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うたを忘れたカナリヤ

作者: 武田道子

うたを忘れたカナリヤ




うたを忘れたカナリヤは

後ろの山に捨ててはいけません

埋めてはいけません

舌を切ってはいけません

柳の鞭で打ってはいけません



逃げた言葉を取り戻すことは

流れ星を掴めないように

逃した言葉の感覚だけが

余韻になって

脳のどこかで悲しい音を紡ぐ



逃した言葉の後をおう

いっそ忘れてしまえばいいのに

何故か喉に引っかかった骨のように

咳をしても、うがいをしても

刺さった痛みだけが残る



うたを忘れたカナリヤを

責めたり、疎んだりしないでください

掃き寄せられた言葉の山が

どんなに高く聳えていても

探している言葉は忘れられてしまったから



うたを忘れたカナリヤは

春の野に咲き乱れるタンポポのように

かごの中で

黄色い羽を羽ばたかせ

うたを忘れたことを忘れています


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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして。 とても面白い本歌取りだと思います。原曲は、カナリアを銀の船に乗せたら思い出しますからね。というロマンティックな内容でしたが、こちらは、歌を忘れたことを忘れる。本来の自分、…
2023/04/23 09:09 退会済み
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