第二一一話「“決戦”は楽勝ですか? 」
<――この本拠地に来る前、皆とした約束。
“皆で揃ってヴェルツで晩飯を食う”
戦いの最中……自分自身は勿論、仲間をも励ます為
幾度と無く“言霊の力”を借りる様に発し続けた祈りに等しいこの約束は
俺を庇う為、瀕死の状態に陥った仲間の姿に依って
大きく揺らいだ。
……本当は何時でも良かった。
仮に“夜食”を過ぎ“深夜飯”に成ったとしても構わなかった。
唯、皆が揃って帰る為の“言い訳”として
機能してくれればそれで良かった。
俺は唯、そう祈って居ただけだ――>
………
……
…
「さて……色々と手間は掛かりましたが
そろそろ終幕とさせて頂きましょうかねぇ? ……」
<――浅くなる呼吸、狭まる視界
そんな俺の姿を嘲笑うかの様にライドウはそう言った。
圧倒的有利な状況に、嬉嬉とした表情を浮かべながら。
だが――>
「黙れッ!! ……俺は必ず皆で帰るって約束したんだ。
その為なら、どんな無理も道理も通す……遅くなったけど
漸くその方法を見つけられたんだよ。
……お前が嘲笑った
ローズマリーさんの命懸けの一手のお陰でなッ!!! 」
「ほう? この期に及んで……」
「煩いッ! 黙れッ!!
ローズマリーさん、皆。
待たせて、悪かった――」
<――直後
俺は、頭を埋め尽くす程の“借り物”の中から
状況の立て直しを図れる唯一の力を発動した――>
………
……
…
「少しばかり遅い様には思いますが……流石は主人公様です。
痛みに耐え、身体を張った甲斐がありましたわね……」
<――直後
静かに立ち上がり、衣服に付いた泥汚れを叩き落しながら
そう言ったローズマリーさん。
そして――>
「そ、その……遅くなってすみませんでした。
それで、その……もう、何処も痛くありませんか? 」
「ええ、お陰様で……兎に角、今はあの男に専念を
それから……以降、私の事はローズとお呼び下さい」
「へっ!? ……は、はいッ!! 」
<――“ローズ”の事は勿論
発動直後、圧倒的不利な状況に在った俺達全員を
“綺羅びやかに”包んだ力――
“女神之光”
――禍禍しい妖気に包まれ
ありと汎ゆる生命を腐敗させてしまいそうなこの場所で
“怪我の治療”どころか、迫りくる妖気をも跳ね返す力を発揮した
この“固有魔導”は――>
………
……
…
「ほう……まだその様な力を隠し持って居たとは。
流石“殺しても死なない”だけの事はありますねぇ? ……全く
鬱陶しい限りです、貴方達“転生者”と言う存在は」
<――此処まで圧倒的有利な状況に在ったライドウの表情を
急激に歪めるだけの状況を作り出した。
少なくとも、奴の中にある
“転生者への怒り”を表面化させる程度には――>
「……本当に鬱陶しい限りです。
そもそも、この世界は余りにも貴方達“転生者”に甘過ぎる。
……貴方の記憶にある者達などまさにそうでしょう?
“神”とやらを騙り、自分達を崇めさせ
少女達に“舞”を踊らせる程度の無意味な行為を喜ぶなど……
……そんな無能の集まりに過ぎた力を与える意味が
一体、何処に有ると言うのです?
奴らの様な愚か者共の何処に“存在意義”があると言うのです? 」
<――この瞬間
そう言って、恐らくは“ヲタ神様達”への嫌悪感を顕にしたライドウ。
だが――>
「お前から見れば彼奴らは“無駄な存在”なのかも知れない……けど
少なくとも、彼奴らはお前みたいに
この世界の人達を傷付けたりはしてないし、お前みたいに
自分の望む世界を作り出す為だけに他人を傷つけたりはしてない筈だ。
とは言え……確かに、俺達転生者は“甘やかされてる”のかも知れないし
転生者全員が“真人間”とは言わないし、思わないよ……けど。
お前は、そんな恨めしい“転生者”だけじゃ無く
この世界に暮らして居る人々さえも“紛い物”って呼んだり
大小に関わらず、少しでも意見の合わない人を見つけては
その人を甚振り、その人が苦しむ様を嬉嬉として見つめ続けた……
……そんな事をしてる時点で、お前の選択に正当性は無いんだよッ! 」
<――年齢や性別、種族に関係無く
過度に耐え難い状況に置かれ続ければ
高い確率で精神に深刻な負荷が掛かり、結果として
“倫理観”や善悪に対する考え方が壊れたり、歪んだりする。
その所為で他者との距離が可怪しくなったり
本人は勿論、周りに良くない状況を齎す事なんて山程あるだろう。
……正直、俺自身“経験者は語る”なのだろうし
奴も少なからず、そんな“経験”をして来たのだろうと
勝手な想像だが……そう思っている。
全てに嫌気が差し、その状況から抜け出す方法が見つけられない時
“自暴自棄”と言う言葉では余りにも軽過ぎる
“危ない感情”が見え隠れする事も嫌と言う程に知って居るし
奴の“行動原理”も、そう言う所から来ている様に思って居た。
だからこそ、俺は敢えてこの時
奴の全てを強く否定したのだ。
だが――>
………
……
…
「いやはや……何とも押し付けがましい説教ですねぇ?
そもそも“会話は止めて戦おう”と言ったのは
貴方だった様に記憶しているのですが……まぁ良いでしょう。
要するに、今貴方は――
“私の行為が歪んで居る”
――そう言った訳ですが
では……逆にお訊ねしましょう。
“両親を奪われ、その犯人が死刑と成った”後も
決して癒えなかったその傷は、今も尚貴方の中に在り続け
貴方の言う“正当な選択”に歪んだ何かを齎して居るのでは?
腹部を滅多刺しにされた父親と
首を掻き切られた母親の無惨な姿は……今も尚
貴方の選択に“歪んだ何かを”齎し続けて居るのでは? 」
「……煩い、黙れ」
「おや、質問に答えないのですか? ……まぁ良いでしょう。
無様な転生者、主人公……もしも私が貴方の記憶を見たのでは無く
“直に見た”と言ったら……私こそが
その状況を作り出した“張本人”だと言ったなら
大層な説教を並べ立てた貴方は、私に対する“選択”を……
……一体、どうすると言うのです? 」
<――この瞬間
斯くも容易く芽生えてしまった“殺意”
此奴がもし、父さんと母さんの命を奪った犯人なら……
……もし、その記憶を持ったまま
何らかの方法でこの世界に転生した存在だと言うのなら。
過去、マリアから聞かされた
“死者からしか複製出来ない”と言う制限が災いし
死後この世界に複製されてしまった“犯人”なのだとしたら――>
………
……
…
「主人公さん!? 駄目ッ!!! ……」
<――俺の“異変”に気付き、叫ぶ様にメルの口から発せられた
“警告”
だが、その声に気付いた時には遅かった。
……俺は、奴の策にまんまと引っ掛かり
恨みと言う“闇の感情”に支配されて居た。
奴は……虎視眈眈と狙って居たのだ。
俺の発動した“女神之光”が持つ、唯一の弱点――
“清き心が失われし時、守護の力は失われる”
――と言う条件を満たす為
今の今まで俺達全員を包んで居た“絶対的優位性”を奪う為……そして。
俺に“致命打”を与える為――>
………
……
…
「おや……その妙な防御を崩せばなんとか成ると思ったのですがねぇ?
なんとも面倒な……よもや、貴女程度に防がれてしまうとは」
<――瞬間
何かの砕け散る音と共に、そう不満げに発せられたライドウの声。
一方、そんな奴に対し――>
「ええ! 私自身はとっても“か弱い乙女”ですけど
この装備を造り上げた“職人”が優秀だから何とか成っただけです! 」
<――背中側からでも分かる程自慢げに
盾を掲げながらそう言ったマリア。
直後、彼女は盾についた“鉄屑”を斧で払い――>
「それと……これでも主人公さんの事はそれなりに詳しいつもりなので
今の発言で“何が起きるか”ある程度予想が付いてたって言うのも
理由の一つだったりしますけどね~……兎に角。
……主人公さんは少し落ち着いて下さいね?
少なくとも、この人は主人公さんが考えている“相手”では無いですし
そもそも、主人公さんが嫌がる様な相手を
私がこの世界に来させる訳無いじゃないですか! 」
<――そう言って、俺に向け頼もしくも可憐な笑顔を見せた。
だが、この直後――>
「兎に角、主人公さんはもう少し安心して
何時もの“らしい”主人公さんで居て下さ……ッ!! 」
<――彼女は
襲い掛かる“妖気”に顔を歪め、苦しそうに片膝を付いた――>
「マリアッ?! ……」
………
……
…
「……おや、無駄では無かった様で安心しました。
さて、再び“形勢逆転”と成った訳ですが……どうしますか?
“か弱い乙女”さんの為、命乞いでもしますか? 」
<――この瞬間
嬉嬉とした表情を浮かべ、煽る様にそう言ったライドウ。
だが――>
「悪いが、マリアのお陰で“形勢”はそのまま……いや、寧ろ
たった今お前の不利がより一層強くなった位だ」
<――この直後
状況に見合わない程の自信を以てそう答えた俺の態度に
訝しむ様な表情を浮かべたライドウは、首を傾げながら――>
「おやおや……“現実逃避”ですか? 」
<――そう言った。
無論……マリアは疎か、皆立つ事すらままならぬ程
再び衰弱し始めて居るこの状況に於いては
奴の“見立て”が正しいと言うべきだろう。
だが……それでも俺は、この“自信”を一切崩さず続けた。
そして――>
………
……
…
「……なぁライドウ。
俺自身、皆と置かれている状況は然程変わらない筈なのに
何で俺だけこの妖気の中で“ピンピンしてる”と思う?
何で、大切な仲間の命が危うい状況の中でこんなにも
“余裕綽綽”で居られると思ってるんだ? 」
「ほう? ……何か秘策でも有ると仰るのですか? 」
「“秘策”も何も……もう既に起動している事にすら気付いて無いんだろ?
お前を圧倒するだけの力が発動している事にさえ――
――なんてな、嘘だ。
固有魔導:熾天使之炎――」
<――過去、幾度と無く大切な仲間の命を秤に掛けられ
その度に狼狽え、結果として奴の思惑通りに動いて居た俺は……
……この瞬間、最悪と言うべき状況下に在りながらも決して折れず
自らを擲ち、俺の心をも庇ってくれたマリアの期待に応える為
政令国家での後進復帰中、目の当たりにした
ライドウの“騙し討ち”の手口に倣う様な方法で
固有魔導を発動した――>
………
……
…
「馬鹿……な……っ?! 防御無視……だ……と……」
<――つい先程まで乱発して居た“攻撃系固有魔導”の中に在り
此処まで俺が敢えて取って置いた技。
“熾天使之炎”
その備考欄に記されて居た文言は――
“正しさに背きし者を焼き払う”
――と言う“参考”にするには余りにも簡素で
中二病と呼ぶべき様な内容だった。
だが……発動直後、周囲の妖気をも焼き払わんと燃え広がった炎が
ライドウの展開した魔導障壁を完全に“無視”し
その身体を這う様に、奴の力の源である装備をも焼き払ったその時
少なくとも、俺がこの技を残して居た事は間違いでは無かったと知った――>
………
……
…
「ふぅ……備考欄は“中二病”だったけど
能力説明は真面目で良かった……」
<――この瞬間
思わずそう口にしてしまった俺とは対照的に……直後
酷く慌てた様子で、縋る様に懐から取り出した
一本の古めかしい魔導杖を此方に向けたライドウ……だが。
正直、武器や防具に詳しい訳でも無い俺ですら分かる程
この杖は“至って普通”の杖だった。
だが……此方の警戒心を解く為、敢えて取り出したのか
とすら思える程の何の特徴も無いこの杖は……直後
此処まで奴の挑発にも殆ど動じず居たエリシアさんを
酷く動揺させた――>
………
……
…
「ライドウ……アンタが未だにそれを持ってるとは思わなかったよ。
アンタにそんな“物持ちの良さ”があったとはね……」
<――この瞬間
激しくも静かな怒りを感じさせる声でそう言ったエリシアさん。
そして――>
「……ねぇ、主人公っち。
無理なお願いだとは思うけど、此処からは私に任せてくれないかな? 」
<――奴から一切目を逸らす事無く、そう続けた。
そして……何故、此処に来て奴との“一騎討ち”を願ったのかは疎か
何故、此処までの強い動揺を見せたのかすらも分からない中
理由はどうあれ、この“お願い”を断ろうとして居た俺に対し――>
「ありがとう……でも、ごめんね。
主人公っちがどれだけ止めても、私は戦うから」
<――そう、言い切った。
そして……この後、その決意の固さに言葉を返せなかった俺の眼の前で
腰に下げた魔導鞄に手を入れたかと思うと……其処から
奴が持つ魔導杖と“瓜二つの杖”を取り出したエリシアさんは――>
………
……
…
「……攻撃術師としての修行を終えたあの日
“修行完了”の証として師匠から渡された
言わば“姉弟杖”と呼ぶべきこの杖をお前が持ってる事だけは
誰に何と言われても許す訳には行かない……」
<――尚も奴を見据えたまま
強い意志を感じさせる表情と共に、そう言った。
この瞬間、漸く動揺の理由を知った俺は
エリシアさんの煮え滾る様な表現し難い感情を知り
そして……この場所に来る直前
予め使用許可を取って居た固有魔導の中で
最も悪い状況を想定し借りて居た物の名を脳裏に過ぎらせた。
“闘技場”と言う名を持ち
“外部からの干渉を封じ、闘士の持つ力のみを許可する”と言う
その特殊な固有魔導の名を……だが。
この固有魔導には、余りにも大き過ぎる“欠点”があった――>
………
……
…
「あの……エリシアさんが望む戦いの為に
“誰にも邪魔されない場所”を用意する事は出来ます。
でも、もしもこの力を発動させたら……誰がどれだけ望もうと
敗者に齎される“絶対的な死”からは逃れられないんです。
もし、万が一にもエリシアさんが……」
<――“敗者には最期の言葉を残す為の刻が与えられ
その後、術の力に依り強制的な死へと誘われる”
……備考欄に記されて居たその“文言”は
今にも戦いを挑まんとするエリシアさんの決意を
明確に拒否するだけの理由を持って居た。
だが――>
………
……
…
「……聞いて主人公っち。
私は……唯黙って主人公っちの後ろで庇われてた訳じゃない。
私は、今の今までずっと……彼奴の能力値を見続けてたの
だから、主人公っちの攻撃で彼奴の装備が壊れた瞬間
彼奴の能力値が明らかに落ちた事も
職業の項目が“攻撃術師に戻ってる”事にも気付いてる。
つまり、主人公っちみたいな“規格外”には程遠い
私程度の実力であろうとも――
“有利では無くても戦いには成る”
――って事。
ねぇ、主人公っち……お願い
これ以上、私の決意に水を差さないで」
<――この瞬間
冷静な判断と共に、そう強い決意を口にしたエリシアさん。
もしも今、エリシアさんを“眠らせる”などして
俺がこれ以上“水を差す”様な行動を取れば
生涯許して貰えないだろう程の強い決意を……だが、それでも
彼女の身を護りたい一心で
この願いを断る判断をし掛けた俺の様子に気付いたのか
直後、エリシアさんの側に付き――
“エリシアさんを信じて”
――そう、口々に
“負けた時”の事など微塵も考えていないかの様に言った仲間達。
それは“闘技場”の能力を考えれば
余りにも無責任に思える物だった……だが。
この直後、俺は……これ以上
皆と“言い争う”時間さえ残されていない事を知った――>
………
……
…
「ん? ……おや、漸く完成ですか。
よくぞ知らせてくれました……」
<――瞬間
何処からとも無く現れ、ライドウに何らかの耳打ちをした後
煙の様に何処かへと消え去った一体の“狂鬼”
一方……そんな狂鬼からの“報告”を受けたライドウは
そのボロボロな肉体と、圧倒的不利に有る自らの状況さえも
まるで些末な事かの様に振る舞い始めた。
そして――>
「……無様な転生者、主人公。
此処までと同じく、貴方が私と戦うのか……それとも
其処で鼻息荒く此方を睨みつけている姉弟子様が私と戦うのか
若しくは、その余りにも甘いお考えを元に
“私の事を逃がす”と言う判断なら大歓迎ではありますが……
……一体、どうされるお積もりで? 」
<――そう言った直後、不気味な笑みを浮かべた。
だが……この余りにも不穏な状況に
一切臆する事無く――>
………
……
…
「主人公っち……最後のは“言わずもがな”だし
そもそも、主人公っちの優しさじゃ……彼奴の事は殺せないから。
だから……私に任せて」
<――言うや否や
俺の前に立ち、ライドウに向け“姉弟杖”を構えたエリシアさん。
直後、そんな彼女の態度に呼応する様に――>
………
……
…
「おや……決定権さえ放棄したのですか? 無様な転生者主人公さん。
まぁ、何れにせよそちらのお好きな様にして頂いて結構ですし
姉弟子様との戦いを終えた後“弔い合戦”の様に
皆さん一斉に掛かって来て頂いても……私は構いませんがね? 」
<――笑みを浮かべそう言った後、同じく杖を構えたライドウ。
この、割って入る事さえも難しい状況の中……俺は決断を迫られて居た。
……“耳打ち”の後、ライドウが醸し出し始めた不穏な空気と
エリシアさんの決して揺らぐ事の無い決意。
もし、奴が何らかの策を手に入れて居て
エリシアさんの決意に泥を塗る様な行動が取れるのだとしたら……
……この“技”を使い、それを封じた空間で
“正々堂々”とした戦いを強制させるのが最も安全だろう。
だが、もしエリシアさんが負けてしまったら
俺は……彼女を死へと誘ってしまう事になる。
……この瞬間、今にも始まりそうな二人の戦いを前に
俺は、酷く苦しい決断を迫られて居た――>
………
……
…
「……分かりました。
もう、これ以上……エリシアさんの決意に水は差しません。
だから……絶対に負けないって約束して下さい。
俺が発動する固有魔導:闘技場の中で
必ず、ライドウに勝つって約束して下さい」
<――永遠にも思える苦悩の末、そう決意を伝えた。
直後、静かに頷き――>
「ありがとう」
<――そう一言だけ発したエリシアさん。
そして――>
………
……
…
「ええ……絶対に勝って下さいね。
さて……ライドウ、俺が今から発動する技は
外からの援護も望めないし、エリシアさんやお前が持つ
本来の職業の力しか使えない様に制限された空間だ。
つまり……恐らくは、お前が最も苦手とする
“正々堂々”とした戦いしか出来ないって事だ……兎に角、間違っても
“攻撃術師”以外の力を発動させようとは考えない方が良い。
その時点で反則扱いに成って、即時“命を失う”事になるからさ……
……少なくとも、お前に取っては何より酷い“恥”だろ? 」
「ほう? ……嫌に当たりの強い“審判”が居た物ですねぇ?
まぁ、話を聞く限りは妙な固有魔導の様ですし……そもそも
下手に逆らわずとも、実力差は歴然としておりますので……
……どうか、ご心配無く」
………
……
…
<――直後
戦いの火蓋を切って落とす為、俺は……二人に向け
“固有魔導:闘技場発動”
そう“叫んだ”――>
===第二一一話・終===




