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異世界転生って楽勝だと思ってました。  作者: 藤次郎
第六章

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第二四四話「極楽浄土ってあるのでしょうか? 」

<――数多くの食い違いに()り、恐ろしい程に(こじ)れた交渉。


だが……紆余曲折の(すえ)、どうにか解決した食い違いとは裏腹に

俺の中では、新たな疑問と恐怖が渦巻いて居た――>


………


……



「……と、兎に角。


()ずは友好的な関係性の証として、お二人を

食事会に招待するのはどうかと考えて居るのですが……」


<――本来ならば

こうしてのんびり話をして居る余裕など俺には無かった。


……結果として敵では無かっただけで、こうして居る今も(なお)

変化する事無く、二人の能力欄に表示されて居る“死亡状態”

そして……それを裏付ける様に、つい先程

勇者ジャックが口にし、(ブラック)自身も

何処(どこ)と無く自覚している様な口振りだった一つの事実……


……彼ら二人(ジム・ブラック)が“元の世界で既に死亡して居た” と言う

決して無視出来ないその事実が、どうしようも無く恐ろしかったから。


現在、人間族と表示されて居る二人が

突如として“死霊系魔物(アンデッド)”と成る可能性も捨てきれず

仮にそうなった場合、捕縛の魔導をすり抜けた彼らに対し

此方(こちら)が意図した形で攻撃が通る確証も無いだろう。


そもそも、二人が討伐対象と成ってしまった時

“二人を倒す”と言う選択に対し

ジャックが協力的な態度を取るとは到底思えない。


何よりも……二人の転生“らしき状況”は

どう考えても、時系列が可怪(おか)しくて――>


「……食事会だと?

まぁ、腹は減ってる様な気がしねえでも()えが……」


「おい、ブラック……断ってくれるなよ?

この国の食事は驚く程に美味なのだぞ?!

もし断ってしまったら、生涯後悔する事に成る程の! ……」


「……だぁーっ! 分かった分かった!

断らねえから落ち着けジャック!! ……ったく。


そう言う事だ、クソガキ……じゃ、不味(マズ)いか。


“お前”……案内は任せたぜ?

それと、此奴(ジャック)も一緒で構わねえな? 」


「え、ええ勿論ッ! ……では皆様

我が国で最も有名な食事処、ヴェルツ本店……じゃ、無くて!!


そ、その……


……ほ、本店の女将が作る絶品の料理を

貴賓室へとお運び致しますので! 一先(ひとま)ずは貴賓室へと……」


<――彼らをヴェルツ本店へと案内し掛けたこの瞬間

俺は、この選択が危険な結果を(もたら)してしまう可能性に気付いた。


客の中に魔族が居た場合、それ自体が

要らぬ騒ぎの原因と成る可能性が高い事……そうで無くとも

第二城地域に“騒ぎ”を起こした張本人とも言える二人の存在は

民の目には恐怖の対象として映る可能性が高い事。


……そんな、どう転んでも喜ばしくない

可能性を思い浮かべてしまったこの瞬間……俺は

誰の目にも明らかな動揺を見せてしまった。


だが――>


「我々は招かれた側だ……どちらでも構わない」


<――違和感に気付きながらも

そう“大人な対応”を見せた神父ジム。


この後、大臣らと共に一行を貴賓室へと案内した俺は……


……暫くの後、大量の料理と共に貴賓室に現れたミリアさんの補佐として

同じく、大量の料理を持って現れたメルの姿に


如何(いかん)ともし(がた)い“居心地の悪さ”を感じる事と成った――>


………


……



「おや……久し振りだねぇジャックちゃん!

……っと、そっちのお二人さんはお友達かい? 」


「いや、戦友とでも呼ぶべき存在でな……とは言え

(ほとん)ど私が助けれられて居た様な物なのだが……」


「そうかいそうかい! それなら嫌と言う程(もてな)さなきゃだねぇ!

さて、そう言う事なら……


……メルちゃん! 副菜と飲み物は任せたよっ! 」


<――そんな中、ジャックに気付き

何時(いつ)もの様に上機嫌で配膳を始めたミリアさん。


……そんなミリアさんの人柄の良さのお陰か

貴賓室の空気は一気に明るくなった。


だが――>


「ど、どうぞ……副菜のニンジンとキノコのバター炒めです……」


<――間違い無く俺が原因だろう。


この瞬間、(わず)かに距離を感じる様な態度で配膳を済ませたメルは

逃げる様に俺の(そば)から離れると、配膳台の後ろに立ち

(わず)かに目線を下へと落とし――


“声を掛けないでください”


――そう言ったに(ひと)しい雰囲気を(かも)し出した。


メルは……彼女は、あの瞬間から

俺を心の底から拒絶して居たのだろう。


……俺を(かば)い、そして俺を恐れたあの瞬間


もう、俺の……


……俺なんかの(そば)には


居たくない、と――>


「おや? ……メルちゃん、飲み物の配膳が終わってないじゃないかい」


「あっ! す、すみませんっ! 直ぐに……」


「ミスは誰にでもあるさ……そんなに慌てなくても大丈夫さね。


それより……飲み物はあたしがやっとくから

メルちゃんは大統領城(ここ)調理室(キッチン)から氷を取って来てくれるかい? 」


「へっ? 氷なら……」


「良いから……早く取って来ておくれ」


「は、はいっ! ……直ぐに取って来ますっ! 」


「って、そんなに急がなくても良いんだからねっ!? ……」


<――直後

ミリアさんの心配を他所に、逃げる様に氷を取りに行ったメル。


恐らく……事情を知らない彼ら三人(ジャック・ジム・ブラック)の目には

(ただ)の“そそっかしい女の子”として……


……俺の目には

今も(なお)何処(どこ)か不満げな様子のエリシアさんと同じく

俺に対する強い不信感を(つの)らせた存在として。


この直後……人知れずそんな重苦しさの中に有った俺の直ぐ近くで

配膳を終えたミリアさんから発せられた――


“さあ、召し上がれ”


――と言う言葉に

この場に居る誰よりも早く反応したジャック。


幸か不幸か……目をギラギラと輝かせながら料理に手を付け

(むさぼ)り食った”彼のお陰で、俺の心境は(おおやけ)にはならずに済んだ。


この後……彼の食いっぷりに若干引いた様子の二人(ジム・ブラック)

嬉しそうにジャックの様子を見つめて居たミリアさんの対比(たいひ)(ゆえ)

場の空気は一気に明るく変化した。


だが……こうして賑やかしく始まった食事会の中

料理に舌鼓(したつづみ)を打つ彼らの喜ぶ声に(まぎ)れさせる様に

静かに俺へと近付き――>


「主人公ちゃん……料理の味、ちゃんと“感じられてる”かい?

もし駄目なら……二回、(うなず)きな」


<――この瞬間、(ただ)一人

ミリアさんだけが俺の“異常”を察知し気遣う様にそう問うた。


この直後、静かに“二回(うなず)いた”俺に対し――


“やっぱりかい……”


――そう小さく言うと、静かに俺から離れたミリアさん。


そして……暫くの後

氷桶(こおりおけ)を手に帰って来たメルからそれを受け取り

何事も無かったかの様に水を(そそ)ぐと――>


「おっと! 手が滑っちまったよっ!! ……」


<――俺目掛け

その“氷水”を勢い良くぶち()けたのだった――>


「ひゃうぅんッッ?! ……って。


なっ……何するんですかミリアさん?! 」


<――信じられない程綺麗に


俺“だけに”掛かる様に氷水をぶち撒けたミリアさんに対し

そう、当然の質問をした俺……だが

ミリアさんはポケットからハンカチを取り出し――>


「何って、ただ手が滑っちまっただけさ……


……お詫びに着替えを用意するから、手間を掛ける様だが

一度、あたしと一緒にヴェルツに転移して貰えるかい? 」


<――そう言って、ハンカチで俺を拭きながら

余りの状況に唖然(あぜん)とした大臣らと“賓客達”に対し――>


「いや~そそっかしくてすまないねぇ……


……皆さんは引き続き食事を楽しんでておくれ! 」


<――と愛想を振りまくと、俺に対し再び転移魔導を(うなが)した。


直後……理由も分からぬまま、妙に“押しの強い”ミリアさんに従い

彼女と共にヴェルツへと帰還した俺は――>


………


……



「……さてと。


“今回は”……メルちゃんとエリシアだろう?

一体、何が()ったんだい? 」


<――到着直後

そう、原因を言い当てたミリアさんの名推理に思わず口籠(くちごも)

どう返して良いかさえ判らず、狼狽(うろた)える事と成った――>


「……答え辛ければ答えなくても良いさ。


兎に角……“今回の問題”があたしで解決出来るかどうかは別として

少なくとも……あのお客さん達は、主人公ちゃんが

“喜んで連れて来た”手合いじゃ無い事だけは分かってるよ?


……あくまでこれはあたしの邪推(じゃすい)だが

今回の問題……あのお客さん達も原因の一つじゃ無いのかい?

旦那から聞いたよ? ……あの二人は“亀裂”から現れたんだろう? 」


<――恐らくはカイエルさんの愛情が(ゆえ)だろう。


この瞬間、ミリアさんの口から発せられた

“一般人が知るべくも無い情報”に動揺してしまった俺に対し――>


「……一応言って置くが、旦那を叱るのは止めとくれよ?

“念の為に”……って教えてくれただけなんだからね。


兎も角だ、協力出来る事ならあたしが精一杯協力するから……」


<――何時(いつ)もと変わらず、全てを包み込む様な優しさを(もっ)

そう言い掛けたミリアさん……だが。


俺は、そんなミリアさんに対し――>


「確かに、あの二人は現時点ではまだ“警戒対象”です……だけど。


違うんです……今回の事は、全部俺が悪いんです。


全部俺が……俺が……最低な決断をしてしまった所為なんです。


メルやエリシアさんだけじゃ無い……


……この国の誰にも顔向け出来ない様な

そんな最低な決断を……」


<――この瞬間


俺は……俺に取って最後の()り所であるミリアさんに対し

出来る事ならば話したくなかった“真実”を伝える決断をした。


だが……もし、この真実を聞いたミリアさんが俺を軽蔑(けいべつ)したら……


……もし、この真実の所為で……ほんの(わず)かでも

ミリアさんが……ミリアさんまでもが

俺から距離を取ってしまったら……


……襲い来る強烈な不安。


だが、そんな俺に対し変わる事無く

真っ直ぐな優しい眼差しを向け続けて居たミリアさん。


“駄目だ……今更誤魔化(ごまか)せない”


……永遠とも思える程の静寂の後


俺は……ミリアさんに対し


玉砕覚悟で真実を伝えた――>


………


……



「そうかい……主人公ちゃん。


歯を食いしばりなッ!! ――」


<――頬に走った痛み。


乾いた音が響いたこの瞬間……俺は


始めてミリアさんに手を上げられた――>


………


……



「ッ!! ……ミリア……さん? ……」


<――直後

驚きを(もっ)てそう問うた俺の眼前では、ミリアさんが涙を流して居た。


“まさか、慣れない事をして怪我でもしたのでは”


……とさえ考え、慌てた俺に対し


ミリアさんは涙を(ぬぐ)いながら――>


「……良いかい?

主人公ちゃんがやろうとした事は決して許される様な物じゃ無い。


……正直に答えるんだ、主人公ちゃん。


もし、エリシアやメルちゃんが止めなかったら……


……一体、アンタはどうしてたんだい? 」


<――目に涙を(にじ)ませ、そう強く問うた。


この直後……そんなミリアさんの態度に狼狽(うろた)えつつも

“実行に移して居た可能性が高い”事を伝えた瞬間……


……ミリアさんは、今まで(ただ)の一度として見せた事の無い

悲しい表情を浮かべ――>


「……正直に答えた事は褒めてあげるさ。


だが、主人公ちゃん……アンタのしようとした方法は

どれ程、贔屓目(ひいきめ)に見ても到底擁護(ようご)出来る様な物じゃ無い。


主人公ちゃん……


……あたしが何でこんなに怒ってるか、アンタに分かるかい? 」


<――この瞬間

俺への愛を完全に失ったかの様に、そう静かに問うた。


直後……この状況に

どうしようも無い心苦しさを感じつつ――>


「俺が……人々を危険に(さら)す、最低の方法を選んだからです」


<――諦めた様に、短くそう返した俺。


直後――>


「違う……違うんだよ、主人公ちゃん」


<――そう言って

弱々しく俺の肩を掴んだミリアさんは――>


………


……



「……あたしが今、こんなにも怒ってるのは

アンタが元々持ってる優しさが微塵(みじん)も感じられない

“腐った政治家”みたいな考え方で動いた事が悲しいからさ。


……焦る気持ちだって痛い程分かる

苦しいのも嫌と言う程分かってる……だけどね。


……どれだけ焦っても、苦しくても、辛くても

根っこの部分を間違えた様な選択だけはしちゃ駄目なんだよ。


全世界、全ての人間が見放す様な存在でさえ(まも)ろうとしちまう

世渡りの下手なアンタで……


……そんな主人公ちゃんで居てくれなきゃ駄目なんだよ。


あたしが言ってる意味……分かるかい? 」


<――そう、涙ながらに訴えた。


直後……俺の事を見放すどころか

今、この瞬間も必死に向き合おうとしてくれて居た

ミリアさんの愛情に(ようや)く気付いた俺は――>


………


……



「俺は……俺は……ッ……取り返しのつかない選択を……」


<――(あやま)った“選択”


それに()って(もたら)される事と成った、狂いそうな程の罪悪感……


……“現実に成らなかった”と言うだけの結果に恐怖を感じ

俺は、崩れ落ちる様にへたり込んだ。


“ミリアさんに見放されるかも知れない”……などと言う

自分本意な考えなど容易(ようい)に消し飛んでしまう程の恐ろしい選択と


その結果に――>


………


……



「……兎に角、今は服を着替えて来るんだ。


そのままで帰ったら色々と不味(まず)いだろう?


それと……あたしの所為ではあるが

その“(ほほ)”は治癒魔導で(なお)して置きな……」


<――この瞬間

そう言って、俺を立ち上がらせたミリアさんは


直後――>


「……あたしは一度厨房に戻るから

大統領城(むこう)に帰る時は声を掛けとくれ」


<――そう、何時(いつ)もより

ほんの少し冷たく感じる言葉遣いで厨房へと消えていった。


……転生前

俺にその経験があったかさえも既に(おぼろ)げだが

この、上手く言葉に出来ない感覚が

“本気で親に怒られた”……と呼ぶべき物なのだろうか?


……愛を感じ、同時に

心に大きな痛みを感じたこの直後……俺は

言われた通りに部屋へと戻り服を着替え

言われた通りに治癒魔導を掛け……そして。


……治癒魔導では(なお)せない心苦しさを必死に抑え

貴賓室に戻る心の準備を整えた――>


………


……



「服は着替えた、頬も治した……良しッ!! 」


<――そう、無理矢理に(はず)みを付け部屋を後にした俺。


一方……既に用事を済ませ

俺を待って居たミリアさんは――>


「おや……懐かしい服だねぇ? 」


<――俺の服を見るなり、そう言った。


(ただ)、目についた服を手に取っただけのつもりだったが……


……言われて(ようや)く気がついた。


この服は……過去

俺が地下牢に幽閉されて居た時に着て居た和装だ――>


「そっか……俺……今まで何度も間違いばかり……」


<――過去を思い出し、その(あやま)ちの多さに改めて気付き

激しい自己嫌悪に(おちい)り、思わずそう言ったこの瞬間――>


「何いってんだい……馬鹿だねぇ主人公ちゃんは。


アンタはずっと真面目に生きてるさ……良いかい? 主人公ちゃん。


成長には必ず痛みが(ともな)(モン)さ、しかも

大きく成長すればする程、その痛みは加速度的に大きく成るんだ。


……その所為で、自分が今どっちに向いて居るのかさえ判らなくなって

可怪(おか)しな方向に進んじまう事は誰にだってある。


でも……安心しな。


自分が何処(どこ)に立ってるのかさえ判らなくなった時には

自分が歩んで来た道を振り返ってみれば、まだ見ぬ

道を進む為の道しるべが出て来たりする(モン)さ。


大丈夫だ……あたしの知ってる主人公ちゃんならきっと

もっと優しい選択が出来る筈だ。


……焦らず、何時(いつ)も通りに進むんだ。


それでも進むべき道が判らなくなった時は

大切な人の意見に耳を傾けて“道を(たず)ねる”んだ。


主人公ちゃんならきっと出来る……そう、あたしは信じてるよ。


さて……“着替え”にしては少々遅くなっちまった様だ。


元々持って行く予定だったとは言え……まさか

“これ”を言い訳に使う事に成るとは思ってなかったよ……」


<――そう言うと、木の(ツル)で編まれたカゴを両手に持ち

貴賓室への転移を要求したミリアさん。


恐らく“食後のデザート”か何かを用意して居たのだろう

ミリアさんの準備の良さに感心しつつ……この直後

ミリアさんと共に、再び“勇者御一行”の元へと帰還した俺は――>


………


……



「……お待たせして申し訳ありませんでしたッ!

着替えに少々手間取りまして……」


<――帰還直後、そう遅くなった言い訳を口にした。


すると――>


「ああ、見るからに脱ぎ着の面倒臭さそうな作りだ……


……だが、嫌いなデザインじゃ()えぜ?

正直、何処(どこ)かで買えるんなら買って帰りてえ位だ……高えのか? 」


<――そう

気遣いやお世辞とは思えない様子で言ったブラック。


直後――


“なら、俺にプレゼントさせて下さい! ”


――そう伝えた瞬間

(ブラック)は、驚く(ほど)上機嫌になり――>


「ほう……中々男前な所もあるじゃねえか!

良し、なら食事が終わったら直ぐ買いに行くぜ! 」


<――と、此処(ここ)まで(ほとん)ど見せなかった笑顔を見せたのだった。


だが……この直後、そんな彼の発言を受け

不機嫌を絵に書いた様に立ち上がったジムは

(するど)く、真っ直ぐに俺を見つめ――>


………


……



「……“物に釣られる”性格は治らんなブラック。


だが、その少年から何を貰うにせよ

一つハッキリさせて置かなければならない事がある。


少年……つい先程から感じては居たが

私達に対する君の態度は余りにも“妙”だ。


そしてそれは“敵に対する物”では無い……


……その様子は“何かを隠して居る者”の態度(それ)だ。


少年……君が我々に“友好的であれ”と望んだ事も

我々の戦友をこの場に連れ戻った事も

(ジャック)が本物である事も全て認めよう……だが。


君から感じられるその“感情”だけは、どうにも受け入れ(がた)い。


君は一体、我々に何を感じ取り……


……我々に何を“見続けて”居る? 」


<――まるで全てを見抜いて居るかの様に


そう、言った――>


===第二四四話・終===

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