第二六七話「“制御”するのは楽勝ですか? ……後編」
<――紆余曲折の末、どうにか伝える事の出来た一つの手段。
だが……俺を含め
それぞれの心に浮かんで居ただろう期待や不安とは裏腹に
直後、発動させた借り物の固有魔導は
この場にあまりにも異質な空気を齎した――>
………
……
…
「該当する魔物が居ないだと? ……どう言う事だ?
“新種ら”は確かにジョニーの野郎を……」
<――漏れ聞こえた女性兵士の声
そんな彼女の疑問に輪を掛ける様に
この直後発せられた“無機質な声”は――
《生成条件の変更を行いますか? 》
――そう、発動者である俺に問うた。
直後……ざわつき始めた大臣達、だがそんな中
一人、冷静に声を上げたクレインは――>
「ふむ……主人公。
“生成条件の変更”と言うのが何を意味するのかは気になる所だが
それよりも先ず、我々が気にすべき問題を解決して置くべきだ。
その“声”は今、間違い無く
“該当する魔物は存在しません”……と言った。
もし、その言葉を好意的に受け取るのならば
既に例の新種は“絶滅した”……そう考えるのが妥当では無いか? 」
<――そう、言った。
だが、この直後……そんな彼に対し
オルガは真っ向から反対意見を口にした――>
「いや、違うな……良いかクレイン。
……確かにその考えが正しいに越した事は無いだろう
もし正しければ、満足とは言えない我が国の防衛力は
“四”からの再配置に依り増強され、近隣に住まう者達も安堵を得るだろう。
だが……もし、それが誤りであったならば
再配置に依って手薄と成った“四”には壊滅的な被害が発生する事となる。
そもそも魔導には効果的に作動する範囲がある……ならば
現状、我々の居る場所では“認識出来ない”と言う可能性も高い筈だ」
<――何れの意見も正しく、同時に間違って居る様にも思えた。
だが、何れの意見が正しいのかなどお構いなしに
“声”は――
《コマンドが未入力です……生成条件を変更しますか? 》
――再び、そう急かす様に問うた。
直後――>
「は……発動をキャンセルッ! 」
《無効なコマンドです……再入力を行って下さい》
「な、なら……“生成条件の変更”についての詳細な説明をしてくれッ! 」
《無効なコマンドです……再入力を行って下さい》
<――取り消す事も出来ず、説明すらも拒絶され
どうする事も出来ず困り果てて居た俺に対し
リオスは――>
「う~ん……取り敢えず、スライムでも生み出して
この“変な状況”に区切りをつけた方が良いんじゃないかな? 」
<――そう言った。
だが、そんな彼の意見に強い反対の立場を取ったガンダルフは――>
「……何を言うかリオス!!
わしらはあの新種共に“煮え湯を飲まされた”んじゃぞ?
何かの手立てを考え、無理矢理にでも奴らと同じ種を生み出さねば
失われた者達への顔向けさえ出来んじゃろうて!
主人公、無理を言っておるのは重々承知じゃ……じゃが
新種を召喚し、奴らの能力を検べねば成らぬ事実は変わらん。
何とかして手段を編み出すんじゃ! 」
<――そう、強く求めた。
だが……あくまで“通称呼び”でしか無い“新種”と言う名の他に
新種達の事など知らぬに等しい以上
明確な手段など、そう簡単に思いつく筈も無くて――>
「ガンダルフ……言ってる意味は分かるし、俺だって悔しいんだ。
だけど……説明さえされない状況で
リオスが言う様に“何らかの魔物を変わりに召喚する”のも
正確な名前さえ分からない“新種”を召喚する方法も、俺には分からない。
……俺だけじゃ無い
この場に居る皆の中に少なからず刻まれてしまった
新種達への恐怖と怒り……だけど、そいつらの正確な名前さえ分からず
剰え“存在しない”とまで言われたんだ。
俺だって不甲斐ないんだよ、ガンダルフ……
せめて……せめてこの獣遣之鞭が
俺の記憶から新種達の事を読み取れるなら
こんな状況に陥る事なんて無かったのに……」
<――身動きの取れない状況の中
そう“愚痴”とでも呼ぶべき物を溢した
瞬間――>
《……該当データを確認。
生成を開始します――》
<――突如として発せられた“無機質な声”のいきなり沙汰な挙動に
慌てて体制を整えた兵士達……だが。
この直後……この“無機質な声”は
再び俺達に“苛立ち”とも呼ぶべき感情を齎した――>
《――位置情報ERROR
生成を中断します……》
<――まるで
からかって居るかの様にそう発した“声”は
直後……不快感を顕に舌打ちをし武器を下げた兵士達の感情を
再び酷く乱高下させた――>
………
……
…
《……生成条件に該当する地域を検索中
該当地域……発見
……位置情報を認証地域に変更
生成を“再開”します――》
<――その声を訊かずとも分かる程
大量に“消費”され始めた俺の魔導力……だが。
待てど暮せど影も形も現れず……その状況とは裏腹に
燃料の様に消費されて居た魔導力に大きな違和感を感じて居た俺の真横で
エリシアさんは何かに気付いた様に血相を変え――>
「可怪しい……今の口振りなら絶対に
研究機関じゃ無い何処かには生み出されてる筈。
……仮にそれが“スライム”だとしても
何処かに魔物が召喚されてなきゃ可怪しいんだ。
条件に該当する認証地域……って、まさかッ!?
全員ッ! 戦闘準備ッ!! ――」
<――直後
エリシアさんの口から叫ぶ様に発せられた――
“総員、第二城外郭へ!! ”
――と言う命令は
この場に居る全員の心を一気に“臨戦態勢”へと変化させ――>
「……全隊ッ! 気を抜くなッ!
転移魔導、発動ッ!!! ――」
<――そんな確信と言うべきエリシアさんの命令に遅れる事無く
直ぐ様外郭への転移を発動させた特別配備隊の隊員達。
この直後……彼らの転移魔導に依って現場へと到着した俺達の目に写ったのは
懸命に指揮を執る外郭防衛隊隊長の姿だった――>
………
……
…
「……対象の出現を確認ッ! 全隊、攻撃準備ッ!
全大臣、及び魔族軍への応援要請を急……」
<――到着直後
指揮に従い、慌ただしく動く防衛隊員達の姿……だが、そんな中
必死に指揮を執る防衛隊隊長の肩に手を置き
首を横に振ったガーベラさんは――>
「……防衛準備だけで構わないわ。
大臣なら既に全員揃って居るのだから……それと、攻撃は少し待って。
あれは……主人公さんが出現させた“実験用”だから」
<――そう、冷静に言った。
直後、その指示に疑問を感じた様に
ほんの一瞬、俺の顔を見た隊長さんは――>
「り、了解致しましたッ! ……では警戒態勢に移行します。
……全隊員、命令あるまで現状で待機だッ! 」
<――僅かに何か言いたげな様子で、そう命令を下したのだった。
ともあれ……この後
……突如として亀裂より現れたあの日と変わらず
此方の騒ぎなど、まるで些事かの様に
完全に静止したまま不気味に佇んで居た“新種”に対し
外郭防衛隊の隊員達は、明らかな嫌悪感と恐怖を顕にして居て――>
「あ、あれを生み出したってのかよ……ったく、何やってんだよ」
「馬鹿、聞こえるぞッ! ……きっと俺達には分かんねぇ考えがあるんだよ
そもそも……馬鹿げた命令に思えても、黙って従うのが俺達の仕事だぜ? 」
「分かってるさ、けどよ……今日まで何一切の動きが無かったんだぜ?
にも関わらず、そんな“藪蛇”じみた行動を取る必要が何処に……」
<――そう、不満を漏らして居た。
無論……彼らの言わんとする事が間違って居るとは思わないし
俺だって、この件が研究機関で完結していれば
どれだけ心穏やかだったかとさえ考えて居た。
だが、それでも……酷く不本意な形で実現する羽目になったこの状況を
漸く得られたこの機会を無駄にせぬ為――>
「……批判、ご不満は当然ですし後で幾らでもお受けします
ですが……どうか、今は協力を。
身勝手なお願いではありますが……どうか、頼みます」
<――彼らの不信感から目を逸らさず
真っ向から向き合う事を決めた俺は……そう、彼らに頼んだ。
直後――>
「……お、俺達には状況が分かりませんが
外郭の防衛だけは任せてやって下さい」
<――僅かに恐縮した様子でそう応えてくれた隊員に感謝を伝え
尚も一切動く事の無い“新種”へと目を向けた――>
………
……
…
「……捕縛の魔導で捕まえられるなら苦労はしませんが
恐らく、新種はそんなに甘く無い筈です。
寧ろ、下手に刺激して暴れさせない為……
……最悪、捕縛が不可能だった場合を考え
現時点で能力値を確認しておくのも一つの手かも知れません。
何れにせよ、万が一にも新種が逃げ出してしまわない様
一定範囲に結界を掛けて置く必要が……」
<――出来る限り安全、且つ最大限の成果を得る為
そう策を提案した俺に対し、大臣達は皆賛成の立場を取ってくれた。
唯一人、エリシアさんを除いては――>
「ごめん、本来なら反対なんてしないんだけどさ……その……
……主に“私の所為”で無理かも知れないんだ、その“方法”……」
<――この瞬間
そう、皆が首を傾げる様な事を口にした。
かと思うと――>
「……単刀直入に言うと
今日、解除されたばかりの“第一段階”が原因なんだけど
新種を封じられるタイプの結界って“第一段階”と殆ど同じ種類の物なんだ。
だから……もし万が一“共鳴”したりすると
主人公っちが危ない可能性もあって……」
<――完全な解除では無い以上、そんな危険性もあるだろう。
だが……余りにもタイミングの悪過ぎるこの“制限”に
唯でさえ難度の高い新種対策はさらに危険な物へと変貌を遂げた。
とは言え……発案者であり、発動者でもある俺が
そんな理由でこの場を去る訳にも行かず……状況は
如何ともし難い方向へと変化してしまって――>
「そ、その……どの程度までの技なら、発動しても大丈夫なんですか? 」
<――直後
そう訊ねた俺に対し――>
「う~ん……結界系じゃ無ければ大丈夫だけど
恐らく、結界系じゃ無いと新種は防げないと思う……」
<――そう、嫌な禅問答かの様に言ったエリシアさん。
……そんな彼女の答えに依って
無防備さを許容せざるを得ない状況が始まってしまったこの瞬間
そんな状況に輪を掛ける様に――>
《――個体名:翅蟲の生成を完了しました。
生成工程を終了します――》
<――この瞬間
そう発せられた“無機質な声”に依って、俺達は
ある“恐ろしい考え”に至ってしまう事となった――>
………
……
…
「か、完了って……“今出来上がった”って事よね?
まさか?! ……全員、念の為警戒を強めてっ! 」
<――この瞬間
そう叫んだミアさんの思い浮かべて居たのだろう事と
恐らくは違わぬ理由を元に
新種……もとい“翅蟲”に対し俺達は再び警戒を強めた。
外見こそ完全体だった翅蟲が、今の今まで無反応だったのは――
“唯、中身が出来上がって居なかったから”
――そんな、冗談みたいな話が
高い確率を持って居る様に感じられたから。
そして……そんな強い恐れは
この場にさらなる危険な状況を発生させた――>
………
……
…
「其奴が……其処で舐めた態度で立ってるそのクソムシ野郎が……
俺の恩人を……ジョニーさんをっ!!
二度とあの日みたいな惨劇は繰り返させねえっ!!
これ以上誰も、殺らせねぇッ! ――」
<――瞬間
止める間も無く暴走し、翅蟲との距離を詰めた一人の魔導兵。
直後、彼の放った一発の魔導砲撃は……その正確な狙いとは裏腹に
翅蟲に掠る事さえ無く、その“背後”に着弾した――>
「なにっ?! ……攻撃が抜けやがるだとっ?! 」
<――魔導兵に対し
“避けた事さえ気付かせぬ”程の力量を見せつけた翅蟲は……
……この直後
明確な殺意を以て魔導兵へと差し迫った――>
………
……
…
「や、止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッ!!! 」
<――到底間に合う筈も無い距離を悔み
そう、叫ぶ事しか出来ない自分自身の無力さを悔んで居た
この直後――>
………
……
…
「……い、生きてる?
一体何が起きたんだ? ……って……ひぃっ?!
く、来るな……来るんじゃねぇッ!! ……」
<――ギュッと閉じた瞼
震えに震え、唯死を待って居た筈の魔導兵……だが、この直後
薄目を開けた彼から発せられる事と成った腑抜けた様なその声は……
……魔導兵の眼前で完全に静止した翅蟲の
傍目に分かる“殺意の無さ”と共に、この場に
何一切状況と合致しない、異質な空気を齎し――>
………
……
…
「な……何をやっとるか馬鹿者ッ!!! 早く戻れッ!! 」
「で、ですが! 翅蟲は確かに……」
「言い訳は後にしろ! 兎に角戻れこの馬鹿者がッ!!
……貴様は後で始末書だ!!!
“魔導書”と見紛うばかりに書かせてやるから覚悟しろッ!!!
しかし……一体どう言う事だ? 」
<――この瞬間
そう、脇目も振らずブチギレた魔導兵長の強烈な圧に引きつつ……
……何故、明確な殺意を以て差し迫った筈の翅蟲が
既の所で“止めた”のか……恐らく、その理由に絡んで居るだろう
自らの使用した技に関する報告不足を
正直に伝えるべきか悩んで居た俺は――>
「そ、その……固有魔導:獣遣之鞭は
一度戦った魔物を召喚する事は勿論……その名の通り
魔物を“使役”する力でもあります。
ですから、その……何と言うか……」
<――“苦し紛れに止めろと叫んだ事が功を奏した”
とは言い出せず、歯切れ悪くそう伝える事と成ってしまった俺
……直後、困った様に後ろ頭を掻いた魔導兵長は
ゆっくりとそんな俺に近づき――>
「主人公様……報告・連絡・相談は戦の基本です。
今回は魔導隊にも責任はありますが……以後はお気をつけ下さい」
<――怒りを抑え
かなり言葉を選んだのだろう様子で、そう言った――>
「す、すみませんでした……」
<――たまたま防げたに過ぎない状況の中
不甲斐なさと共にそう謝罪を伝えた俺は……この後。
その名の通り……この技には
“術者の命令に絶対服従する”と言う前提条件がある事
その前提を除けば、召喚された魔物は
元となる魔物と完全に“同一の思考と生態をして居る”事……そして。
俺から一切の命令が無い状態で魔導兵に襲い掛かった理由が
どうやら、唯の“防御本能”であった事などを伝えた。
だが……この瞬間、何より重要視すべき事は
その何れでも無かった様で――>
「……ま、大事にならなくて良かったって事にしとこうぜ~ぃ!
さてと……技の仕様と“事故”については兎も角、問題は
“翅蟲をどうやって持ち帰って研究するか”って事に尽きると思うんだけど
研究の為にメスを入れて“防御本能”で大騒ぎになっても困るし……どうする? 」
<――明るい口調とは裏腹に
そう、この状況に於ける最大の問題点を口にしたエリシアさん。
……直後、そんな飾らない彼女の問題提起に
大臣達は口々に案を出し合い……その結果
ある一つの案が採用される事となった。
その、案とは――>
………
……
…
「……うむ。
では……賛成多数に依り
此処、第二城外郭へ臨時研究所を設ける事とする」
<――この瞬間
ラウドさんの宣言に依って正式に定められた“臨時研究所の建設”
とは言え……万が一にも亀裂を誘発させぬ為か
人員と、その規模は厳しく制限される事となり……
……この直後
“簡易住居”一軒と簡易的な天幕を幾つか用い
僅か一時間足らずで用意された“臨時研究所”は
完成するや否や、即座に稼働する事となった。
だが――>
………
……
…
「……先ずは、比較的危険度が低い様に思われる
“能力値の確認”を行いたい所ではありますが……念の為
確認は召喚者である主人公さんに行って頂こうかと考えています。
主人公さん……構いませんか? 」
<――この瞬間
メアリさんから求められた“能力値確認”に限らず
先程の“事故”を目の当たりにした者に取って、例え研究の為であろうとも
翅蟲に触れる事自体難しく成ってしまった状況の中
メアリさんの後ろには、何処か及び腰な様子で
此方を見つめる研究員達の姿があった。
だが……正直な事を言えば俺だって怖い。
幾ら“術者は安全だ”と仕様に記されていようとも
他の魔物とは明らかに違う生態を持つ翅蟲が
同じ規律の中で動いてくれる確証なんて
何処にも、無いのだから――>
「……分かりました。
では念の為、皆さんは魔導障壁の中へ
何時でも逃げられる様、転移魔導の準備もお願いします。
で、では……皆さんの準備が良ければ」
<――そんな不安を必死に抑えながら虚勢を張る様にそう告げた俺は
直後、意を決し能力値確認を行った。
だが――>
………
……
…
「そんな……名称以外、何も無いなんて……」
<――そんな覚悟を嘲笑うかの如く
情報と呼ぶには余りにも不足し過ぎて居た“空白の能力値”は
俺に、妙な既視感を感じさせた――>
(まさか……悪鬼系と同じく“能力値の偽装能力”を持っているのか?
もしそうなら蟲系は……奴らと同じく
“冥府”に関係してるって事じゃ……)
「……っち! 主人公っちってば! 」
「は、はひッ?! ……」
「も~……今、絶対私の話聞いてなかったよね~っ?
仕方無いからもう一回言うけどさ――
もしかしたら、能力値も“防御”してるかも知れないから
“防御するな”って命令してからもう一回確認してみたら?
――って言ったんだけど、聞いてた? 」
<――この瞬間
俺の考えと良く似た結論に達して居たエリシアさんは
そう言うと、何故か俺の真横に立った。
そして……その行動に疑問を感じ
理由を問おうとした俺の耳元に近付き――>
「……“言い出しっぺ”が隠れっぱなしは無い話だし
そもそも、主人公っちだけを最前線に置くのは我慢出来なくてさ。
だから……鬱陶しいかも知れないけど、傍に居させてね」
<――そう、優しく囁くと静かに俺の手を握った。
直後……嘘みたいに跳ね上がってしまった心拍数と
その所為か、軽々と吹き飛んだ不安感……だが、何よりも。
この瞬間、驚く程に安定した俺の心は――>
「わ、分かりました……それで、その……エリシアさん。
俺がビビってた事……皆には内緒でお願いしますよ? 」
「う~ん……なら、帰ってから何か奢って貰おうかな? 」
「う゛ッ……わ、わかりました。
っと……この恥ずかしさを薄める為にも、早い所
翅蟲の弱点を見つけ出さないとですねッ! ――」
………
……
…
「――翅蟲、命令だ。
汎ゆる防御を止め、お前の能力を……全て、詳らかにしろ」
<――“護る為の強さ”を思い出し
動けるだけの力を取り戻した――>
===第二六七話・終===




