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対話  作者: 優希
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貴方は誰…?

今…私は初対面の男性と対峙している。ただ、私は彼に対して何とも言えない違和感を感じながら、「いろいろと聞きたい事はたくさんございますが…兎も角今聞きたい事は、ここは…何処…?今は…いつ?そして…あなたは誰…」と質問しかけた。初老の男性は遮るように「誰とは随分な事を言ってくれるね。」と返答してきた。私は続けて少し記憶を探ってから彼に言った。


私「そうですね…私はあなたを知っている…」

初老の男性「そうですね…何故なら…」

私「あなたは…」

初老の男性「君は…」

私・初老の男性「…」


最後の言葉は私が「私自身…なのですから。」と言ったのに対し初老の男性が「私自身…なのだから。」と重なった。私としては間を取ってずらしたつもりなのに重なった事に不服を感じつつも、私と同じ思考回路を持つものだと感じていた。少し間をおいて初老の男性が話しかけてきた。


初老の男性「まずは、私とあなたについて確認してもいいかな?」

私「ええ…」

初老の男性「私は春野優希はるのゆうき。1987年10月8日生まれ。65歳。体は男性だ。心も多分男性だ。君は春野優希はるのゆき。1987年10月8日生まれ。14歳。体は女性。心も女性。これで合っているかな?」

私「ええ…そして私とあなたは1996年までは少なくとも同じ体に住む異人格であったはず。どうして私の体があるのですか?後…春香や薫は何処にいるのですか?そしてここはいつですか?ここは何処ですか?」

私は彼が間違いなく私自身の片割れである事を理解しながら畳みかけるように質問した。すると優希さんはこう答えた。

優希「ここが2052年である事は察しの良い君ならわかるだろう。ここは何処かだが…う~ん…こちらへついて来てくれるかな。」

優希「色々あったのだけれど外を見てもらうのが一番早い。」


そう促された。

少し不機嫌な顔を作りながらこう答えた。


私「そうですか。すぐにでも説明してもらいたい気分なのですけど。まあいいです。落ち着いたら実家のユキノシタとイワヒバを見せてくれれば許します。ほら…あの水をかけると広がる植物。」


そういうと優希さんの表情がみるみる暗くなってゆく。いくつかのエアロックの様な扉を通り窓のある通路にたどり着いた。


優希「これが現実だ…」

そう一言話して苦々しい表情を浮かべている。

私「これは…何…ここは何処なのですか?」


そう問いかける私に10秒ほどの間があって答えが返ってきた。


優希「あれは地球だよ…ここは地球の低軌道にある研究室だ…色々な事があったが…一言でいえば戦争があったんだ。」

私「え…嘘でしょ!?春香は!?薫は!?私の家族は!?」


彼の胸倉をつかみかかりながらそう言いった。ゆっくりと視界の端が暗くなって意識が遠のいてゆくのを感じた。


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