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第十二章10 【覇王杯/オーバーロード・カップ/内田 愛幸チーム】8/逆転参戦方式の落とし穴3

 強さだけで考えれば、【強さ】を前面に出している作品以外は無用の作品となるので、それらは必要の無い作品という事になる。

 だが、そうではない。

 【選ばれし者】の逆転参戦方式に選ばれた理由は【戦闘面】や【任務の難易度】だけではない。

 例えば、【恋愛小説】ならば、意中の相手を振り向かせるために主人公が如何に努力したかもちゃんと【ポイント】としてカウントされる。

 つまり、【覇王】となる者は【万能性】を求められている。

 色んな【シチュエーション】があり、それをどう【表現】するか?

 その【表現力】を求められているのだ。

 決して、【強ければ】良いと言う話ではない。

 そのため、まんべんなく色んなジャンルを展開させている【芳一】が最もバランスが良いと判断され、彼が【覇王】として選ばれたのである。

 もちろん、【フィクション・レジェンドシリーズ】などの迫力面でも考慮の1つとして考えられているが、決してそれだけではない。

 【逆転参戦方式】の参加者では、それと同等クラスの【発想】を表現した者も居る。

 それらとの評価の差は、やはり、【オールジャンル】を網羅した【表現】、【強さ】を求めていない【作品】もしっかりと【良さ】を表現しきった、【芳一チーム】が最終的に選ばれたのである。

 確かに、【覇王】となるべき者はその後に迫り来る【超絶的な脅威】と対峙しなくてはならない。

 つまり、【強さ】と言う物ももちろん、必須として求められている。

 だが、それだけでは駄目なのだ。

 例えば国を征服しても、その後、政治を行う力が無ければ、その奪った国はすぐに崩壊する。

 国を栄えさせるのは暴力だけでは駄目だと言うことである。

 それが出来るか出来ないかで、その国は豊かにも貧しくもなるのだから。

 だからこそ、支配者たる【覇王】となるものは必要不可欠な資質として【万能性】を求められているのである。

 それに気付いていたかどうかは別として、求められていることにしっかり対応出来ていたのが、【芳一チーム】だけだったと言うことである。

 【力】だけの勝負であった場合は展開次第で他のチームが勝利した場合もあっただろう。

 だが、【覇王】となる資質を問われた【覇王杯/オーバーロード・カップ】の勝利者として必要な事は色んな事柄に対応出来る万能性である。

 それが表現出来た【芳一チーム】が必然的に【覇王】になれたのは偶然では無く、必然なのである。

 繰り返すが、他の12チームは他のチームのレベルを意識するあまり、【強さ】だけを多く求めすぎた。

 これも繰り返すが、必要な事は【バランス】である。

 【バランス】の最も優れていたチームが【優勝】する運命にあるのである。

 これはそう言う話である。

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