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第百六八話「日常を楽しむ為の非日常を! 」

<――ジョルジュと俺が友達になってから約一ヶ月。


紆余曲折うよきょくせつすえに得られたジョルジュとの友達関係は

始めこそ“気遣きづかいの塊合戦”だったが……次第に打ち解け

互いに無理の無い、本当の意味での友達と呼べる存在に成ったと思う。


とは言え“犬猿けんえんなか”としょうされていた俺達の急変っぷりに

事情を知らない人達は驚きを通り越し、引いてすら居る様な状態だったのは

恥ずかしさと面白さが入り混じった謎の感情だったが……


……ともあれ。


“元貴族の誇り”と言う考えの元

この後もジョルジュは真面目に動き続けた。


……本来、俺がこの世界を作る際に希望した“中世の世界”では

国防や商取引を始めとする大規模な事柄に

ほぼ必ずと言って良い程“貴族”の存在があるのが正常だが

“過去の問題”が原因で、現在の政令国家には貴族階級が存在せず

その上、元貴族の行動に関しては現在も厳しい監視の目があり

ゆえに、国防は勿論の事……大規模な商取引にも一切の関与かんよが不可能だ。


だが、その事をジョルジュは微塵みじんも気にしていない様子で――


“身から出たサビだ……それに、元より

貴族の復権を認めさせようとも思っていない。


主人公……私はこれから

ハンターとしての身分を出世させる事に心血を注ぐつもりだ。


だから主人公……君はどうか、期待して待っていてくれ”


――そう言うと照れた様な笑顔を浮かべ

新たな道を進む決意を表明したジョルジュ。


無論、受ける依頼に関しても俺の忠告を素直に受け入れてくれたし

念の為、受付嬢さんへ頼んでいた“報告”が――


“ジョルジュ様は同ランクのハンター達とパーティを組み

堅実な仕事振りで着実に成長されているご様子です”


――と言う安心の出来る内容であった事もそうだが

ジョルジュはわずかひと月の間にハンターランクを一つ上昇させ

それまで彼奴アイツを馬鹿にしていた奴らですら驚く程に早く

Bランクの依頼を受けられる迄に成長して居たのだ。


……まぁ、これに関しては

本人から直接ハンターバッジを見せられ――


“どうだ、流石だろう? ……感心しただろう? ”


――と、信じられない位自慢されたのでむし苛立いらだった位なのだが。


ともあれ……そんなジョルジュの努力に此方こっちまで勇気づけられていた頃

俺も“通常業務”への復帰……つまり

“三大臣兼任状態”に戻り、恐ろしい程の激務げきむと共に

大変な日々を過ごしていた。


の、だが――>


………


……



「……と言う事ですので、今後は鬼人オーガ族の言語を使える者の常駐

しくは、商品に鬼人オーガ族語の併記へいきをさせる事などを義務化し

関連法の整備を含め対応していく予定です。


また、鬼人オーガ族にも此方こちらの言語を勉強している方が増えているので

今後の言語教育の観点から……」


<――復帰早々


“教育大臣及び外交大臣及び法務大臣”と言う状況が

最大限役立つ仕事内容を任されていた俺……とは言え

“例の一件”からひと月と少ししか経っていない上

解決すべき問題が山積している事もあり

俺を含め……ほとんど全ての大臣が

精神的にも肉体的にも“疲労困憊ひろうこんぱい”と言うべき状況におちいっていた。


……だが、そんな中

山積さんせきしている問題の一つである“バグ問題”に

わずかな希望を感じられる報告が“研究機関”から報告された――>


………


……



「では……例のバグに関する情報とご報告を。


……詳しい生態についてはいまだ謎が多い事に変わりはありませんが

最初に出現報告があった地点から統計を取り続け

数多くのハンター様からのご協力の末に、ようや

“出現地点に類似点るいじてんが見られる”と言う事が分かりました。


そして、現在判明している三箇所以外での出現報告に関しましても

友好国は勿論の事……主人公さんを含む“転生者”の現れた、または

住んでいる地域などにも幾度いくどと無く確認を取り

いずれの地域からも該当する報告が無かった事を加味すれば

少なくとも、バグの発生地域が

“三箇所の禁止区域”のみである可能性が高いと考えられ

バグへの決定的な対処方法が見つかりさえすれば

本件の解決も夢では無いかと思われます」


<――立ち上がり、数多くの書類を手にそう言ったメアリさん。


当然、この報告内容には大臣達の多くが安堵あんどの表情を浮かべており

く言う俺も、ほんの少しだけホッとしていた。


……だが、メアリさんに続いて

同じく“研究機関”の一員であるエリシアさんが行なった

“注意喚起”にって――>


………


……



「……っと、一応“注意喚起”して置くけどぉ~っ!

あくまで“大まかな場所が判った”だけだし

いずれにしろ、主人公っちが展開する防衛魔導ですら

簡単に“食べちゃう”様な異様な能力の魔物である事に変わりは無いし

そもそも……こうして話している今も安全の為、該当する三地域は

特例を除いて、全ハンターに“立入禁止”を出してる訳だし

この国でまともに“やり合える”人間が“数える程しか居ない”事実は

今の所は全く変わって無いから、其処そこ(そこ)の所は注意してね?


……まぁ、私も含めて皆この所の激務げきむで疲れ切ってるだろうし

万が一遭遇そうぐうしてひどい目に遭わない為にも

しっかりと警戒心を持っててね~って事だ~っ!


以上……報告終わりっ! 」


<――この後“注意喚起”を終え席についたエリシアさん。


だが……彼女が席についた頃には

皆、重く沈んだ様な表情を浮かべていて――


“ご、ごめん……言い方が悪かったかも……”


――そう言って申し訳無さそうにしたエリシアさん。


無論、エリシアさんは何も間違って居ないし

この件に気が抜けた様な対応をすれば

今以上に深刻な問題を発生させてしまうだろう……だが

“立入禁止措置”に始まる状況に辟易へきえきとしていたのは俺達だけでは無い。


……ハンター達は勿論の事、彼らの家族やその友達

更に……本来なら無邪気に笑い遊んでいる様な子供達ですら

見えない恐怖に“気疲れ”をしている現状。


問題の解決だけでは無く……せめて少しでも

国民感情を上向きにさせる為の“何かが”必要だと考えていた俺。


だが……重苦しい空気に包まれた執務室の中

そんな俺と“同じ様な”考えを持っていたのか

ラウドさんはある“提案”を口にした――>


………


……



「兎も角じゃ……警戒は必要じゃが

気に病み過ぎるのもかえって良く無いじゃろう。


其処そこで、今以上に仕事も増える上

いささか“楽観主義的”と怒られそうでもあるのじゃが……


……長らく、延期えんき延期えんきと成っておった“ゲーム大会”を

今一度、開催してみるのはどうじゃろうか? 」


<――と、本当に“楽観主義的な”発案をしたラウドさん。


とは言え……“ゲーム大会”を開催すれば

少なからず国民達の感情も上向くだろう。


だが、正直な所……と言うか

“個人的に”……こう言ったタイミングで行われる“何らかの行事”には

全くもって“良い思い出が無い”し――


“……開催中、しくは開催直前にバグの大量襲来が起き

多数の犠牲者が出るかも知れない”


――などと言うマイナスな考えが浮かんでしまったりと

全くもって乗り気に成れずに居た俺の直ぐ近くで――>


………


……



「ほう……参加者に制限は? 」


<――息苦しさを感じる程の覇気はき

地をう様な声でそうたずねた一人の男……もとい。


“モナーク”は――>


「ん? ……特に制限などはもうけぬ予定じゃが、何故じゃね? 」


<――ラウドさんがそう答えた瞬間

静かに“ゲーム大会への参加”を表明したのだが……


この瞬間――>


「うム……ならバ、我も参加させて貰おウ! 」


<――言うや否や

モナークに負けず劣らずの覇気はきき出しにそう宣言をした

鬼人オーガ族族長……ヴォルテ。


……この瞬間、ヴォルテとモナークの間には

沈静化していた筈の炎が“再燃さいねん”し――>


………


……



「フッ……我に挑もうとは面白い。


一片も残らぬ程に叩き潰してくれるわ……」


「何だト?! ……良いだろウ。


モナーク……貴様を、地獄ニ送り届けてやル!! 」


<――うん。


完全に“マズい”雰囲気だ。


誰の目にも明らかなこの状況……そして

今にも殴り合いそうな雰囲気をかもし出す二人を止める為

一か八か、間に入った俺は――>


………


……



「ま、待ったッ!!! ……ゲーム大会で勝負をつけるんだろ?!

物理的に相手を攻撃するのは無しだぞ?! 分かってるよな!? 」


「フッ……“物理”が成らぬと謂うか。


ならば“魔導で”めっしてくれる……」


「ちょ!? ……待て待てッ!! どっちも駄目に決まってるだろッ?!

てか……ゲーム大会への参加は良いけど

お互いに相手に直接攻撃をするのは禁止ッ!


それと……そうッ!

この約束を破った方が勝負に負けるって事だからな!?

分かってるか?! 負け方としてすっげぇダサいんだからなッ?!


って事だからその……ハイ決定ッ!! 」


<――と、なかば強制的に争いを止め

執務室での会議を“どうにか無事に”終了させた後……


……改めて開催される事と成った“ゲーム大会”の為

俺を含め、各方面への通達やら事前準備に奔走ほんそうする事となった大臣達。


並々ならぬ苦労のすえようやく全てが整ったのは

開催日前日の夜だった――>


………


……



「いや~……思ってたより時間が掛かりましたけど

これで何とか予定通り開催出来そうですね、でも……


……マジでキツかったぁぁぁぁッッ!! 」


「ご、ご苦労じゃった主人公殿……しかし。


本当に主人公殿が“って”良かったわい……」


<――そう言ってねぎらってくれたラウドさん。


だが、最後の言葉に何か“含み”を感じた俺は――>


「えっと、それは……“猫の手も借りたい”的な意味ですよね? 」


<――恐る恐るそうたずねた。


すると――>


「それは勿論なのじゃが……


……御主が旅先で様々な経験をしていた頃

政令国家では御主達が旅に出た事を悲しむ者達が多かったんじゃよ。


勿論、それはわしもじゃ……そして、そんな悲しみを少しでも癒やす為

わしは一度、皆にゲーム大会の再開催を提案した事があったんじゃ。


……しかし、結果は圧倒的大差で“否決”じゃった。


主人公殿……何故じゃか分かるかね? 」


「い、いえ……何故なんです? 」


「うむ……それはのう?

否決に投票した者達のほとんどが――


“発案者の居ない大会など、寂しさに拍車はくしゃを掛けるだけだ”


――と言い出したんじゃよ。


要するに――


“主人公殿が居らぬと楽しく無い”


――と言う理由で

開催が今日まで延期えんきされたと考えるのが妥当じゃろう。


……良いかね? 主人公殿。


主人公殿のその“疲労感”は、御主を待ち望んでいた者達に対し

今日までめ込んでいた“ツケ”の様な物じゃよ!

存分に味わって置く事じゃ! ……ホッホッホッ! 」


<――そう言って笑ったラウドさんの姿はとても優しく

また、知らぬ間に数多くの人々から愛されていた事に気付かされた瞬間

自然と俺の頬を涙がつたった、そして――


“明日のゲーム大会を何としても、楽しい物にしたい”


――そんな気持ちが、俺の中で静かに燃え始めた。


“絶対に皆を楽しませる、絶対に成功させるんだ”――>


………


……



「……申し上げますッ!!


第二城地域の東門にッ! ……」


<――ゲーム大会当日、開会式まで一時間を切った頃。


息を荒げ、汗だくになりながら現れるなり

執務室の扉が完全に開く事すら待たず

ひどく慌てた様子で、そう切り出した一人の衛兵。


彼の“ただ事では無い”様子に……彼が話し終える事を待たず

勇み足で第二城地域の中心部へと転移した俺は――>


………


……



「良かった……この辺りには異常が無い」


<――転移直後

周囲の状況を見回し異常が無い事を確認した俺は

衛兵の言っていた“第二城地域の東門”の状況を調べる為

ぐ様転移魔導の詠唱を始めた……だが。


転移直前――>


………


……



「公殿……心……予定……者……と言う……じゃ……」


<――転移魔導中だった所為か

途切れ途切れに聞こえたラウドさんからの通信……だが

“全くもって理解不能な”この通信の内容がどの様な内容であったにせよ

民達の多くが待ち望んでいたゲーム大会を邪魔する問題があるのなら

俺は……後、数週間昏睡こんすいする事に成ってでも

このゲーム大会を成功に導きたかった。


それこそが、俺や仲間達の事を大切に想ってくれた

この国に暮らす人達への恩返しだと思えたから。


だが……そんな俺の決意は

いとも簡単に“消し飛ぶ”事と成るのだった――>


………


……



「……来いッ!!

バグだろうがライドウだろうが悪鬼だろうが全部まとめて俺が倒してやるッ!!


って……えっ? 」


<――到着するや否や

盛大に“啖呵たんかを切った俺は……舌の根も乾かぬ内に意気消沈いきしょうちんしていた。


一方……そんな俺の“異質な様子”に、その場に居た“御一行”は

完全に“引いて”居て――>


………


……



「ひ……久しぶりだな主人公。


しかし、何故その様に血相を変え現(在らわ)れた?

どうにも我々の到着を聞きつけての様では無さそうに見えるのだが……」


「ええ、ディーン様……邪推じゃすいしますに

“主人公様らしい”何らかの“勘違いが原因”では無いかと……」


<――そう言って

俺の異質な様子を一歩引いた様子でしょうしてみせた二人は

ディーンとギュンターさんだった。


俺の眼の前に居た“御一行”は……ディーン隊


“と”――>


………


……



「久しぶりやね~主人公さん♪


……けど、相変わらずけわしい顔してはるから心配成るわ~? 」


「あ、貴女はっ! ……」


<――俺の目の前に居た


“御一行”


ギュンターさんの戦艦オベリスクから続々と降りて来た

“凄まじい御一行”は、日之本皇国全地域の長達と天照様……だけでは


“無く”――>


………


……



「……じじぃ! この男

顔色が青くなったり白くなったり赤くなったりしてるぞ?

人外の血でも流れてるのかとあたしゃ~んでるぞ! 」


「カ、カミーラ様……この御方はムスタファ様の大切なご友人です。


それと……何度も申し上げて居る様に

“じじぃ”では無く“爺や”とお呼び下さいと……」


「……はいはい、爺やもカミーラも落ち着いて。


主人公……突然この様に大勢で訪ねて来てしまった所為で

悪い意味で驚かせてしまったのでは無いだろうか?

もしそうだとするならば、本当に申し訳無い……」


<――下船するなり、凄まじいハイテンションで俺の事を指差し

“小馬鹿にした”後……ハイダルさんにさとされた少女。


……そして、そんな二人を落ち着かせつつ

俺の事を気遣ってくれたムスタファの登場と言う

“勢揃い感”が尋常では無い状況にとても狼狽うろたえつつ――>


「い、いや……俺が早合点はやがてんしただけだから!

そ、それより……久しぶりだなッ! 」


「ああ、本当に久しぶりだ! ……」


<――と、再会を喜んだのだった。


まぁ……何はともあれ。


直後、友情を再確認していた俺に対し――>


………


……



「……主人公殿ッ!! 」


「ぬわぁっ!? ……って、ラウドさん?! 」


<――突如として背後に現れるなり

大声で呼び掛けて来たラウドさん……を、始めとして

いつの間にか、俺の背後には政令国家の大臣達が“勢ぞろい”していて――>


………


……



「全く……主人公っちの事だし~?

差し詰め、何か大きな勘違いして転移した挙げ句――


“自分さえ犠牲になればッ! ”


――的な事考えてたら

良い意味で“当てが外れた”んでしょ~? 」


<――と、少し不満げな表情を浮かべたまま

全てを言い当てたエリシアさんを皮切りに

この後“結構な勢いで”全員に怒られる事と成った俺。


ともあれ――>


………


……



「しかし……予定していたにも関わらず

もてなしの用意が不充分であった事……お恥ずかしい限りですじゃ」


<――この後

政令国家に現れた大量の国賓達を貴賓室へと案内したラウドさんは

申し訳なさげにそう言ったが――>


「いえ……むしろこの様な大所帯での訪問をお受け入れ下さった事こそが

何よりのもてなしであると考えております。


ですので、どうかお気に為さらず……」


<――と此方こちらを気遣ってくれた天照様。


だが、同時に……この会話の中に一つだけ気になった点があった俺。


俺が気になった内容……それは

ラウドさんが“予定していたにも関わらず”……と言った事だ。


仮にも外交大臣である俺に対し

いく昏睡こんすいしていた時間が長かったとは言え

何の通達も無かった事に違和感を感じた俺は

ラウドさんにこの件に関する質問をしようと考えていた。


だが、そんな時――>


………


……



「さて……先程の主人公様のご様子からすれば

私達が訪れる事を主人公様だけがご存じなかったのではと考えます。


もしもそうなのであれば、私達がこの国を訪れた理由について

まずは主人公様にしっかりとご理解頂く必要があるかと考えております。


主人公様……如何いかがでしょうか? 」


<――またしても俺の考えを“た”のだろうか?

そう言うと“俺に許可を取る迄は一切動かない”と言う様な様子で

俺の事を真っ直ぐに見つめた天照様。


……直後

俺が静かにうなずいた事を確認すると――>


………


……



「では……本日の訪問に関する二つの理由を御説明致します。


一つ目は……この度

アラブリア王国と我が国との間に結ばれた協定に

いずれの国にいても地理的に遠い“最重要友好国”である

政令国家との円滑えんかつな通信連絡……並びに

自由な往来おうらいを可能とする為の包括的ほうかつてき枠組みの制定、そして

それらの制定に際し、政令国家側からの了承を得た上で

それぞれの国にける“特区”の様な場所を三国の分担にり建設し

以降の往来おうらい簡略化かんりゃくかする為の法整備などを含めた話し合い

そして……“特区”の性質上、秘匿ひとくすべき技術である事をかんがみた上で

直接お会いする必要がある為……と言うのが一つ目の理由で御座います。


そして、二つ目についてですが――


――本日、主人公様の大切な御仲間である

ディーン隊の皆様を“日之本皇国陸海軍育成”の任務から解き

主人公様との“御約束”を果たし、安全に政令国家へと送り届ける為……


……と言いましても、此処ここまでの道程みちのりほとん

戦艦オベリスクのお世話に成って居たのですが……兎も角。


以上が本日、政令国家へお邪魔させて頂いた理由で御座います」


<――そう言って深々と頭を下げた天照様。


当然この場に同席していたライラさんはこの決定にとても喜んだ。


だが、その反面……ディーン達の“厳しい訓練”に耐え

この度、天照様を始めとする“要人警護”を任せられて居たのだろう

日之本皇国軍の“エリート軍人達”からは

“寂しさ”の様な雰囲気が感じられて――>


===第百六八話・終===

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