ぼくはひこーきパイロット
アエロフロート航空593便墜落事故
ログインすると最初にレベルアップ処理を水晶の所で行う事にした。
巨大水晶に触れるとウィンドウが現れ、そこでレベルアップの画面に移動する。
上昇させる能力値は最初に体力と頑強、次に筋力と技量だ、まずは斧槍の基礎火力を上げる前にスタミナゲージと体力・装備重量を上げて行きたい。
火力向上は中盤の装備を整えてからでも遅くは無いだろう。
ついでに課金ショップを覗くと、狩人装備の外装アバターが新発売で売っていた。これは買わざる負えない
細かい所は本家とは違うが、獣狩りの夜の雰囲気を味わえるならちょっとの課金は必要経費だ。
周囲を見ると、ちらほらと同じように狩人装備のアバターが見受けられた、お前達もか・・・是非も無いな!
まずはギルドに行き、そこで前日に受領して達成した墓地での討伐クエストの報告をする。
そうして金を手に入れると次は鍛冶屋に行き斧槍の手入れをしてもらう。もっとも軽く研ぎを入れる程度だろうから直ぐに済んだ。
あとは昨日とは別の焼き菓子を買いに行って教会に向かう事にする。早速教育を受けに行くのだ。その後今日の狩りに行こう。
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教会に訪れると、敷地を掃除していたエリスに出会った。
「こんにちわグレッグさん!神父様に御用ですか?」
出会うと花のように咲いた笑顔で挨拶してくれる。殺伐としたゲームばかりしていた俺には清涼剤だな。
「あぁ。それとお土産だ、皆で分けると良い」
「ありがとうございます!呼んできますね!」
土産袋を受け取るとトテテと小走りで駆けていくエリスを見送り敷地内に入る。
礼拝堂の一角で机と椅子に座り教科書を片手にバーナード神父の話を聞いていく。
彼の話し方は分かり易く、また飽きさせにくいものだった。教育用AIを流用しているのだろうか、話は面白い。
この世界が女神に寄って創造され、また邪神の尖兵がそれを覆そうとしている話を聞いた。
そして現在の世界情勢を簡単に聞いたところで今日の授業は終わりにする。ゲームの中とは言え金を稼がねばならんからな。
「為になった、これからも空き時間に来させてもらおう」
「いえいえ、力になれたならそれで充分ですとも」
礼を言い立ち去ろうとすると、神父に呼び止められる。
「少しよろしいですか?」
「どうした」
「出来ればですが、エリスとは仲良くしてあげてください」
何かのトリガーだろうか?だがまぁ教会に来るついでに構うぐらいはしてもいいだろう。
「それぐらいなら構わない。ではな」
歩いて礼拝堂を出ると、エリスが数人の子供と一緒に何やら木の枝を振り回して遊んでいるようだ。
早速だが軽く構ってやるとするか。
「騎士ごっこか?」
近づきながら声を掛けると、エリスがこちらを振り返りながら返事をする。
会話をしながらエリスの隣に立つように位置取った。
「そうです、神官騎士になるんだーって。もうやんちゃなんだから」
実際に脅威が存在している世界なら需要はあるだろう、但し選抜されたエリートにしかなれないと思うが。
その手の栄達も悪くは無いが、聖騎士だなんだってのは堅苦しいな。気軽に殺し殺される関係が一番だ。
「神官騎士になるなら猶更勉学は外せんだろう。子供の憧れだな、悪いとは言わんが」
「しっかり勉強してくれたら色んな選択肢が取れるんですけどね・・・」
産業革命以前は根本的にマンパワーが足りていないのに人口扶養限界が低いという悩みがあった、
だから孤児で教育未修の就職先は農民か兵士ぐらいなものだ。
この世界では開拓や維持に冒険者という受け入れ先がある分まだマシなのかもしれないが。
「まぁ何とかなるだろう。それでも世の中は回るんだ」
努めて明るい口調でそう言う。こればかりは社会が進歩しなければどうにもならない問題だ。励ますくらいしか出来ん。
「そうですね!何とかなりますよ」
気を持ち直したのか、エリスが声を上げて子供たちの中へと入っていった。
俺も自分の作業に戻るとしよう、まずはギルドに向かって今日の討伐クエストを受注しなければな。
(ガバガバ倫理)恥ずかしくないのかよ(ケツ叩きの音)
あ、こ↑こ↓にウィッチャー×ゴブスレの二次張っておくゾ
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14612289