5.王宮をご案内
寸止めの二人。の巻
着替えるからとアイリーンには部屋を出てもらい、私は伝達石でラルフを呼び出しアイリーンの話をした。
セオ様は会議中なので、トビーさんに話をするということで話がまとまりラルフが観光案内をしながらトビーさんに会わせるということで話がまとまった。
ラルフの巧みな説明を聞いて部屋をまわっているうちに、いつの間にか小さな(といっても、普通の一部屋より広い)部屋に到着した。
「最後はこの部屋ですよ」そう言って、扉を開けるとそこにはトビーさんと・・・・なぜかセオ様も一緒にいた。
しかも、なんか私を見る目が怖いんですけど。なんで~~??
「ラルフ、案内ご苦労様。さて、エマ。私ではなくてトビーに相談ってどういうことかな?」
ええ~、なんで私が怒られるの。理不尽な。
「セオ様が会議中だから、トビーさんに話をしようってことになったんですよ。何やきもち焼いてるんですか」ラルフがあきれている。
「なんだ、そういうことか・・・・。それで相談というのは?」
たちまちセオ様の機嫌は直ったようだけど・・・なんか私だけが損した気がする。だけど、今はアイリーンの話が先。
私は後ろで驚いているアイリーンを連れてきた。
「私の学生時代からの親友、アイリーン・ノリスです。アイリーン、私の雇い主であるキンケイド公爵様と公爵様の友人のブランデル魔道士様、ラルフは公爵様の秘書なの。」
「「「よろしく、ノリス嬢」」」
「は、初めまして。アイリーン・ノリスです」
「アイリーン、こちらの皆さんに私にしたダニエラ様の話をしてくれる?」
「でも・・・思い過ごしかもしれないし」
「ノリス嬢。」トビーさんが口を開いた。
「は、はいっ」
「私たちに話をしてくれませんか?思い過ごしだとしても、ここにいる人間は口が堅い。大丈夫ですよ」
トビーさんの言葉にアイリーンは落ち着いたのか、私にしたブランデール領のことやダニエラ様の話を3人の前でした。
特に念入りに聞き出していたのは、「出入りしている変な人」のこと。私も一緒に聞いてたんだけど、それを聞いて頭に浮かんでくるのは変態ゲイリー。
でも、まさか・・・・ねえ。
3人はアイリーンの話を聞いたあと、何事かを小声で話しあった後に私とアイリーンのほうを見た。
「ノリス嬢。」とセオ様がアイリーンに声をかけた。
「はいっ」
「大変興味深い話を教えてくれて感謝する。帰りはラルフに送らせよう・・・エマは少し残るように」
「当主様。私はまだ休暇中です」
「ちょうどアリンガム殿に用事があるのだ。私が送る」
そう言われると、断る理由がない。
トビーさんはセオ様を見てうなずくと移動魔法で姿を消し、ラルフはアイリーンを伴って部屋を出て行った。
「エマ、さっきは悪かった・・・私じゃなくてトビーを頼ったというのが気に入らなかったのだ」
「セオ様がいらっしゃったら、真っ先に相談しました。でも会議中だということでトビーさんに相談しようってラルフと話をしたんです。・・・でも、もういいです。セオ様は心配性ですね」
「エマに関しては、どんなに心配したって足りない」
そういうと、セオ様は私の座っている場所までくると、私を立たせた。
「セオ様?」
「エマ・・・」
ふんわりと私を包み込むセオ様の両腕。近づいてくる顔・・・・とそこにノックの音。私たちは慌てて離れた。
「悪い、遅くなった」
そう言って入っていたのは国王様とトビーさんだった。
読了ありがとうございました。
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すみませんっ。
全部書いたらとんでもなく長くなりそうなので、
ここでカットしました。




