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異世界転生って楽勝だと思ってました。  作者: 藤次郎
第一章

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36/310

第三十六話「楽しい勘違い?! 」

《――ゲーム大会まで後二日と成った頃

主人公がマリアから“鉄拳制裁”を受け“変態の称号を授けられた”一方で

ディーンは“大統領執務室”をたずねて居た。


彼はラウド大統領に対し、ある相談をして居て――》


………


……



「……主人公に対し

我々は一体どう礼をすれば良いのでしょうか? 」


「ふむ……主人公殿の事じゃからのぅ

“感謝して貰えたらそれで”としか言わぬじゃろうし……


……この件はわしに任せて貰いたい」


「しかし! ……それでは我々は

主人公に対し何も礼が出来ていないでは有りませんか! 」


「ほう? ……では、今後何があろうとも主人公殿を信頼し

共に歩んで行く事を誓えるんじゃな?


……“救われた命にむくいる”とはそう言う事じゃよ? 」


「その様な容易たやすい事が彼に対する礼に成ると言うのですか? 」


「……その発言、主人公殿に聞かせてやれば涙を流して喜ぶじゃろうて

まぁ、細かい事はわしに任せてくれると助かると言う事じゃ。


仮にもわしはこの国の大統領じゃからのぉ? 」


「……承知致しました。


時間を割いて頂き感謝致します……では失礼します」


《――直後

ラウドに一礼し執務室を後にしたディーン――》


「ふむ……しかし

主人公殿はことごとく良縁を引き寄せるのぉ……」


………


……



《――翌朝

ゲーム大会まで後一日となったヴェルツでは

マリアと主人公がゲームについて話して居た――》


「最近何処に行ってもゲームの話題が凄いですね~


……ガンダルフさんが言ってましたけど、大会特需なのか

オセロとバックギャモンの売れ行きが凄いみたいですよ? 」


「……何だかスポーツイベントで売れるテレビみたいな感じだな」


「ですね~……あっ!

主人公さんにお伝えする様に言われてたんですけど!

ガンダルフさん、そろそろ新しいゲームのアイデアが欲しいみたいです」


「ゲームか~……オセロにバックギャモンだろ?

ボードゲームばかり増やし過ぎても何か違う気がするし

かと言ってトランプみたいにルールが山程作れてしまう様なのは

まだ早い様な気がするし……ボードゲーム以外に挑戦するとして

何が良いんだろうな~って思ってるんだけど……ってあっ!


……ジェンガとか良いかも!


っとマリア、今度ガンダルフに……って居ない?! 」


<――話している途中だと言うのに突如として煙の様に居なくなったマリア

周囲を探していると――>


「“ジェンガとか”……の辺りで飛び出していったわよ?

でも、ルール知ってるのかしらマリアさん」


<――とマリーンが言った。


“いや、知ってるも何も……ほら”


と俺が言うと――>


「あっ転……そうだったわね!

でも、これで少しは主人公のお財布事情も暖かくなるんじゃない? 」


「まぁ、俺自身がどうとかより

皆で楽しく暮らせる稼ぎがあればそれで……」


<――などと話して居た

その時――


“ガンダルフさんに注文掛けてきました~!

けど……二つ程問題が有りまして”


――と全くもって人間業とは思えない程の速度で

帰って来たマリア――>


「早っ?! ガンダルフの工房まではかなりの距離が……って、問題? 」


「えっとですね~――


“木の種類でしか差別化出来ん

そうなれば価格帯を分けた所で二段階程度じゃ。


石で作ると不味マズいのか? ”


――との事です」


「成程ね……崩れた時に危ないから木の方が良い事と

今回は兎に角大量生産で薄利多売にすると良いかもって伝えといてくれ」


「了解です! ……けど走り疲れたので

朝ごはんの後に伝えておきますね~……ふぅ! 」


「……そりゃ疲れるだろうな。


っと、朝ごはん食べよっか! ……」


<――朝食後


魔導力回復の為、今日も部屋にもる事を選んだ俺――>


………


……



「今日も魔導回復に専念か……皆、行きたい所があったら行っておいで!

俺は例にって部屋で“ダラダラ”するから! 」


「ほうほう? ……転生前の生活態度に似てきましたね?

食べて遊んでダラダラ……」


「ぐっ……そう言う事を言ってるとマジで揉むぞ? マリア」


「ほうほう? ……“二人の”だけでは飽き足らず

私の胸までほっするとは……流石は“変態”主人公さんですね? 」


「う゛っ、痛い所を……だからあれは事故だって! ……」


<――そう釈明しつつ

メルとマリーンに対し助けを求める様な目線を送ったが

やはり二人は目を合わせようともしてくれなくて――>


「……二人共この件に関してずっとだんまりとかひどいぞ?!

もう良い! 俺は部屋でダラダラするから!

……二人はどっかで遊んでくれば良いだろっ?! 」


<――直後

全員を部屋から追い出した俺は……全員が合鍵を持っている事を知りつつも

えて鍵を掛け、ベッドに戻りふて寝する事を選んだ――>


………


……



《――その一方、部屋から追い出された三人は

仕方無くヴェルツ一階へと移動して居たのだが――》


「わ、私……凄く罪悪感で一杯ですっ……」


《――意を決した様にメルがそう言うと、マリーンもこれに同意した。


一方で、マリアは――》


「……まぁ、何と無く“事故なんだろうなぁ”とは分かってましたけど

面白くて少しイジり過ぎちゃいましたかね……ま、もう少しして

主人公さんが落ち着いた辺りを見計らって部屋に行ってみません? 」


「は、はいっ! ……そしたら私ちゃんと謝りますっ! 」


「そうね、流石に私も意地悪が過ぎたと思うし……」


《――と、三人が反省し始めて居た頃

自室にもって居た主人公はとても不機嫌な様子で――》


………


……



「……全く! 元はと言えば二人が俺の事を

“景品”にしたからあんな事に成った訳で! ……でもなぁ。


不可抗力とは言え、二人の胸を触ってしまったのは事実だし……


……だぁぁぁっ! 考えても頭がまとまらないッ!


ちょっと早いけどもう寝るか……」


《――そう言ってベッドに横たわった主人公。


だが、その瞬間ドアをノックする音が聞こえ――》


「主人公……少し話があるんだが構わんか? 」


「ん? ……構わないけど、どうした? 」


《――彼の元を訪ねて来たのは“ディーン”であった。


だが、何処か緊張している様子で――》


………


……



「そ、その……主人公よ。


この所、私達の所為で色々と苦労の掛け通しと言う事もある

少しでも礼をしたいのだが、君は何も受け取らんつもりだろう? 」


「いやいや! 別に御礼なんて良いよ! 感謝してくれてるだけで! ……」


「……ラウド殿が言った通りの反応をするんだな。


全く、欲の無い男だ……だが、それでは私の気持ちが収まらない

ラウド殿の受け売りですまないが

我々ディーン隊一同は……今後

主人公がどの様な立場になろうとも共に歩む事を誓いたい。


これが我々に出来る、現状唯一の礼のつもりだ……」


《――そう言うと深々と頭を下げたディーン。


だが――》


「何か結婚式の誓いの言葉みたいだな……ってか

そんな事誓わなくても良いよ。


そもそも、仲間を護る事だけ考えるのがリーダーだよ?

仮にその“選択”の所為で俺の為に死ぬなんて事に成ったら

それは俺が一番望まない結果だ……だから、その申し出は断る」


「……そんな事は分かっている

仲間の命を守る事を最優先とした上で……その上で、主人公をだな! 」


「……分かってる。


正直、凄く嬉しいよ……俺みたいな変人を大切に思ってくれてるなんてさ

それも、ディーンみたいに出来た男がって言うのがより一層嬉しいよ。


本当に有難ありがとな……」


「と、兎に角……私達は主人公達の味方であり親友だ。


これだけは変わらない……伝えたぞ?

で、では! ……長居をしても迷惑になるだろう!


しっ……失礼するッ! 」


《――言うや否や

逃げる様に早々と部屋を後にしたディーン――》


「お、おいディーン! ……って、行っちゃった。


……ありがとう、嬉しいよ

俺の事を親友だって言ってくれた事……って言うか

この世界に来てから沢山友達が出来たんだな俺……


……元の世界での事を考えると


こんな幸せって……今まで……無かった……な……っ!! ……」


《――直後

一筋の涙を流した主人公……だが

時を同じくして、マリア達は部屋へと帰って来てしまい――》


………


……



「……元の世界では……友達なんて一人も……


って……どうしたんだ?

何処かに遊びに行けば良いって……言ったろ?


……グスンッ」


「あわわわわ?! ……私達っ……」


「主人公を……」


「……泣かせちゃったって事ですか?! 」


《――直後、完全に“誤解した”三人は

慌てた様子で主人公の元へと駆け寄り――》


………


……



「マリアさん……本当は私達が悪いんです!

主人公さんに無理矢理……そのっ……酷い要求をしちゃって!

主人公さんは何も悪くないんですっ!!


……ごめんなさいっ!! 」


《――と

頭を下げたメルに始まり――》


「私もよ! 主人公の気持ちも考えずに……本当にごめんっ! 」


《――続いてマリーンも

主人公に対し頭を下げ――》


「わ……私も、良く話を聞かない内に主人公さんをめちゃって

本当に……ごめんなさいっ! 」


《――とマリアまでもが主人公に対し謝罪をした。


だが――》


………


……



「えっ?! ……い、いやその……この涙は……」

(……不味マズいッ!!


“いやいや、ディーンの優しさに感動して泣いてただけだよ~!

しかし、恥ずかしい所見られちゃったな~っ! てへへっ! ”


……とは“絶対に言い出せない雰囲気”が出来上がってる?!


ど、どうにか軌道修正しなければ……)


………


……



「わ……分かってくれたならもう大丈夫だから! 」


「いいえ駄目ですっ! ……代わりに

主人公さんが私達に何か要求してくださいっ!

そうじゃないと……主人公さんだけ我慢して不公平ですっ! 」


「い、いや何も其処までしなくても良いよメル……」


「……いいえッ! メルちゃんの言う通りよ!

私達が無理矢理な事をしたんだもの……だから

主人公が何をしても私達は怒らないし、それで気が晴れるなら……」


<――と話している途中

何故か顔を赤くして俯き黙り込んだマリーン。


……今、一体何を想像した?!


俺が一体何を要求すると想像した!? ――>


「わ、私は冤罪で鉄拳制裁しちゃいましたし……


……代わりに私を殴ってくださいっ! 」


「マリアはマリアで……そんな事出来る訳無いだろ?! 」


「そ、それなら……そのっ……主人公さんは

大きな胸が……その……お好きってマリアさんが……

だからそのっ……どうぞっ! 」


<――そう言うや否や

何を思ったのか、メルは俺に向けて胸を突き出し――>


「なっ?! ……やめっ?! 」


「じ、じゃあ……私のもっ……」


<――直後

同じくマリーンも胸を突き出し――>


「じゃあ私も! ……」


<――甲冑姿ではあるが

同じく胸を突き出したマリア――>


「ゆ、夢の様な光景だ……ってそうじゃなくてッ!!


何か罰が無いと駄目だって言うなら……そうだ!

マリアは下でジュース買って来てよ!

仲直りに皆で飲める様なのを四人分で良いから!

そ……それでマリアの事は全部許すからさ! 」


「そんな事で良いんですか? ……じゃあ急いで買って来ますっ!! 」


「あまり急いで転んだりしないでね! ……ってもう居ないし?! 」


<――相変わらずなマリアの俊足っぷりに驚いて居た俺を他所に

メルは――


“わ、私達はどうすれば良いんでしょうか? ……”


――と、たずねて来た。


だが……とても不安そうにして居たし

そもそも、この問題を早く解決したかった俺は――>


「罰って言ってもどうしたら良いのか……あっ!!


“二人が俺の頬にチューする”……とかどうかな!?

断れない状況の二人に対しての凄~く“悪どい”お願いだし

流石に罰に成るよね?! ……ね!? 」


<――と、必死に罰らしい罰をひねり出したつもりの俺。


だったのだが――>


「駄目よ、それが原因で主人公が悲しい思いをしたんじゃない

もっと重い罰でも良いから……気を遣わないで良いのよ? 」


<――と、マリーンに拒否された。


と言うかそもそもを言えば、何故罰を受ける側の人間が

罰の種類を選んで居るのだろうか?


……などと考えつつ

俺は必死に代案をひねり出そうとして居たのだが――>


………


……



「……駄目だ、全く思いつかない。


普通なら此処で凄くイヤラシイ事とか要求するべき状況なんだろうけど

二人にそんな酷い要求するのは絶対に嫌だし……」


<――そう言った直後


“わ、私は主人公さんが望む事なら何でもっ! ……”


と、本来なら大喜びするべきだろう発言を繰り出したメル――>


「……いやいやいや!!!

そんなの駄目だ! そっ、そう言うのは……そっ、その!

けっ……結婚した男女がだねッ?! ……」


<――と“お手本”みたいな説教を始める事に成った俺に対し


“なら、世界の何処かでは一夫多妻が認められてるんだし

其処で私達二人をお嫁さんにしたら良いじゃない! ”


と、マリーンが言い出し――


“……そうなんですか?!

じゃあ、マリーンさんの案でおねがいしますっ! ”


――メルまでもが乗り気に成った事で

だんだんと話が不味マズい方向に進み始めた。


と言うか……何故“罰”の話から

“一夫多妻”の話に飛躍したのだろうか?


……そんな事を考えつつ、必死に頭を悩ませていた俺


そして……つい

今回の問題と“ここの所の大きな悩み”を一挙に解決する

最高のアイデアを思いついた俺は――>


………


……



「……な、何か話が大きくなってるけどさ!


二人共……お願いだから其処まで真剣に悩まないでくれ

もう俺の中で罰は決めたから……これは拒否権無しの罰だから。


良い? ……絶対だからね!? 」


「はいっ……何でも言って下さいっ! 」


「ええ……メルちゃんに同じくよ! 」


「……よっしゃ!

じゃあ、二人に受けて貰う罰は――


――今後“俺の取り合いみたいな流れ禁止ッ! ”

はい! これが罰ッ! これで解決ッ!

拒否権は無いから絶対に……って。


メル? マリーン? ……」


<――直後

想定外の反応が帰って来た。


二人は酷く落ち込み、マリーンにいたっては

“自分が身を引く”とか言い出した。


てか、何で……静かに泣きながらそう言う事言うかなぁ。


だぁぁぁっ、もうっ!! ――>


………


……



「……待て待て待てぇぇぇぇぃ!!


何だよもう! ……二人共

何で俺がちょっと泣いた位でそんなに重く受け取るんだよ?!

別に“取り合い禁止”って言ったのだって

二人を嫌いに成ってそう言った訳じゃ無いし

そんなに重く受け取らないでくれよ……」


「だって……私達の所為で主人公さんが悲しむなんて

耐えられませんっ……グスンッ……」


「なっ?! ……メルまで泣くなよ?!

俺はただ無理に罰を受けようとしないで欲しいだけなんだよ。


そもそも、俺にだって沢山悪い部分が有った筈なのに……


……だからもう“罰”とかやめてさ

お互いに“ごめん”で終わりにしよう? ……ねっ? 」


「ええ、分かったわ……これからは私達も

主人公の気持ちを考えて行動する、だから今回の事は許してね。


本当にごめんなさい……」


<――そう言って謝ったマリーンを皮切りに

メルも――>


「その……主人公さんはいつも私達に優しくしてくださるので

今回もきっと気を使ってるんだって思っちゃって……その

“暴走”しちゃって……本当にごめんなさいっ! 」


<――と、謝ってくれた事で

この騒動の“着地点”がやっと見えて来た。


だが――>


………


……



「良かった~やっと解決……ってか

それにしてもマリア遅くないか? ……たかがジュース四杯だよね? 」


<――と、話す俺に聞こえた


“た……すけ……てっ……”


と言う、弱々しいマリアの声。


“まさか?! ……何かあったのか!? ”


……慌てた俺は部屋の扉を勢い良く開けた。


すると――>


………


……



「たす……けて……」


<――其処に居たのは


……俺の涙を重く受け止め、いささか気を遣い過ぎたのか

ジュース……だけで無く、豪華な食事やデザート

酒類や保存食等を山の様にかかえた

“バランスギリギリ状態”のマリアで――>


「なっ?! ……今受け取るからちょっと待て!

メル! マリーン! ……リレー形式で部屋に運ぶぞ!

上から取っていくからな!


慎重に……慎重に……メル、受け取ってッ! 」


「はいっ! ……マリーンさんっ! 」


「っと……受け取ったわよ! 」


「よし……次はこれだっ!! 」


「あ、危ないっ!! ……


……ふぅ、何とか耐えました」


「……悪かったマリア! 次はもう少し慎重に取るよ

メル……受け取って!


よし、後ちょっとだ……耐えろマリア!

後は……これと……これとっ――


――これだッ! 」


………


……



<――不味マズった。


……俺が受け取った食材の袋にはひもがついて居た

そしてその紐(ひもは……あろう事か

鎧の“留め具”に引っ掛かって居たのだ――>


「……いやんっ! 主人公さんのエッチっ!

って……きゃぁぁぁぁっ! 」


<――防具が外れ

大幅にバランスを崩したマリアは――>


「ご、ごめんッ! って……うわぁぁっ?! 」


<――そのまま

“覆い被さる様に”俺の上に倒れた――>


………


……



「痛たたっ……っと。


良かった~……落としても大丈夫そうな物ばかりでしたね!

って……主人公さんは何処に? 」


「ふがふがふが! ……ふがぁぁっっ!! 」


《――この瞬間、うつぶせに倒れて居たマリア。


そんな彼女の下敷きに成って居た主人公の顔は

マリアの“胸元”で圧迫されており……彼は

呼吸すらままならぬ状況に慌て、必死に助けを求めて居たのだが――》


「ひゃあぁぁんっ!! ……なっ?! ……なっ!? 」


「ふ……がっ……」


《――その“救援要請”もむなしく

ほど無くして、主人公は酸欠にり気絶した――》


………


……



《――暫くの後

気絶から目覚めた主人公は、ベッドの上へと寝かされて居て――》


「う~ん……ハッ!!

って……あれ? ……何で俺ベッドに?! 」


《――どうやら気絶前後の記憶が曖昧な様子の主人公は

状況を把握するためか辺りを見回した、すると……


……部屋のすみ

顔を真っ赤にして“体育座り”をしているマリアを発見し――》


「どうした? マリア……ってか何で顔が真っ赤なんだ? 」


「べ、別に何でも……ない……です」


《――そう言って膝に顔をうずめたマリアの姿に

“どこか調子でも悪いのだろうか? ”と心配していた主人公。


だが、彼が近づけば近付く程に彼を避けようとするマリアの態度に――》


「なぁマリア……俺、何か悪い事しちゃったのか? 」


《――とたずねた主人公。


だが、そんな彼女マリアの代わりに彼の質問に答えたのは

何故かとても不機嫌な様子のマリーンで――》


「……まぁ、私の口から言うべき事じゃないし?

詳しくはせるけど……気絶したのは覚えてるんでしょ?

覚えて無いならヒント位はあげるけど

主人公に取っては幸せな気絶方法なんじゃない? ……私は知らないけど」


《――そう言った直後

不機嫌そうに外方そっぽを向いたマリーン。


当然……“何故怒ってるんだろう? ”と考えた主人公は

次の瞬間、全てを思い出し――》


………


……



「……あっ!!


あ、あの~っ……マリアさん? 」


「べっ、別に気にしてませんからっ! ……」


「いや、本当にごめんッ!! 取り敢えずその……そうだ!

この食材全部を消費するのは流石に無理っぽいし!

その……さ晴らしみたいな意味も込めて

ディーン達でも呼んで、ちょっとした宴会みたいにしようよ!


……ど、どうかな? 」


「は、はい……お任せします……」


《――と、膝に顔をうずめたままそう答えた彼女マリアの様子に

主人公は妙に緊張し――》


「よ、よしッ!! そうと決まれば! 魔導通……っと危なっ?! 」


「だっ……大丈夫です! ……私が呼んできますからっ! 」


「お、おう! 有難うマリア!! す……凄く助かるよッ!! 」


《――独特な緊張感をただよわせながらも

必死に取りつくろおうとして居た二人……そして、暫くの後。


ディーン隊を連れ部屋へと戻ったマリアを“過剰なまでに”ねぎら

礼を言った主人公の様子に違和感を感じつつも、ディーンは――》


「宴会と言われて来てみたが……とんでも無く豪勢だな」


「……き、来てくれて助かるよディーン。


皆さんも早速飲んで食べて楽しんで下さいね!! 」


「ああ、遠慮無く頂こう……しかし“助かる”とは一体……」


「い、良いから良いからッ! ……早く食べて飲んで! 」


「ああ、頂くが……」


《――この後

ディーンらと共に一頻ひとしきり宴会を楽しんだ主人公。


だが――》


………


……



「このおしゃけ(お酒)……美味しいれすわね……ヒック! 」


「あれ? ……タニアさんが飲んでるそれって普通のジュースでは? 」


「しょうれすよぉ~っ? これもシューシュー(ジュース)れすよぉ~っ♪

てヵ……眠いのれぇ~ねまぁ~すっ♪ おやすみなさ……zzz」


「いや……マリアの飲んでるのは相変わらず酒だぞ?

って、もう寝てるし……」


「そりゃ飲みたくも成るんじゃない? ……

……あんなに大胆に顔をうずめられたら」


「い゛っ?! いやそれはッ!! ……」


<――この唐突なマリーンの爆弾発言に

思わず動揺してしまった俺は……


……誤魔化ごまかす為、慌てて飲み物に手を伸ばした。


だが、俺が手に取り飲み干したのは自分のグラスでは無く

俺の隣に座って居るディーンのグラス……に入って居た

“ウイスキー”で――>


………


……



「ん? 何か味が……ってこれ酒じゃないかッ!?

グエッ?! ……ゲホッゲホッ!! 」


「当たり前だ、私のを飲んだのだから……まぁ構わんが

それよりも主人公、顔が赤いが……大丈夫か? 」


「ゲホッ! ぜ、全部飲んじゃった……ヒック! 」


「主人公さんっ! ……大丈夫ですかっ?! 」


《――そう心配するメルに対し

主人公かれは“屈託くったくの無い笑み”を浮かべ――》


………


……



「らいひょ~ぶ♪ ……ひんひゃいにゃい♪ 」

《訳:大丈夫、心配ない》


「主人公?! ……って、心配な反面可愛いわね」


「……まりゅぃ~んのひょ~がきゃわひぃ~よぉ~♪


しょんにゃこちょよりおるぇしゃ~♪

べちゅにしゃんにんのらめににゃいれらんしゃにゃくれ~♪

りぃ~んろやらしられにゃいれららけらろり~♪

きゃんちぎゃいしゃれたかりゃ~こまっちゃっらよ~ぉ♪ ……zzz」


《――酒に呑まれ理解不能な言動を暫くの間続けた後

満足した顔で眠りについた主人公。


……この場にいる全員が首を傾げて居た中で

ギュンターだけが彼の発言を“理解”していて――》


………


……



「……成程、それは主人公様も災難でございましたね」


「えっ?! ギュンターさん、今の話……理解出来たの? 」


「ええマリーン様……ご説明申し上げましょうか? 」


「え、ええ……お願いするわ! 」 


「では、原文に忠実にご説明を――


マリーンの方が可愛いよ。


そんな事よりもさぁ

別に三人の為に泣いていたんじゃ無くて

ディーンの優しさに感動して泣いて居ただけなのに

勘違いされて困っちゃったよ。


――と言った内容でございますね」


「もう! 主人公ったら私の事を可愛いだなんて!


……ってちょっと待って?

ギュンターさん……今、主人公が何て言ったのか

もう一度……聞いてもいいかしら? 」


「ええ……ですから、主人公様が涙されていたのは

御三方の為では無く、ディーン様への涙だったと……」


《――そんなギュンターの説明にわずかに怒りを感じて居たマリーン

一方、メルはこの事実を知った上で――》


「……と言う事は私達が必死で謝ってたのは

完全に主人公さんの“嘘”って事だったと……ですが、とは言っても

結局、私達も主人公さんに悪い事しちゃってましたから……」


「ねぇメルちゃん? ……確かにそうかも知れないし

私達も悪かったとは思うけれど……もし今

マリアさんがこの事実を知ったら……」


「ふがっ? ……呼びました? 」


「なっ、何でも無いですっ! ……寝てて下さいっ! 」


《――と、瞬間的に起きたマリアを

慌てて寝かせつけようとして居たメルの隣で


タニアは――》


………


……



「えっとねぇ~っ……主人公さんはねぇ~っ

あなた達の為じゃなくてぇ~

ディーン様の為に泣いてたらしいわよ~っ♪ ……ヒック! 」


「なっ!? ……タニアッ!


これは不味マズい流れだ……主人公ッ!

起きるんだ! おいッ! ……」


《――タニアの暴露に慌て

主人公を揺り起こそうとして居たディーン。


そんな中――》


「……今何と?

それが本当なら……許せません……」


《――静かに立ち上がり

殺気をただよわせながらそう言ったマリア。


そんな彼女の鬼神のごとき形相に――》


「マリアさん……落ち着くんだ、詳しい事情は知らんが

いずれにせよ主人公には悪気など……」


《――説得をこころみたディーンの制止を無視したマリアは

拳を振り上げ――》


………


……



「……怒るのは止めときます。


私も悪ノリが過ぎてましたし、主人公さんの

ある意味“完璧な”タイミングは、主人公さんの良さでも有りますから。


色々と、許します……」


《――少し頬を赤くしながらそう言ったマリア


そんな彼女の様子に安心したディーンは――》


「……それは良かった。


良い仲間を持ったな、主人公よ……」


《――そう言うと

眠った主人公かれを優しく持ち上げベッドに寝かせた。


そして――》


………


……



「さて……我々はそろそろ失礼しよう、それと

君達三人には一つだけ分かって欲しい事がある。


……勘違いは何時でも起こり得る事だが

忘れてやらないで欲しい……主人公は常に

君達の事を第一に考えている事を……いや、すまない。


今の君達に説教など不要な様だ……私も酔いが回ったのだろう。


失礼するよ……」


《――直後

隊員達を連れ、静かに部屋を去ったディーン――》


………


……



「確かに……ディーンさんのおっしゃる通りですね。


主人公さんは何時も私達の為に必死で頑張って下さっていますっ

私達も……主人公さんをもっと大切にしなきゃですねっ♪ 」


《――満足げな寝顔の主人公を見つめながらそう言ったメル

すると――》


「……主人公ったら優しいからつい甘え過ぎちゃうけど

私ももう少し主人公を大切にしなきゃ駄目ね……メルちゃんに賛成よ! 」


《――マリーンもこれに同意し

そして――》


「……私、主人公さんがディーンさんの為に泣いてた理由

さっきのディーンさんの雰囲気で何と無く分かった気がしました。


私ももっと……主人公さんの事、大切にしますね」


《――マリアまでもが“彼を許し、大切に扱う”と誓ったこの瞬間

突如として寝言を発した主人公――》


………


……



「皆……ずっと一緒……に……ずっと……ずっと……


メ……ル……マリー……ン……


マリ……ア……マリア……」


「……ふふっ♪ 私だけ二回も呼んじゃって~っ♪

何ですか~? 主人公さ~んっ♪ 」


《――彼の微笑ましい寝言に喜び

彼の顔を覗き込みながらそう言ったマリア。


だが、寝言には“続き”が有った――》


………


……



「マリア……の胸……柔ら……か……い……っ……zzz」


………


……



「……前言撤回です。


もう、許しませんッ! ――」


《――言うや否や

天高くてのひらを振り上げたマリアは――》


………


……



「――ゆっ、夢でまでうずめるなぁぁぁぁぁぁっ!!! 」


………


……



《――主人公の頬を力一杯ビンタしたのだった。


ともあれ……この出来事のしばらく後

“ジェンガ”の試作品が一行の元に届いた……だが。


……試遊しゆうの際“倒れる様”が今回の出来事に“酷似”して見え

国内外で大流行したゲームでありながら

彼女達が黒歴史を思い出す“初のゲーム”と成ってしまったのは

不幸な出来事と言うべきなのかも知れない――》


===第三十六話・終===

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