫です。あのときセオ様たちが助けてくれたじゃないですか。だから、今回だって大丈夫です。」

「エマ」セオ様の手が私のほほにふれる。

 目を閉じると、セオ様が唇にキスをしてきた。キスが深くなってきて、私は思わずセオ様の衣服をつかんでしまう。

 唇をはなしたセオ様が、私を見つめる。

「エマ、今日は何時までいられる?」

「・・・・夜8のときまでです」

「そうか。じゃあ、まだ一緒にいられる。ねえ、エマ。いいかげん、セオ様はないだろう?名前だけよんでごらん」

「はい・・・セオ」

「よく出来ました」

 そういうと、セオ様はまた私にキスをしてきて、私を抱きしめる腕が強くなる。


「ん・・・セオ、苦しい、です」

「あーあ、結婚式まで待ちきれないな」キスはやめてくれたけど、私はまだセオの腕の中だ。

「は?あ、あの・・・・」セオの言いたいことが分かって、私は顔がほてってしまう。

「エマ、印をつけてもいい?」

「は?」

 そういうと、セオは私の服のボタンを少しだけ外した。

「ちょ、ちょっと、セオ?!」

 私はセオの手を止めようとしたけど、私の抵抗なんてセオにとってはかわいいものらしい。

「・・・・やっぱり、エマの肌はきれいだな。うん、ここなら見えないか」

「へ・・・あっ。やっ」胸の近くにセオが顔を寄せ、ちょっとチクッとする。

 思わず下を見ると、私の胸の近くに赤い跡。

「セ、セオ。何したんですか!!」

「何って・・・俺のものって印。大丈夫、服を着てれば見えないから。まあ、見るのは俺だけって決まってるけど。あとは・・・お守り」

「お守り?」

「トビーが魔法をかけてるから大丈夫だと思うけど、エマが傷つかないように」

 そう言って、セオは私をまた抱きよせた。




<その頃の王宮>

「今頃、セオとエマはいちゃいちゃしてるのかねえ」

「・・・・兄上。下品ですよ」

「あーあ。俺も恋人がほしいなあ。カルロも恋人ほしいだろ?」

「え?私ですか。それより兄上、ダニエラはどうするのですか」

「話をそらすなよ~。ダニエラの話はセオが戻ってきてからだ。カルロもここにいてくれよ」

「はい。それにしても王宮は久しぶりです」

「そうだよな。また庭園でこっそり菓子でも食べるか」

「そうですね」

 兄弟が楽しそうに談笑していた。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


本当は二人をもうちょっと先まで進めてしまおうかと

思ったのですが、それはこの件が片付いてからに延ばしました。

ごめんね、宰相。

それにしてもR15って、どこまで書いていいんだろう。

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