神官見習い
作業が辛くて足が激烈に痛いが初投稿です
じめじめした聖堂へと突入すると同時に神官服を纏った小柄な人間がゾンビに襲われている風景が見えた。
「頭を下げろ!」
「はいっ!」
声を上げながら更に踏み込むと、ゾンビ共との間合いを調整して斧槍を横に薙ぎ払う。
それで手前の二体分首が飛び、更に一歩踏み込むとその足を軸に今度は縦方向へと逆袈裟に斧槍を振るう。
「せいっ!」
逆袈裟の一撃が人影の右奥から来た一体へと命中しこれの首も刎ねる。
更に反動を利用して浮き上がった斧槍を今度は振り下ろし左奥の個体へと勢いよく落とした。
瞬く間に四体のゾンビを片付けると残心をしながら周囲の残敵を確認し、
いなさそうという事を見ると屈んで両手を頭で抑えていた人影へと声を掛ける。
「大丈夫か。敵は片づけたぞ」
「わっ?!あ、ありがとうございます」
顔を上げたのは性別の判断がつきにくい顔と体つきをした神官だった。
便宜上彼と呼ぶが、彼は立ち上がると服に付いた埃を払って名乗る。
「助かりました冒険者さん。僕はエリス、街の神官の一人です。まだ見習いですけど・・・エヘヘ」
また男とも女とも取れる名前だ、反応に困る。
名乗られたのでこちらも名乗っておこう、それと此処にいる目的と墓地の状態についても聞くか。
「私はグレッグ、しがない冒険者だ。ところで君はなぜここに?」
それに対してエリスは短い金髪を揺らして周囲を確認すると、慌てて落ちていた蝋燭を拾いながら喋った。
「あわわ・・・。実は墓地を清めてくれるキャンドルの交換に来たんですが、いつもと違っていっぱいアンデットが居まして・・・」
拾い終わったキャンドルをポーチに詰め終わると、碧眼を揺らしながら困ったように告げる。
「まだ一度にたくさんの浄化が出来ないので、アンデットに追われちゃいました。
たぶん放っておけば墓地が瘴気に覆われてしまいます。なので一度教会に帰って神父様に相談しようかと思っていた所です」
これはイベントクエストの切っ掛けか?
事前に今出ている情報全てを調べたわけでは無いからなんとも言えないが。
もしそうなら只狩りを続けるよりはクエストをこなした方が楽しいだろう。
「ふむ・・・。それは私に手伝えることは無いかな?」
「手伝ってもらえるなら嬉しいんですが、うちは経営苦しいのであんまり報酬は出せませんよ?」
首を傾げながら告げるエリスに私は頷く。
「元々金稼ぎのクエストは受注している、余分な戦闘くらいなら問題ない」
何かのコネクションにでもなれば上々という奴だ、報酬はクエスト経験値を貰えれば充分。
「それじゃあ墓地のあちこちを巡る事になりますけど・・・、よろしくお願いします」
メニュー画面が現れ、"イベントクエスト:神官見習いとの共同作業"を開始します。と表示された。
ガチで失踪しても怒らないでね。
ちなみに執筆時間一時間の超省エネ文章