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【完結】女神三人に『誰が一番美しい?』って聞かれたので下半身で選んだら、十年戦争になりました  作者: 木風


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女神三人に『誰が一番美しい?』って聞かれたので下半身で選んだら、十年戦争になりました

俺の名はパリス。トロイアの王子だ。

ジャニーズもびっくりのイケメンで生まれたせいで、人生イージーモードかと思ってた。

だが、ある日突然、三人の女神が俺の前に現れて、人生ハードモードに切り替わった。


「ねえ、パリスよ、パリスよ、パリスさん。私たち三人の中で、誰が一番美しいか選んでちょうだい」


詰んだ。


事の発端は、数ヶ月前。

英雄ペレウスと海の女神テティスの結婚式があった。

オリュンポス中の神々が招待される、超豪華パーティーだ。

だが、たった一柱だけ、招待されなかった女神がいた。

不和の女神エリス。


「争いとか面倒だし……」

「エリスさん呼んだら絶対荒れるよね」

「黙って呼ばないでおこう」


完全にハブられたエリス。

当然、ブチギレた。


「ふざけんな!!!これでも喰らえ!!」


彼女は結婚式に乱入し、一個の黄金のリンゴを投げ込んだ。

そこには、こう刻まれていた。


「最も美しい女神へ」


会場、凍りつく。


「……え、私のこと?」

「いやいや、私でしょ?」

「何言ってんの、私に決まってるじゃん」


そして、三人の女神が名乗り出た。

ヘラ→ゼウスの妻、神々の女王

アテナ→知恵と戦争の女神

アフロディーテ→美と愛の女神


「私が一番美しいに決まってるでしょ!」

「冗談じゃないわ、私よ!」

「お前ら鏡見たことある?」


三大女神による醜い争い勃発。

神々も困った。


「誰か……判定してくれ……」

「いや、俺は無理」

「俺も無理」

「じゃあ……人間にやらせよう」


最悪の丸投げである。


そして、白羽の矢が立ったのが俺、パリスだ。


「なんで俺!?」

「お前、イケメンで審美眼ありそうだから」

「そういう問題じゃねーだろ!!」


だが、神の命令は絶対。

俺はイダ山の麓に連れて行かれ、三人の女神と対面させられた。


「さあ、パリス。私たち三人の中で、誰が一番美しいか選びなさい」


どう考えても地雷とメンヘラしかいない。

誰を選んでも、残り二人の女神に恨まれる。神に恨まれたら、人生終了だ。


「あの……棄権とかは……?」

「ダメ」

「三人とも美しいってことで……」

「ダメ」

「じゃあくじ引きで……」

「選べ」


詰んだ。完全に詰んだ。


そして、女神たちは俺に賄賂を提示し始めた。

まず、ヘラが微笑む。


「私を選べば、アジア全土の支配権をあげるわ。王の中の王になれるのよ」


権力MAX。めっちゃ魅力的。

次に、アテナが腕を組む。


「私を選べば、戦争で無敵の力をあげる。お前は史上最強の戦士になれる」


戦闘力カンスト。これもヤバい。

そして、アフロディーテがウインクした。


「私を選べば、世界一の美女をあげる♡」


!!!!!

俺の脳内、完全にバグった。

えっ……世界一の美女……?

権力とか戦闘力とか……いや、待て待て。

でも、世界一の美女って……


下半身が決断した。


「アフロディーテ様で!!」


ヘラとアテナの顔が、一瞬で凍りついた。


「……そう」

「……覚えておくわ」


この瞬間、トロイアの運命が決まった。


「で、世界一の美女って誰なんですか?」


アフロディーテはニッコリ笑った。


「ヘレネよ。スパルタ王メネラオスの妻」

「……は?」

「人妻だけど、大丈夫♡ 私が二人を恋に落とさせるから」

「いやいやいやいや!!」

「何? 文句あるの?」

「人妻略奪とか、戦争待ったなしじゃねーか!?」

「知らないわよ。私はあなたが選んだから、約束を守るだけ」


詰んだ。詰みから逃げられない。

アフロディーテの魔力で、俺はヘレネに会った瞬間、恋に落ちてしまった。


「……っ!なんだこの美しさは……!?」


ヘレネも、俺を見て顔を赤らめる。


「あなた……は……」


完全にビビビッときた。

気づけば、俺たちは駆け落ちしていた。

ヘレネを連れて、トロイアに帰る船の上。


「やっちまった……」


だが、もう遅い。

当然、夫のメネラオスは大激怒。そらそうだ。


「嫁を返せェェェェ!!」


彼は兄のミケーネ王に泣きついた。


「兄貴……俺の嫁が……トロイアの王子に……」

「よし、ギリシャ中の王を集めて、トロイアをぶっ潰そう」


ギリシャ連合軍、ノリノリで結成。

参戦した英雄たち:

アキレウス→最強戦士、マジで強すぎる

オデュッセウス→知将、策略の天才

大アイアス→巨漢、防御力カンスト

ディオメデス→神すら傷つけた男


そうそうたるメンバーが、1000隻の船でトロイアに攻めてきた。


「マジで……?」


俺の兄ヘクトルが渋い顔をする。


「パリス……お前のせいで、国が滅ぶぞ」

「マジごめん……」

「今更遅い。戦うしかない」


こうして、最悪の10年間の大戦争の火蓋が切って落とされた。


トロイア戦争は、地獄だった。

毎日毎日、城壁の外で戦いが繰り広げられる。

アキレウスがヤバすぎる。一人で何百人も殺す。

人の心無いんか。


「マジで人間か、あいつ……!?」


兄ヘクトルが必死で防衛するが、ギリシャ軍は引かない。

そして、ある日。

ヘクトルが、アキレウスに殺された。


「兄貴ィィィ!!」


俺は復讐を誓い、アキレウスに挑んだ。

俺の矢は——神の導きで——アキレウスの唯一の弱点、踵に命中した。


「……っ!」

「やった……!」


アキレウス、戦死。

だが、喜びも束の間。

戦争は、まだ終わらなかった。


10年目。

ギリシャ軍は、突然撤退した。


「勝ったのか……?」


城壁の外には、巨大な木馬が残されていた。


「これは……贈り物か?」

「神への奉納品だろう」

「城内に入れよう!」


最悪の判断だった。

その夜。

木馬の中から、ギリシャの精鋭兵士が現れた。


「罠だァァァ!!」


城門が開かれ、隠れていたギリシャ軍が一斉に攻め込んできた。

トロイアは、一夜にして陥落した。


燃え盛るトロイアの城。

俺は、敵兵の矢に射抜かれて倒れていた。


「……結局、俺が下半身で選んだせいで……国が滅んだのか……」


ヘレネが泣きながら、俺の傍に駆け寄る。


「パリス……!」

「ごめん……お前を、守れなかった……」

「いいの……私も、あなたを選んだんだから……」


だが、次の瞬間。

メネラオスが現れ、ヘレネを引きずっていく。


「帰るぞ、ヘレネ」

「……はい」


結局、彼女は元の夫の元に戻された。

俺は何のために戦ったのか。

何のために、国を滅ぼしたのか。

すべては、結婚式にハブられた女神の逆ギレから始まった。


「神って……マジで……理不尽……来世は、仏教徒になるわ……」


俺はそう呟いた。

だが、たぶん違う。


理不尽だったのは、神じゃない。

神は最初から、何も間違っていなかった。

間違っていたのは、選ばなければならない場面で、下半身で選んでしまった俺だ。


……いや。違うな。


選ばされた時点で、もう詰んでたんだ。

遠くで、エリスが笑っていた。

勝者は、最初から決まっていたらしい。

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よろしくお願いします( *・ㅅ・)*_ _))ペコ

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