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リバーサーの取り扱いを間違えたまぞく

またコンゴーニャス空港か。ここいつもオーバーランしてんな。


野牛のドロップを回収すると、この後どうするかという方向へと会話は流れた。


「私達は野牛の肉と革の回収が目的で来ているのだが、狼が同時に襲い掛かってきて困っていたんだ」


「野牛の群れだけならば私達だけでも問題は無いんだが、それに対して便乗してくる狼まで対処が回らなくてな」


シェリル達の目的と俺の目的は丁度良く噛み合っている、共闘を提案しても問題ないだろう。

なのでこちらも目的を開示して協力を求める事にした。


「俺は狼の討伐と野山羊の毛刈りが目的だ。山羊を見つけた際に止まってくれるなら共闘は歓迎する」


「助かる。それでは野牛はこちらで対処するので狼の群れをお願いできないか?」


先ほどは後衛が狼によって働けなかったが、機能するなら安定は出来るのだろう、特に問題なさそうなので了承する。


「分かった。出来る限り対処しよう」


"シェリル達とパーティを組みますか?"


メッセージウィンドウでYesを押してパーティへ参加すると、視界の左上にメンバーの体力ゲージが映る。

体力バーと名前しか表示されない仕様だ。まぁごちゃごちゃ映るとうっとおしいのでこれぐらいで丁度良いかもしれない。

各自の名前がシェリル、ボルドー、トマス、トリエラ、マリオンと表示された。そしてメンバーの頭上に名前が映る。


一先ずは狩りを続けよう。


斧槍を持ったままでまずは野牛を探す。そして特に危なげなく野牛と狼の混成の群れを殲滅した。

シェリルと戦士のボルドーで前衛のターゲットを受け持ちつつ攻撃して、斥候のトマスが弓と短剣で援護ととどめを刺す。

そして魔術師のトリエラが集団突進をスネアで崩しつつ魔力の矢を飛ばし、前衛へのダメージ軽減を僧侶のマリオンが担当する。

きっちり役割が分けられていて連携も取れている良いパーティだ。


俺はその間、横やりを入れに来た狼どもに斧槍をたっぷりとごちそうしてやるだけでいいから楽である。


どうやらこのマップでは一定以上数のメンバーで探索すると群れでの戦闘になり、さらには高確率で狼が横やりを入れてくるという構成になっているようだ。

単純に狩り数を伸ばすだけならパーティ上限の六人で回れば良いが、常に奇襲を受ける形になるだろう。


逆に少人数なら最初の猪のように少数の接敵で済むので素早く戦闘が終わり、狼の襲撃を受ける前に片付く。

ここは実力があるならばソロ狩りとパーティ狩り両方が出来るおいしい狩場という事になる。

逆に丘の地形的に悪霊の活動場所としてはやりにくい。

開けている場所にばらけているMob、逃げて態勢を立て直すのにも一苦労しそうだ。ここでは悪霊活動出来んな。


「ふむ、野山羊を見つけた。少し休憩していてはくれないか、おやつ代わりにコレを渡そう」


「えぇ、構いませんよ。こちらも休憩しようと思っていた所です」


周囲を警戒していたら三時方向に呑気に草を食んでいる野山羊を見つけたのでシェリルに声を掛けて林檎の入った袋を渡した。

狩りもほどほどに毛刈りの時間である。


といっても大して手間も掛からなかった。どうやら野山羊達は人に慣れているらしく、毛刈りばさみを持って近づいても逃げる様子もない。

しっとりとした毛に包まれた野山羊達に対して毛刈り挟みを翳すと、"毛刈りしますか?"とウィンドウが現れそれを選択するだけだ。

そうするとインベントリに山羊の毛がスタックされて、毛が幾らか刈られた山羊にグラフィックが変化する。


「VRMMOで職業体験するわけにもいかんしな。はは」


規定数まで毛刈りの作業をのどかに行う。この場面だけを切り取るなら酪農家みたいで酷いな。

そうして十五分ほどに毛刈りを終えると、多少さっぱりした野山羊達と一仕事終えた男が出来た。


毛刈りばさみをインベントリに仕舞い、山羊達を撫でてから離れると丘の草原に座って休憩していたシェリル達と合流する。


「もう良いのか」


「あぁ、充分な数は集まった。欲張る事もあるまい」


そう話すと彼女は、緩めていた装備を再度締め立ち上がり他のメンバーにも促した。


「休憩終わりっ!さぁ残りの仕事を片付けようか?」


各々が掛け声と共に立ち上がると、緩めていた装備を再度身に着けて準備を行う。


「後半戦もよろしくお願いする。グレッグさん」


「此方も努力しよう」


狩りは更に続き、日が傾く前のタイミングまで続けられた。

執筆時間が取れねぇ・・・。

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― 新着の感想 ―
[一言] NPCとパーティー組んでの狩りですか、成立する所がAIの出来の良さを感じますね、 毛刈りするまでゲームって事を忘れる程でした。 現実の集団戦でも連携なんか取れないですから…… 他人なんて足…
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