第8話:夏祭りのために
遅くなりました…。
ショッピングセンターから帰ってきた男子三人組、水書 晴人、福島 麟弥、名瀬 由貴。
それぞれ好きなものを買ったり、遊んだりとある程度ガス抜きをすることができた。
そして、晴人はとある大事なものを買うのを忘れた。
そう、『浴衣』である。
「やばい、何か忘れてると思ったら浴衣……」
「あ、察し」
「あぁ~」
これまた三者三様、いやこの場合二者二様か。
しかたなく、今日は諦めることにした。
◆ ◆ ◆
さて、ここからは読者に向けて語りかけることになるが、晴人がここまで悩んでいるのは理由がある。
友人などに勧められたりでここから読み始めた人にも分かるように語っていこう。
まず、水書晴人は「嫌われ者」である。
現在は妹やヒロイン、友人たちに囲まれているがその前まではあまりいなかった。
水書 晴人、ヒロインの岩代 美鈴、青﨑 乙姫の三人はとある実験によって別の人格を埋め込まれており、目の色が変化することで能力を使える「能力者」である。
能力を制御できるように特訓をしていて、今では嫌われることは少なくなった。
能力について知りたくなったら是非最初から読んでいってもらえるとうれしい。
さて、そんな今まで人と触れ合うことが少なかった晴人はもちろん、誘われることもましてや祭りに行くことも少なかったといえる。
それに、今回誘ってきたのは晴人が好意を寄せている岩代 美鈴なのだ。
ドキドキしてしまうのも、あれこれ考えてしまうのも頷ける。
では、ここから話を戻すことにしよう。
晴人の選択はどうなるのか……?
◆ ◆ ◆
「浴衣よりも甚平だな!」
「いやいや、作務衣がいいよ。動きやすいし袖もあるから怪我しにくい」
「兄さんは何を着ても似合うよ!! だって私のお兄ちゃんだもん!」
「もう浴衣でいいよ……」
次の日。
夏祭り何を着ていくか談義のなか、僕だけは浴衣という妥協点を見つけてるのに、麟弥や由貴、さらには智美まで入ってきた。
結局会議は踊る、されど進まず状態になり、それぞれがこれだ! と思うものを着ていくことになった。
僕と智美は浴衣にすることにしたから昨日行ったショッピングセンターの中にある浴衣屋にきた。
「いらっしゃいませ~」
中から出てきたのは赤い花が印象的な店員さんが出てきた。
雰囲気的にお淑やかに見える。
それぞれ店員さんに見てもらい、智美は黒を基調とした生地に赤や青など様々な色で彩られた花火模様を選んでもらった。
かくいう僕も、黒を基調にして青い蝶が飛び交うように散りばめられた模様を選んでもらった。
僕自身、男なので蝶を着るのに抵抗はあったが、思いのほか似合っているように思えた。
妹からは、
「兄さん……かっこよすぎて貰いたい……」
などの意味不明なことをいわれるくらいだった。(たぶん褒めてくれてるんだと思う)
…………
……
‥
さて、浴衣の用意もできたので当日の準備は完了した。
いや、エスコートという点においては……誰かに聞こうと思う。
夏祭りに向けて考えていた時、ふとあの夢を思い出した。
『今度の祭りに行け。そしたら本当の力がわかる』
もう一人の僕が告げた一言。
何かを暗示しているような、そんな含んだ言葉。
ぼくの力である皇帝の能力。
その真価は他人に嫌われるでもなく支配でもない。
真価とはいったい何を示すのか。
頭がこんがらがってきたので、とりあえず僕は父の部屋から持ってきた「古代イスラエル」と呼ばれる本を読むことにした。
僕の部屋には月明かりが入り、一種の神秘的な世界を描いていた。
続
さて、気づいている人は今回の伏線に目を引かれると思います。真価とはいったいなんなのか?
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