第四話:嫌われ者は決別する
嫌われ者シリーズ更新しました!
「おい、晴人!」
後ろから声がしたが僕は振り返らない。
……いや、振り返られなかった。
今の状態を何度も見てきた麟弥にとって、そして当事者である僕にとって、これはよくあることのはずだ。
「何があったか見てない俺にはわからんが、ひとまず小日向さんに謝れ!」
「何故? 僕に暴言を吐いてきたのはあっちだよ?」
なのに、何故僕が謝らなければいけないのか。
今までそんなこと言わなかったのに。
言わなかったのに?
……そうか、麟弥。
君も、僕の『敵』だったんだね。
僕は麟弥の方へ向く。
「麟弥、君は僕を騙してたんだね。ずっと、ずーっとそばで僕を貶めるつもりだったんだね」
「晴人? お前何言っ……」
麟弥は僕の目を見た瞬間、言葉を詰まらせてしまった。
そして、体を震わせる。
もう、何も言えないだろう。
この目を見た人は等しく同じ反応する。
今までのことが噓のように、体を震わせ、言葉を発せなくなる。
僕はそのまま体を小日向さんに向けて、そして目を見ながら言った。
「もう、僕に関わらないでください。僕もあなた達に関わらないんで」
一言そういって僕は踵を返して帰路につく。
麟弥と岩代さんの間をただ抜ける。
だけど、僕は気づいていなかった。
岩代さんには恐怖も、そして憎しみも、ましてや嫌悪をするでなく、僕を見送っていたことに。
皆さん、ここまで読んでいただきありがとうございます!
この話の後ですがそれぞれのアナザーストーリーを書き終わったら書きたいと思ってます。
次回は、岩代さん目線の話になります!
では、皆さんその時まで!