死相花
タイトルとサブタイ修正したので初投稿です。
ウィッチャー3×ゴブスレをピクシブに上げ直しておくゾ
突入した広場は中央に大木が立っており、その周囲に石碑が立ち並んでいる形状だ。
「あれです!恐らくあれが異常の元凶です!」
エリスが指差した先には大木の根元に怪しく咲き誇っている暗い色の大輪の花を持った植物だった。
「あんな花は普段は有りません、間違いないかと」
「そうか」
斧槍を構えて走り、横薙ぎを一閃。綺麗に命中する
すると攻撃を受けた怪しい花が甲高い叫び声をあげると衝撃波を放ってきた。
衝撃波に吹き飛ばされ後退、そうしたら花の周囲から半透明の亡霊達が現れて剣や槍を持って襲い掛かって来る。
「物量系ボスか。エリス!自衛は出来るな!」
「はいっ!それとこれを!」
エリスが詠唱を行うと俺の斧槍が淡く光りだした、多分エンチャントの類だろう。
雪崩のように襲い掛かってくる亡霊を斧槍で払いながら前へと進む。
幸い亡霊たちの復活速度はかなり遅い、定期的に間引きながら前進して一撃離脱が基本となる。
死相花と視界内で表示されたボスの体力バーを確認しながら亡霊達を突きと払いで片付けていく。
亡霊立ちの技量はお世辞にも褒められたものではない、一括で定められたルーチンに則って射程距離に届いたら武器を振るう程度だ。
それでも数の暴力は恐ろしい、歩いてわざと近づくと攻撃が来るのでそれのカウンターを入れ、着実に数を減らす。
「せいっ!」
数を減らして隙間が出来れば、駆け抜けて死相花本体を唐竹割りに斬りつける。
そうすれば死相花が叫び声を上げながら衝撃波を撃ってくるので一度後退して攻撃をかわし、また亡霊達を減らす。
前半戦はこんなものだろう。
エリスへと流れていった亡霊もいるにはいたが、そちらは浄化が覿面に効くらしく、順調に防御出来ている。
初見で安定したルーチンを組めるほど優秀なつもりは無いが、相性はそこまで悪くない。充分だ。
変化があったのはボスの体力が半分を切った段階だ。
死相花本体が魔法を放ち始める。
上空に氷の槍を放って周囲に振らせる魔法と、氷の矢を直接大量に放つ魔法だ。
「一人で対応するボスじゃねーわこれ」
小さく言葉を吐くが状況は改善しない。
氷の槍がランダムに降り注ぐ中、此方めがけて氷の弾幕が俺目掛けて飛んでくる。
それでもなんとかステップを踏んで回避しながら、偶に喰らう氷の槍のダメージをハーブ瓶をキメて回復しながら、ボスへと接近し一撃を与える。
「なるほど、まだ舞えるまだ舞える」
何発か喰らって覚えた結果、槍の振る場所こそランダムだが、落下地点は固定されている事に気づいた。
あとは氷の弾幕を避けながら安置を経由して踏み込めば倒せるはず。
「グレッグさん!」
先ほど喰らった氷の槍のダメージが気になるのだろう、エリスが叫んだ。
これくらいじゃ死なない、死ななきゃ安いってよくいわれるしな。
「自衛に徹しろ!」
氷の弾幕が形成されて飛んでくる瞬間、右へと踏み込んで大きく飛ぶ。その先は氷の槍の安置だ。
そこからも助走を強くし死相花へと接近する。邪魔をする亡霊は無差別に降る氷の槍に大分減らされて障害にならない。
「オォ!」
何度も攻撃を加えて既にあと一撃で削りきれるまで減ったボスの体力を確認し、斧槍を背中から大きく振りかぶる。
遠心力と聖属性エンチャントを加えた渾身の一撃はボスの体力を見事に削りきった。
___
VICTORY ACHIEVED
霧のように消えていく死相花の姿を確認しつつ、残心を行い手に入れたアイテムを確認する。
・死相花のソウル
死が多く栄える場所に咲くとされる不吉な花。
その在り方は魔の方向性が強く、冷たい氷を象徴すると言う。
使用すると経験値になるが、特定の人物に渡すと魔法のスクロールに変えてくれる。
事前に調べた範囲では、通常はボスを倒したらボスの素材アイテムがドロップするだけでソウルは落とさないそうだ。
という事はこれは特殊なボス限定の報酬なのかもしれない。
とりあえず後で遭遇した状況と情報をwikiに挙げておくか、検証は物好きがやってくれるだろう。
それに今は・・・。
「グレッグさ~ん!やりましたね!かっこよかったです!」
「お前も良く耐えた、それとエンチャントも助かったぞ」
「えへへ、ありがとうございます」
エリスが嬉しそうに近づいてきたので肩を叩いて健闘を祝う。身長的には頭を撫でるのが丁度良さそうだったが、
出会って直ぐの関係で触るのはまずいだろう。
それより本来の目的を思い出させる方が良いだろう。
「そら、祈祷とキャンドルの交換をしよう」
「はい!それでは清めの祈りを・・・」
もう敵はいないと思うが、周辺の警戒をキャンドル交換が終わるまでする。
エリスが聖句を唱え終わると周囲一帯が清められた空気に変わり、キャンドル交換によって周囲の光が優しい気配になった。
これで一先ずクエストは完了だろう。ついでに送り届けるぐらいはしておこう、この手の世界で神父との顔繋ぎは大事だからな。
「ありがとうございました!お仕事完了です!」
「ついでだ。教会まで送ろう、帰り道は一緒だからな」
「そうですね、神父様も紹介したいですし」
クエスト達成画面が表示されたが、それを一瞥して閉じると、エリスと一緒に入り口付近へのショートカットの鉄扉を開いて墓地を出た。
作業用BGMにケルトはいいぞ