第九一話「崇められるって楽じゃない! 」
“聞く耳持たず”な様子の民達は半ば強制的に
“御休所”と呼ばれる建物の前へと一行を“案内”した。
そして……戸惑う主人公達に対し手を合わせると
満足した様子で何処かへと帰って行ったのだった。
だが……その一方
そんな“御休所”の前へ放置されてしまった一行を
怪訝な表情で見つめて居た門番は
暫くの間一行を監視した後、意を決した様に
一行に近付き……
◆◆◆
「不躾な質問で申し訳無いが
あなた方はその……“宗教団体”か何かの関係者で? 」
開口一番そう訊ねて来た門番に対し
主人公は酷く申し訳無さそうにしつつ……
「い、いえその……到着早々何故か崇められ
此処まで連れて来られてしまっただけでして……」
と、門番がより一層
“怪訝な表情”と成ってしまう様な返事を返し……
「はぁ……それはまた災難でしたね。
ただ、そうなると大変に申し上げにくいのですが
私の後ろに立つ建物は国防上の制限区域ですので
早急にお立ち去り頂く必要がございましてですね……」
と、申し訳無さそうに説明していた門番
だが次の瞬間、彼の背後に聳える巨大な門が開き始め……
「やはり皆様でしたか……ようこそお越しに成られました
先ずは……」
そう言って門の向こうから現れたのは天照であった
だが、これに大層慌てた門番は……
「あ、天照様っ?! も、もしや
此方の方々は天照様のお知り合いで? 」
「……ええ、とても大切な方々です。
私の無理なお願いをお聞き入れ頂いているのですから
皆様の事は私と同等……いえ、それ以上の扱いを命じます。
決してぞんざいな扱いなどせぬ様にお願いを……」
天照が其処まで言い掛けた辺りで
門番の顔色は見る見る内に青褪め……
「た、大変……申し訳有りませんでしたっ!!!
皆様がその様に“やんごとなき”方々とはつゆ知らず
先程までの非礼……どっ、どうかお許しをッ!! 」
そう言うや否や
一行に対し凄まじい勢いで土下座をした門番の男
その様子に慌てた主人公は門番に対し……
「いぃッ?! ……いや、何一つ怒ってませんし何も不愉快では無いですし!
非礼だなんてそんな事は一切有りませんから!
とっ……取り敢えず頭を上げてください! 」
と、いつもながらの慌てっぷりを見せた主人公。
だが、尚も詫び続ける門番を立たせようと
彼の肩に触れた瞬間……
「うぐっ!? ……ぐあああああっ!!! 」
突如として苦しみ始めた門番の男。
見れば、主人公が触れた肩を押さえ苦しんで居る様子
一瞬は慌てた主人公だったが、反面
この余りにも良過ぎる“タイミング”に彼は内心
門番の男を――
“あれ? これ……当たり屋みたいな事してる? ”
――と、疑って居た。
だが、門番の肩からは血が滲みだしており
それに気が付いた主人公は慌てて治癒魔導を発動させ
門番の肩を治療し……
「な゛ッ?! ……完全回復ッ!
どうですか!? 痛みは取れましたか?! ……」
そう訊ねた主人公
一方、門番の男は……
「ええ、完治した様です……ですが
非礼をお許し頂いた上に怪我の治療まで
何と御礼を言えば宜しいのでしょうか……」
「御礼など必要ありません、それよりも気になるのはその怪我です
一体、何が原因です? ……まさか
“俺が触れたから”って訳じゃないでしょうし……ない、ですよね? 」
少し“怯えつつ”もそう訊ねた主人公
一方、門番の男は少し答えにくそうにしつつも……
「この傷は……大変お恥ずかしい話なのですが
つい先程、宗次様に“稽古”をつけて頂いた時に受けた傷でして
とは言え、宗次様は何も悪くないのですよ?!
……私が足を滑らせたせいで剣が触れてしまい
怪我をしてしまっただけですから……ですが
光栄な事に宗次様は私の事を大変に心配して下さり
自らの不注意だとお伝えしたにも関わらず
私に治療を施して下さったのです……この包帯こそが
その証拠で御座います! 」
と、彼が袖を捲り主人公に見せた包帯は
とても不格好な“巻き”をしており……
「あらら……これ
怪我の手当てと言うには若干お粗末かもですね。
宗次さんも慌てたんでしょうけど
これならもっと上手い人に任せれば良かったのに……」
そう彼が言うや否や
門番は少しムッとした表情を見せ……
「宗次様を貶す事はお控え願いたく! ……って!?
私とした事がまたも無礼な態度を!!
……ど、どうかお許しをッ!! 」
「い、いえ……俺の方こそ申し訳有りませんでした。
ま、まぁその……取り敢えず怪我は治療出来た筈なので
その包帯は外して大丈夫です、あと……その包帯は
記念に大切に取って置くと良いかも知れないですね」
と、僅かに気を使ってみせた主人公
だが……
「い、いえ……此方こそ度重なる非礼
大変申し訳御座いませんでした……ですが、流石に
“血まみれの包帯を取っておく”のは些か不衛生かと……」
「あっ、其処は結構ドライなんですね」
彼の気遣いはいまいち伝わっていなかった様である。
ともあれ……この後、天照の案内に依り御休所内部へと招かれ
そのまま最奥の部屋へと案内された一行、だが
其処にはとある“先客”が居て……
◆◆◆
「ん? おぉやっと来たか!! ……待って居たぞ! 」
そう言いつつ
一直線に主人公の元へと近付いて来たのは宗次であった
直後、彼はまたしても主人公の肩を強く叩き……掛けて止めた。
だが“そう”した理由は主人公に対する
“配慮”では無かった様で……
「なぁ、おめえさん……何で“御守り”が掛かってるんだ? 」
宗次は主人公の頬に目をやりつつそう訊ねた。
見た目に分かる様な痕跡が残って居る訳では無いのだが
其処には“何らか”の残留魔導がある様で……
「ま、まさか口紅が取れてな……あッ、いやそのッ!!
ベッ、紅さんが気を使って下さっただけでッ!!! ……」
と、慌てて服の袖で頬を擦りつつ
必死に弁明する主人公に対し、宗次は……
「ほう、成程? ……紅はおめえさんに“ツバ”付けた訳か」
「えッ? ……あ、あのそれは一体どう言う意味で……」
「……その“御守り”の効果の一つは
物理攻撃を受けた場合のみその攻撃を相手にそのまま跳ね返す。
言わば“特殊な盾”みたいなモンなんだが
人に掛けてる間は本人が無防備に成るんだぜ?
だから、余程気になる相手にしか
普通使わねぇんじゃねえのかなと思ってよ? 」
「えッ?! ちょッ!? ……これの解除方法は?! 」
「……ん? 紅は好みじゃないか? 」
「こ、好みぃッ?! ……って、そう言う事では無く!!
……俺は唯、俺のせいで
誰かが危ない目に遭う様な事があって欲しくないだけです。
だから、早急に解除する方法を……」
「ほう? 女みてぇな顔してる割に意外と男らしい所もあるんだな?
だが、解除は掛けた本人が解く他にはねぇよ?
どうしても嫌だって言うんなら
早く紅の所へ行って解除して貰う事だが……まぁ取り敢えず。
主人公とやら……天照様から聞いたが
おめえさん達は“特務大臣”として
南地域の利点と欠点を調べに来たんだろ? 」
「は、はい……ご迷惑でしょうか? 」
「……いいや?
寧ろ俺が許可するから存分に調べてくれて構わん。
調べた結果は俺にも教えてくれればそれで良い……それと
邪魔する様な奴ぁ居ねえと思うが、一応念の為
俺の近衛兵がおめえさん達の事を広めて回ると思うからよ。
ま……安心して調べて回ってくれ! 」
「助かりますッ!! ……って、それで言えば早速なんですが
転移して来て早々、何故か俺達の事を
“神扱い”する町民達に囲まれまして
正直、かなり難儀したので出来れば
その辺の誤解も解いておいて頂けると助かります……」
「……ほう? “神”ねぇ?
ま、悪い様にはしねぇから安心して回ってくれ。
取り敢えず俺は城に帰るからよ……用があったら立ち寄ってくれ! 」
「了解です! ……」
宗次は笑みを浮かべ一行に別れを告げると
御付きの魔導師に連れられ、自らの居城へと転移して行った。
一方、宗次が立ち去った後
天照との会話もそこそこに街の散策へと繰り出した一行は
先程よりも明らかに“悪化”した
一行を取り巻く“環境”に……
◆◆◆
「おぉっ!? ……主人公様だ!!
皆! 主人公様がおら達の地域へ“降臨”なさったぞ!! 」
「えッ?! ちょ?! ……」
理由は不明だが
先程よりも主人公の事を神扱いする者達が増加しており
更には仲間達に対しても祈りを捧げる者達で溢れかえって居た。
……本来、精霊族の女王として
“崇められる”事には慣れている筈のマグノリア……だが
異常な程の“祈り”が捧げられ
流石のマグノリアですらも若干居心地が悪そうな様子。
一方……主人公を崇めて居た者達は
一斉に彼の元へ走り寄ったかと思うと
突然彼の前で屈み、彼を取り囲む様な形で
祈りを捧げ始めて居た。
そんな、如何ともし難いこの異質な状況に困惑しつつも
祈りを捧げる民達に声を掛け
必死に問題点を探ろうとして居た主人公。
だが、そんな彼の発した……
「とッ兎に角ッ! ……この地域で何か問題はありませんか? 」
と言う一言を聞くや否や
一人の民は思い切った様子で主人公に対し……
「……お、おらの娘は嫁の貰い手がねぇでいっつも泣いてるだ!
主人公様のお力で、是非とも
娘を嫁に行かせてやって貰えねぇですか!! 」
と、主人公に対し文字通り“神頼み”をした民の一人
無論、この“神頼み”を叶えられる力が
主人公にある筈も無く……
「い、いやその、俺……って言うか!
“俺達”別に神とかそんな畏れ多い存在ではないですから!
ただ勿論……そう言う願いを
すんなり叶えられる力が有ったら叶えてあげたいとは思ってます!
……って、そうじゃなくて!
俺達がこの地域に来たのは、この地域の抱える問題点
つまり、欠点と思える事柄を探りに来たんです
この地域だけで無く、延いては
日之本皇国全土の民達が
幸せに暮らせる法律やルール作りの為
“天照様”からお願いされて動いているんです。
ですので、皆様は俺達に祈りを捧げるよりも
この地域に何らかの問題が有るのであれば
それを包み隠さず教えて下さった方が、何倍も……」
と、其処まで言い掛けた所で
民達は更に大きな“勘違い”をした様で……
「あ、あの全知全能の天照様が
“直々に願い出たぁッ?! ”
……や、やはり主人公様は神様なんだべ!! 」
「えッ? ……ちょ?!
だからそう言う事じゃなくて……って、うわぁぁぁッ?! 」
激しく興奮した様子の民達は更に主人公に祈りを捧げ
そして――
“その体に触れればご利益が有る”
――と考えた一人の民の行動を真似るかの様に
民達は雪崩式に主人公に“触れ”始め……
「いいッ?! ちょぉッ?! ……ど、何処触って!?
……ひゃぁぁぁんッ!? 」
興奮気味の民達に依って“もみくちゃ”にされて居た主人公
そして、そんな主人公を見つめて居たマリーンは……
「わ、私もどさくさに紛れて……」
「ちょっマリーン?! 何を……って、ひゃぁぁぁんッ?!! 」
暫くの後
一通り“触れ”終わった民達は
少しだけ落ち着きを取り戻し
主人公の話に耳を傾け始めた。
の、だが……
「も、もうお婿に行けないッ……グスンッ……」
と、酷く“ショック”を受けた様子の主人公。
だが、ふらつきつつもガルドの肩を借り立ち上がると
民達に対し……“神頼みの様な物以外で”
問題点は無いかと改めて訊ねた。
すると……
◆◆◆
「も……問題点と言っても
おら達は畑を耕すのが仕事ですから
天候が悪けりゃ問題ですが、望み通りの天候に成ってくれれば
それだけで幸せを感じるもんで……」
と、一人の農民が言うと
もう一人の農民はこれに対し……
「そうだなぁ~……けんど
去年辺りからオラの所の畑は獣害が酷くてよぉ
防げる物も人も居ねぇだもんで散々だ~ぁ。
かと言って、天照様の御休所を守る
門番さんに頼む訳にも行かねぇだし
宗次様の近衛兵さん達に頼むのだって無理だ。
……だが、オラ達は畑耕す事しか出来ねぇ弱え人間だから
自分であの“獣達”を倒せる力はねぇだよ。
主人公様の仰られる“問題点”だが
オラ達が思いつくのは精々この位だべ……」
そう言った農民は少し悲しそうな表情をして居た
そして、そんな農民に対し主人公は……
「大きな問題点……あったじゃないですか!
正にそれを聞きたかったんですよ! ……分かりました。
今、俺達が倒すのは簡単でも後々俺達が居なく成った時
皆さんが困る事に成る方が問題なんです。
なので……少し時間を下さい
皆さんが大切に育てた素晴らしい作物を荒らす
“害獣問題”は俺が責任を持って解決に導きますから! 」
民達の前でそう宣言した主人公
彼の言葉に民達は感動し、そして……
「おぉ!!! ……主人公様!!! 」
例に依って
民達は主人公を崇め
祈りを捧げ、そして……
「ちょ、ちょっと? ……皆さん?!
いっ……
いっ……
イヤァァァァァッ!!!! ……」
再び、民達に依る
“お触りタイム”の餌食に成ってしまったのであった……
◆◆◆
暫くの後
“人間不信気味”な主人公は
この地域が抱える問題解決の第一歩として
民達から得られた情報を宗次に伝える為
宗次の居城へと向かった……だが。
再会早々、主人公に対し何か言いたげな様子で
“ニヤニヤ”とする宗次の態度に依って
漸く“原因”を知った主人公は
恨みの籠もった様な
雰囲気を醸し出しつつ――
「……“悪い様にはしない”って言いましたよね?
民達に対して流したであろう“嘘”は後々の関係性に響きますからね? 」
――そう、鬼気迫る様子で
静かに凄んだのだった。
ともあれ……この後、流石に
申し訳無さそうにしつつも、宗次は……
「い、いや面白いから煽ってみたんだが……正直すまなかった。
其処まで疲弊させてしまうとは思っても見なかった
とっ……所で主人公とやら!兵からはおめえさん達が
“情報を伝えに来た”と聞いたが……何か問題はあったか? 」
主人公に対しそう訊ねた宗次
一方の主人公は大きな溜息を吐いたかと思うと
宗次に対し少々尊大な態度で語り始めた……
「あの……お言葉ですけど。
“沢山の”大きな問題が有ると思いますよ?
それも……“バカでも”分かる位の物が大量に」
「なっ?! バカとは失礼な! ……いや
先ずはそれ程までに大言する“問題”の内容を聞かせて貰おうか」
「ええ……まず一つ目ですが
門番との訓練で怪我をさせた挙げ句
あんな下手な治療で治した気に成ってる
その“無神経さ”から治さないと
どう見ても少な過ぎるこの地域の防衛力に
更に穴が空く事に成りますよ? 」
「なっ?! ……あ、あれは気が動転してだな! 」
「そうですか……では、次に。
紅さんから聞いて居たので
ある程度この地域の得意な分野は知っていましたが
この地域は農作畜産が得意な地域で、全地域の
言わば“胃袋”を任されて居る訳ですよね? 」
「ああ! その通りだ! ……南地域の農場は豊かだろう! 」
「ええ……ですがそれ程に重要な田畑の防衛力が
“ペラッペラ”なのは一体どう言う事です? 」
「ペ、ペラッペラだと?! ……」
「ええ……害獣程度に苦しめられる様では不安定過ぎますし
そもそも、衣食住のどれかが欠如すると
地域同士のいがみ合いと言う“火”に油を注ぐ結果に成りかねませんし
昔の様にまた大きな争いを生む結果になりかねませんよね?
と言うかまぁ、見て回った限りでは他にも問題は多いと思いますが
何れにしても宗次さんがもっと確りすれば良いだけの話です。
……問題点としてはこの位ですかね? 」
と、主人公が言い終える頃には
宗次の表情は正に
“鬼の形相”と言うべき物と成っており……
「主人公……貴様ッ……」
と主人公に近づき凄む宗次だったが
これに動じず、寧ろ……
「殴りたいんですか? ……どうぞ?
ですが……事実を指摘され、逆ギレした挙げ句
天照様直々に任命された
“特務大臣”を殴りたい……と言うのならですが。
“泣きつき”もしませんが、反撃しないとも言いませんよ? 」
と、更に尊大な態度をしてみせた主人公
更に怒りを顕にした宗次は拳を振り上げた。
だが……
「……いや、貴様の言う通りだ
俺は統治者として適切では無いのかも知れん……
……だがな、主人公とやら
俺の治める南地域に防衛戦力が不足して居る理由は
何も俺が“手を抜いて居る”からと言う訳では無いのだぞ? 」
「では、その理由を」
そう主人公が促すと
宗次は……
「……天照様が四地域を纏め
日之本皇国を治める事と成った“あの”争いだが
あの争いで最も兵を失ったのは他でも無い南地域だ。
元々、この地域は軍事的に長けた国だったんだが
恐らくはそれ故に慢心して居たんだ
“多数の兵を投入すれば勝てる”とでも思っていたのだろう。
……兵と呼ばれる者達を殆ど全て投入し
そして“全滅”させてしまったのが当時の長だ。
国に残って居たのは田畑を耕し、家畜を育てる者達ばかり
所謂“農民”って奴だが……斯く言う俺も農民の出だ。
それ故食うには困らなかったが
指摘の通り“獣”からの被害が多くなるのは必然
さらに言えば、対処出来る兵も著しく少ない。
何せ、全てが丸く収まった後に集められた兵は
皆農民上がりの者が殆どな上
人間相手の訓練しか行っていない。
……無論、解決策を考えて居ない訳では無いが
唯でさえ手の足りて居ない防衛力を
“対獣”訓練で疲弊させていては
いざと言う時に動けなく成りかねん、かと言ってこれ以上
農民を兵にすれば国家の胃袋を保てなく成っちまう。
……正直、とても困って居るのだ」
全てを話し終わった宗次は
自らを不甲斐無く感じて居たのか
情け無さの滲み出る様な表情をして居た。
だが、そんな宗次に対し……
「えっと……その悩み、割と簡単に解決出来そうではあります」
「な、何だと?! 」
「……が、取り敢えずは
全地域の均衡とかその他諸々を含め
俺自身が考えを纏めてからお話する事に成るかと思います。
全てが纏まったら全地域の長を集め
天照様にもご同席頂き
地域ごとに必要と思われる改革について
全てお話したいと思っています。
取り敢えず、今日は考えを纏めたいので
宿へと向かいたいのですが……
……この地域の宿って何処らへんにあります? 」
「ん? おめえさん達の宿は“御休所”だと聞いているが? 」
「えッ?! ……御休所って
“あの”御休所ですか?! 」
「ああ、先程|天照様と話していた時に
天照様本人からそう聞いたが……」
宗次がそう伝えると
主人公は暫くの間固まり、そして……
「わ、分かりました……でっ、では……今日の所は帰ります! 」
「おう! ……また後日な! 」
一行は宗次に見送られ彼の居城を後にした。
その後……皆緊張し恐縮しつつも
一行は、本日の宿として
“御休所”を利用する事と成ったのだった……
◆◆◆
「で、ではおやすみなさい! ……は~ッ。
さてと……一応纏めておくか……」
自室に入るなり机に向かうと
南地域を含めた全地域の利点と欠点を
手当たり次第に紙に書き連ねそして
それらの問題点の解決策を必死に考え続けた主人公。
そして、翌朝……連日の疲れか
若しくは“お触りタイム”の疲れか
彼は書類の散乱した机で目覚める事と成り……
===第九一話・終===




