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異世界転生って楽勝だと思ってました。  作者: 藤次郎
第六章

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第二四八話「見えない道を歩むのは楽勝ですか? ……後編」

<――“(バグ)対策に(わず)かでも役立てば”


そう考え、勇者一行(かれら)に“聖武器を(しら)べさせて欲しい”と告げた俺は

紆余曲折の(すえ)……何故か、彼らの特訓をする事に成って居た。


……とは言え、その結果得られる“報酬”は喉から手が出る程欲しい物だし

彼らが仲間とまでは言わずとも

知り合い程度にでも成ってくれればとも考えて居た俺は……この、直後。


“ひけらかした”知識の所為で、銃士(ガンマン)ブラックから

あらぬ誤解を受ける事と成った――>


………


……



「……あ、ああ……充分だ。


そ、その……お前が何を試そうと考えてるのか

オレには全く理解(わか)らねえが……今、オレの手持ちの弾丸は

恥ずかしながら、聖銃(そいつ)に今入ってる弾丸(モン)で全部だ。


それを失っちまったら……オレは

本当の意味で“銃士(ガンマン)”じゃ無くなっちまう……


……さ、猿に“バナナの食い方を教える”様なモンかも知れねえが

頼む……慎重に扱ってくれ……」


<――そう、何処(どこ)か怯えた様に言うと

ぎゅっと目を瞑り、意を決した様子で俺に“聖銃”を預けたブラック。


直後……そんな彼の強い思いとは裏腹に

物理適正が低い筈の俺に取って相当に重い筈の“聖銃”は

何故か、物理的な武器(もの)を預かったとは思えない程


軽く感じて――>


「ええ、勿論です……って。


聖銃(これ)、何だか恐ろしく軽いんですが

良い意味で見た目と不釣り合いですね……」


「ああ、世界で一番の銃だからな……けど。


今のオレには、何だか遠い存在に思えて成らねえな……」


「へっ? ……そっ、それはきっとその!


き……気圧とか気候の所為でそう感じてしまってるだけですよ!

とっ……兎に角! 一度、試してみたいので……


その、本当に申し訳無いのですが……一発だけ

弾丸を使用しても宜しいでしょうか? ……」


「……本音を言えば、嫌に決まってるぜ」


「で、ですよね~ッ! ……で、ですがその……もし、これが

“増やせる(たぐい)の物”でしたら、百発でも二百発でも

出来る限り増やしてお返ししますので! ……」


「そ、そうか……流石は“銃職人(ガンスミス)”顔負けの知識量だ。


手に持った程度で弾の種類まで理解しちまうとはな……分かったよ。


グダグダ言ってても始まらねえ……お前に全部任せる。


だが……一発だけだぞ?

バカスカ撃ちやがったら、流石に許さねえぜ? ……」


「も、勿論です! ……って、俺は別に

銃職人(ガンスミス)と呼べる程の知識を持ってる訳では……」


「チッ! ……何でも良いからさっさと試せ!

オレの気が変わらねえ内にさっさとやりがやれってんだッ!! 」


「ひぃッ?! ……は、はいぃッ!!

で、ではその……失礼して……」


<――この直後


この、妙な誤解を解いて置くべきだった事に気付いたのは

慌てて引金(ひきがね)を引き、木に命中した弾丸が――>


………


……



「主人公……お前が銃士(ガンマン)としては

お世辞にも褒められた腕じゃ()え事は“構えた時点”から差し引いてた。


だが……どんなに下手な腕だろうが

“弾丸の威力自体を下げる”なんざ有り得ねえ……


……クソ神父の“聖刃(せいじん)”を使った時

お前は誤魔化した様な態度を取ったが、オレはてっきり――


“自分の実力とを(はかり)に掛けた時、脅威とすら思わねえ威力”


――そう、考えた位に思ってた。


だが、それはどう見てもそう言う問題じゃ()え。


……説明して貰えるか? 」


<――“木を撃ち抜く事は(おろ)か、めり込む事さえ無く

欠片(かけら)程の樹皮を砕けさせるに留まる”


……と言う、()ず有り得ない状況に狼狽(うろた)えて居た俺を

そう、強く問い(ただ)したブラックの疑いの眼差しを見た瞬間だった。


そして、この直後……自分自身、結果に理解が及ばず

どう答えて良いかさえも分からずに居た俺に対し


更に――>


「……正直な話、弾丸を“作る”んじゃ無く

“増やす”って言いやがった件についても詳しく()いときたい所だが……


……んな事よりも()ず。


“悪い意味で”狂っちまってる

そのクソみたいな威力の原因を教えて貰えるか?


……なぁ“訓練教官”さんよ? 」


<――この瞬間

口を滑らせ、誤解に対する訂正も出来ずに居た俺に差し向けられた強い疑い。


……だが。


この直後、あらぬ疑いを掛けられてしまった俺が

“せめて誤解だけでも解かねば”……そう考え、口を開きかけた


瞬間――


“主人公君……後で話せるだろうか? ”


――(もたら)されたヴィシュヌさんからの魔導通信。


その声色には、鈍い俺でさえ気付けてしまう程の緊張があって――


“分かりました……では後ほど”


――そう、短く返事をした直後

この通信がヴィシュヌさんからの物だと気付いた神父ジムに()って

状況は、更にややこしく変化する事と成った――>


………


……



「何はともあれ……(もと)を正せば

“聖武器”は全てヴィシュヌ殿からの(たまわ)り物だが

どう見ても君は、そんな我々の大恩人たる彼と懇意(こんい)にして居る様だ。


それだけでは無い……君は、我々の置かれた状況について

()だ、語って居ない“何か”を知って居る様にも見える……


……少年。


悪いが、取引の条件を少しばかり“変更”させて貰おう」


<――直後


強く、威圧的な態度で――


“聖武器をこの世界に適合した仕様(もの)へと変化させる事”


“転生について、知る限りの知識を全て語る事”


――と言う

新たな条件を追加した(ジム)は――>


「……以上の条件を飲まぬと言うのならば

我々は、君に対する協力を一切行わない」


<――鋭く俺を見据え、そう冷酷に言い切った。


直後……この難しい要求に頭を抱える事と成った俺は


熟考の(すえ)――>


………


……



「ジムさん……残念ですが、今はどちらも受け入れられません。


……全ては、ヴィシュヌさんの言う

“世界の崩壊”を現実の物としない為の判断です」


<――そう、伝えた。


だが……意外にもそんな俺の返答に

一定の理解を示したジムは――>


「成程……“語らない理由”は理解した。


だが……我々に“稽古をつける”と約束した筈の君が、何故

その障害となる聖武器の“不具合”を取り去る事をも拒絶する?


……それでは筋が通らないだろう? 」


<――そう

ある種、当然とも言える疑問を(もっ)てそう問うた。


だが――>


「いえ……正確に言えば、現時点では協力の“しようが無い”んです」


「何? ……どう言う事だね? 」


「その……失礼な言い方には成るんですが

“軽く使用する事以外、(しら)べの(ほとん)どを禁止されて居る”現状では

お二人の装備の表面上しか判らなくて……も、勿論ッ!

“聖武器”と言う名が示す様に、それぞれが神聖なる力を有し

お二人もそれに見合う矜持(きょうじ)(もっ)て向き合って居る事も――


“神聖なる力を暴くなど”


――そう、お考えなのだろう事も充分に理解はして居ます。


ですが……もし、研究機関での詳しい(しら)べを拒否し

現時点で判明して居る“問題点”からも目を背けてしまったら

お二人の聖武器は“有名無実(ゆうめいむじつ)”な物へと()ちてしまう。


……無論、お二人程の実力ならば

俺や政令国家の力なんて借りなくても、ジャックさんの様に

例え時間は掛かろうとも自分の力でこの世界に順応し

本来の実力を取り戻す事は出来る筈です。


ですが……ジムさんは良くても

ブラックさんは“勘を取り戻す”だけで無く

何らかの方法で“弾丸”を手に入れなければならない。


ジムさん……確かに俺は、皆さんの武器が持つ特殊な力を(しら)

この国の防衛に活かしたいとは思っていますが、その気持ちと同じ位

皆さんに……“本来の関係性”で居て欲しいとも思って居るんです」


「何? ……どう言う意味だ? 」


「……折角、奇跡みたいな確率で再会したんです。


再び同じ道を行く事だって出来るのに、仲間の一人だけが

この世界を怯えながら過ごさなければ成らないなんて……


……余りにも残酷過ぎると思いませんか?

それは本当に……元と同じ、誇れる関係性ですか? 」


<――この瞬間


少しでも友好的で居る為、本当なら言わずに居ようと考えて居た

彼らの判断に関する問題点を突いた俺。


すると――>


「チッ……何とも失礼な話だが

ド正面からぶつかって来るお前の態度は嫌いじゃ()え。


ったく、クソ神父が……


……悪かったな、主人公。


確かに、これじゃあ……お前と戦う前から“妙”だったモンを

(ただ)お前の所為にしただけだぜ……ったく。


相棒に顔向け出来ねえ程のクソ恥ずかしさだぜ……


……おい! クソ神父ッ!!


仮にもオレ達は“正義の味方”だろ? ……悪魔か魔族相手ならまだしも

海の物とも山の物とも知れねえこんな小さなガキ一人にビビって

勇気の一つも絞り出せねえ様じゃ……どの道、先は短えぜ。


……取り敢えず、条件は一旦戻してくれ。


そんで、此奴(コイツ)が言ってる事を全て試してみて駄目だったら

その時は……オレもてめぇの言い分に乗ってやるからよ」


<――直後

そう、何処(どこ)か満足げな様子で俺の意見に乗った銃士(ガンマン)ブラック。


そして――>


「ブラック、貴様の言い分は理解した……だが“クソ神父”は余計だ。


それと、少年……いや、主人公君。


仮に我々が君の言う全てを受け入れ、本来と(たが)わぬ程の力を得たとして……


……その後、我々が君との約束を破り

君や、君の国と敵対した場合の事は考えて居るのかね? 」


<――そう


少なくとも……本当に“それ”を実行に移す人間ならば

決して行わないだろう“警告”を口にしたジムは……直後。


それでも――>


「大丈夫です……もし、俺の大切な人達を(おびや)かそうとしたら

相手がどんなに強くても絶対に諦めたりはしませんから! 」


<――そう、言い訳が出来ない程

正直に(こた)えた俺に対し――>


「そうか……ならば、君の提案を受け入れよう」


<――そう言って

満足気に“首飾(ほんたい)”を俺に手渡した――>


「い゛ぃッ?! ……そんなにあっさり渡されると緊張しますし

せ、せめて……一旦、研究機関に戻ってからでお願いしますッ!! 」


<――だが、この瞬間


余りにも“あっさり”と手渡され、逆に慌ててしまった俺の様子に――>


「ふむ……ブラック」


「何だ? ……今更“やっぱり無し”は無しだぜ? 」


「……そうでは無い。


ただ――


“どうやら、貴様の意見が正しかった様だ”


――そう、言いたかっただけだ」


<――呆れたのか、幻滅したのか……(いず)れにせよ。


この瞬間、(わず)かに気の抜けた様子でそう言ったジムの顔からは

俺への警戒心が完全に消え去って――>


「でッ……では、取り敢えず!

一度、研究機関に戻りますのでッ! ……」


<――何はともあれ。


この後、三人を連れ研究機関へと帰還した俺は

メアリさんに対し、話が良い方向へと進んだ事……そして。


少なくとも二人(ジム・ブラック)の聖武器自体が

現状“武器としての性能を発揮しきれていない”事を伝えた。


すると――>


………


……



「成程……“本来とは違う”と言う点に()いては

お二人の“状態表示”と似ている様ですね……では、詳しい検査を行い

検査結果を確認しながら、どうするべきかを判断しましょう。


……では、()ずブラックさんから」


<――そう声を掛けたメアリさん。


だが、この直後……緊張の面持ちで聖銃を手渡そうとしたブラックに対し

メアリさんはこれを受け取ろうとはせず――>


「いえ……主人公さんが使用し、不具合が発見されたと言うのならば

今度は持ち(ぬし)本人の力が流れた状態での計測を行おうかと……」


「そ、そうか……って。


なぁ姉さん、アンタ今……“今度は”って言ったか? 」


「ええ、正確な計測の為には必要な“工程”ですが……」


<――この瞬間


誰の目にも明らかな程に“引き()った”ブラックの顔。


直後、彼は俺の方へと振り返り――>


「な……なぁおい、主人公。


……どうせ“撃たなきゃ成らねえ”なら

最初から“研究機関(ここ)で撃っときゃ良かった”んじゃねえのか? ……」


<――そう、力の抜けた声で言った。


直後……そんな彼の雰囲気に狼狽(うろた)え、言葉に詰まった俺の姿に

がっくりと肩を落とすと――>


「……良いよ、分かったよ。


これで後六発だからな? ……クソッ……何だってこんな目に……」


<――(なか)ば自暴自棄な様子で、そう独り言の様に(つぶや)

諦めた様に拳銃嚢(ホルスター)へと聖銃を納め――>


「チッ……何時(いつ)でも良いぜ……」


<――そう、悪態をつく様に

用意された的の方へと静かに視線を移した。


直後――>


「では、お(ねが)……」


<――メアリさんの合図を通り越す様に素速(すばや)く放たれた銃弾。


だが……恐ろしく正確に的の中心を射抜いたその弾丸とは裏腹に

メアリさんは、とても申し訳無さそうな表情を浮かべて居て――>


「何だ? ……余りにも正確過ぎて驚いちまったかい? 」


<――直後


“ドヤ顔”でそう問うたブラック……だが。


そんな彼に対し、メアリさんは――>


「え、ええ……ですが、余りにも想定を上回る速度の所為で

計測が正確に行えておらず……その、もう一度……


……今度は、全ての動作を

出来る限り“ゆっくり”と行って頂ければ有り難いのですが……」


<――そう、困った様に言った。


……この後、明らかに

“何か言いたげ”な表情を浮かべつつも――>


「う゛っ……ま、まぁ……仕方()えか……


……し、素人相手には速過ぎただけだ。


だが……今度は頼むぜ? 姉さん」


<――言いたかっただろう“何か”を必死に抑えつつ

再び拳銃嚢(ホルスター)へと聖銃を納めたブラック。


直後……“念の為”か

“カウントダウン”をし始めたメアリさんの気遣いに――>


「ふむ……なんとも珍しい事がある物だ」


<――そう、皮肉(ひにく)る様に言ったジム。


そして……この発言に強く“反応”してしまったブラックは

カウントが終わるよりも遥かに早く、引金(ひきがね)を引いてしまって――>


………


……



「クソ神父、てめぇッ……オレの貴重な弾丸をッ!! ……」


「何を言う……お前の集中力が足りなかっただけの事だろう? 」


「んだとてめぇッ?! ……」


<――“予想通り”と言うべきか

そう、大喧嘩に発展し掛けてしまった……だが、この直後。


騒ぎ出した彼らの怒声を“超える”程の大声で


叫ぶ様に声を上げたメアリさんは――>


「……二人共、お黙りなさいッ!!!


念の為、カウントダウン中も計測は行っておりました

兎に角……記録(データ)は取れています。


ブラックさん……もう、これ以上撃つ必要はありません。


ジムさん……これでも私達は大真面目なのです、少しお控えに成って下さい」


<――そう、この場を素早く収めてしまったのだった。


ともあれ……この、かなり珍しいメアリさんの怒声に

俺を含め、この場に居るほぼ全員が言葉を失って居た一方で――>


「そうか……其奴(そいつ)ぁ良かった。


まぁ、それはそれとして……“黒妖精”の姉さん、アンタ中々良い迫力してるぜ」


<――そう、何処(どこ)かホッとした様に言ったブラック。


直後――>


「褒められた姿では無く、お恥ずかしい限りですが……人は誰しも

(まも)りたい物の為ならばそれなりに強くなるものです」


<――そう、静かに言ったメアリさんに

ブラックは何処(どこ)か困った様な表情を浮かべた。


まぁ……何はともあれ。


この後、引き続き聖武器の計測を続けたメアリさんは

得られた情報(データ)の全てに目を通した後


一つの“結論”を導き出し――>


………


……



「……成程。


確かに、忌避(きひ)効果と(おぼ)しき“何か”はある様ですが

“魔族種に対する効果”は見受けられず、何かを忌避(きひ)すると言うよりも

忌避(きひ)する対象物を“見失って居る”様な形と言うべきでしょうか……


……要するに、現時点では“発揮出来る対象物が無い”様ですね」


<――この瞬間


魔族種への忌避(きひ)効果は(おろ)か、(バグ)対策へ(もち)いる事など

夢のまた夢かの様に、そう結論付けたメアリさん。


……恐らくは(ただ)、俺が勝手に期待し過ぎて居ただけかも知れない。


だが……此処(ここ)に来るまでの道程(みちのり)を考えれば

期待するなと言う方が(こく)だとも感じて居た――


“きっと彼らの聖武器は国防の一助(いちじょ)に成ってくれる筈”


――そんな甘い期待を打ち砕かれたこの瞬間


俺は、(ひど)く落胆して居た――>


「……成程、って事はつまり

聖銃(コイツ)含め、オレ達の“聖武器”は……こうして居る今も

それが敵か味方かに関わらず、何を防げば良いのかさえ(わか)んねえで

“一人で勝手に熱くなってるだけ”って事かい? 」


<――そんな俺の心情を知ってか知らずか

銃士ブラックは、彼らしい解釈で状況を例えつつそう問うた。


そして……この直後

そんな彼の解釈を大筋で認めたメアリさんは――>


「ええ、とは言え……少なくとも、その力が

“暴走していない”と言う点に()いては不幸中の幸いかと思いますが。


……(いず)れにせよ

このまま目標を見失った状態を長く維持すれば、生命の進化と同じく

この力が不要な要素として“退化”する事は充分に考えられるでしょう。


(ただ)し、現時点で“無意味な能力”として存在して居る

各聖武器の持つ忌避(きひ)効果には

ある一点に()いて“()抜けた”物がある様ですが……」


「何だ? ……無意味な能力じゃ無かったのか?

何が“()抜け”てるってんだ?


まさか――


“無意味な事に掛けては他の追随(ついずい)を許さない”


――とでも言うつもりじゃねえだろうな? 黒妖精の姉さんよ? 」


「……その様な嫌味を言う程、私は無礼者では有りませんし

こう見えても、私は貴方達よりも遥かに年上です。


そんな“町娘を口説く様な”物言いはお控えに成って下さい」


「すまねぇな……オレは、顔は良いが口は(わり)ぃんだ。


……で、一体どんな力が有るってんだ?

その能力ってのは、オレ達に役立つ様な物なのか? 」


<――少し不満げな様子でそう問うたブラックに対し


“ええ、ある意味では……そうでしょうね”


……そう、何処(どこ)か思わせ振りな前置きをしたメアリさんは


直後――>


………


……



「……皆様が本来、どの様な心持ちで(みずか)らの世界を(まも)って居たのか

私に全てを理解出来るとは言いません……ですが。


もし、貴方達が“転生前”と同じく世界を……そうで無くとも

力無き人々を“(まも)りたい”と考えて居るのなら……


……この無意味、()つ有意義な力は

きっと、その願いを叶える足掛かり位には成ってくれる事でしょう」


<――更に“思わせ振り”な口振りで


そう言い切った――>


===第二四八話・終===

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