第二話:嫌われ者の中のもう一人
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僕は乙姫から詳しいことを聞いた。僕の目には王の眼と呼ばれる能力があって、その力が非常に強大な力であること。その能力は強大ゆえに眼の能力を使わなくても漏れ出していること。そして、僕の眼の能力は本来嫌われるものでなく、別の力であること。
「その、別の力ってのは……」
「王の名の通りに何かを支配するんだろうけど分からないことが多いね。美鈴ちゃんは私の目の前で力を使ってるから分かったけど。誰か眼の能力を使われた人に話が聞ければいいんだけどねぇ……」
その一言に動揺を見せたのが、小日向さんと鱗弥だった。顔は徐々に青ざめていき、体が震え始めている。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
小日向さんは小声で謝り続けている。体の震えは強くなっていき、震えているというよりもそこだけ大きな地震が起きてるんじゃないかと思えるくらいだった。僕はそれを見ているだけだった。僕にできることは無い。そして、小日向さんをこうしたのはほかの誰でもない、僕なんだから。
ソウダオマエガヤッタンダ
頭に、声が聞こえた。それは僕の声でもなく、ここにいる誰の声でもない。じゃあ……いったい誰なんだ?
オマエハオレデ、オレハオマエダ
その声は、続けて言う。そして、ここで僕は思い出す。僕は水書晴人じゃない。この人格は人為的に埋め込まれたもの。つまり、僕の中には、本来の人格であるもう一人の僕がいる。それに、聞こえてる声には少なからず憎悪を感じる。つまり。
もう一人の僕は、僕を憎んでいる……!
「晴人君! ねぇってば!」
「あ……ごめん。ちょっと考え事してて」
岩代さんにずっと呼ばれていたのか、岩代さんは心配そうにこちらを覗いていた。このことを話すべきか、迷う。今は小日向さんと麟弥を戻すことが最優先。僕のことなんて後でも大丈夫だろう。でも、もし間違ったら……。
いや、迷う必要はない。このことは後でもいい。そう感じたならそれでいいじゃないか。僕はひとまず、麟弥を元に戻すことにした。幸い、麟弥はそこまで酷くなかったのですぐに治った。暫くすれば小日向さんも元に戻るとのことだ。
しかし、僕はこの時にあの事を話さなかったことを少し先の未来で後悔することになった。
―― 一時間後 ――
落ち着いた二人からその時の状況と感じた事を聞き出した乙姫は驚きを見せていた。
「王の眼……その名の通りだったのね。これは、政府も隠したがる訳だわ」
「ど、どうゆうことなの? 何かまずいの?」
「まずいも何も、あなたの眼の能力はあたしの予想の範疇を超えすぎてるの! この世界の基盤を崩壊させかねない代物よ! もしも使う人を間違えれば、世界の頂点に立ててしまう……!」
……話が大きすぎる。そもそも、世界の頂点とかどこのエベレストですか? つまらないことを考えるのはやめよう。
「人の思考、そして行動さえも支配して動かしてしまう。王の名は伊達じゃない! ――もしかして、王は王でも皇帝とかの類かもしれない。だから、力を使ってなくても漏れ出る。しかも微妙な量のせいで他の人にとっては嫌悪を思わせるのね……」
ここにきて、僕の嫌われる原因が分かった。でも、能力の力だったんだな。
続
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