第十二章7 【覇王杯/オーバーロード・カップ/内田 愛幸チーム】5/逆転参戦方式の戦い方
さて、【内田 愛幸】の真実も語った所で、次はこの【逆転参戦方式】の戦い方を紹介しなくてはなるまい。
【順転参戦方式】では、16チームが最後の1チームになるまでつぶし合いをして勝ち残る事で勝者が決まり、戦い方はお互いのチームリーダーが相談して決めると言うものだった。
それに対して【逆転参戦方式】では対戦チームは存在しない。
この戦いには13チームがエントリーしているが、その13チーム同士は戦わない。
あくまでも自分のチームが所有する【作品】の【世界観】を展開させ、それらの【統治】や【ミッションクリア】などの【ポイント】の【難易度】を競うものである。
つまり、自分達の【作品】こそが、味方である前に立ちふさがる敵でもあるのだ。
この【作品】の【ミッションクリア】への難易度が高ければ高い程、敗れる可能性は高いが、クリアした事に対するポイントはその分高い。
だから、バランスが必要な勝負となる。
あまり高すぎるとチームメンバーでは統治やクリアが不可能になる可能性が高い。
それは当然、自分の実際の力よりも自分の想像によって生み出された物の方が強いからである。
だからと言って、極端な話、駄作とも言える【作品】を展開させた場合は、【統治】や【クリア】によるポイントが低く、他の12チームに負けてしまう。
なので、そのレベルの調整が必要になる。
例えば、【芳一】が考えた【フィクション・レジェンドシリーズ】などは、【世界観】全てを展開すると人の身である彼等が勝てる可能性は限りなくゼロに近いと言うより100パーセント勝てない。
だから、ある程度加減をする必要がある。
その匙加減を調整する必要があるのだ。
他の12チームがどういったクエストを用意するかを考えて、どれくらいまでなら自分のチームでクリア可能か?
それを考慮に入れて、ポイント性で勝負する。
それが、【逆転参戦方式】となる。
【内田 愛幸チーム】の【作品】は、【37作の地下迷宮ラビリンス】である。
それをどうやって【展開】させて、どう料理するか?
それは【内田 愛幸チーム】に一任されている。
だが、1つ言える事は、生身の状態でのポテンシャルは【大恐獣】などを加護としている【内田 愛幸チーム】のメンバーの実力は相当なものである。
後は、【世界観】の【展開】をそれらのレベルに見合う様にどう調節するか?と言う問題になる。
繰り返すが、これはバランスの問題である。
どう、表現し、どう結末を用意するか?
それはチーム自身がそれぞれ決めていくのである。