第4話 ゴルダルの街
疲れた・・・・・・。
俺達は、やっとゴルダルの街にたどり着いた。かなり早起きして出発したのだが、結局たどり着いたのはお昼前。道中は魔物が多く、ユニークスキル『成長』も一レベル上がった。獲得したのはスキル「剣技『小』」。初めから一つ獲得していたので、スキルも進化し、「剣技『中』」になった。
『しっかし人が多いな~』
ミルルは人の多さに驚いているが、前世の東京に比べれば、少ないものだ。流石に16年ぶりの人混みは少し緊張する。会話はゴンゾウと練習しておいたので、大丈夫だと思うのだが・・・・・・。
『何してるの?!は早く行こう!』
「はいはい。それで?ミルルはどこに行くのか知っているのか?」
『うぐっ』
「お前も人のこと言えないじゃないか」
そんなコントのような掛け合いをしながら、俺は目的の場所へと進む。その場所とは、ギルドだ。
「なあ、ミルル。マップを出して、ギルドを探してくれ」
『ギルドを探してくれって言われても、マップはそんなに万能じゃないんだよ~。道とかどこに建物があるかくらいしか分からないんだから』
「うーん。それじゃあ、魔力が高い人が集まっているところを探してくれないか?ギルドなら魔術師とかもいるだろ?」
『それなら朝飯前だよ~!・・・・・・。ゴルダルの街には、魔力量の高い人が多い場所は三つだね。一つは、多分形からすると、貴族の屋敷みたいだね。横に長くてたっかい建物。二つ目は・・・・・・なんだここ?なんかこじんまりした四角いコンクリートの家だと思うの。1個も窓がない・・・。多分ここは違うね~。最後に・・・・あ!ここだよ!この大通りをまっすぐ行ったところ!』
「おーけー。ありがとな。ミルル」
『えへへ~。お礼言われると照れちゃうな~。もっと言ってもいいんだよ?』
「もう言わねえよ」
何故か照れているミルルを置いておいて、さっきの通り、大通りを歩く。大通りはかなり人通りが多いみたいで、ちょこちょこと出店が並んでいる。色々見ると、野菜や果物。剣や盾。俺の持っているフォーアラーよりひと回り小さい物や、見たことも無い魔法道具。・・・・・・なんだあれ。なんかカップに入った紫のスープが売っている。
主婦や剣を腰に控えた冒険者らしき人達が並んでいる。しかも並んでいるのは全員女性。
・・・・・・。まあいいや。
そんな感じで、久々の大都市に色々興味が移りながらもやっとこさギルドについた。
ギルドは意外にも大きな建物で、木造の建物。高さからするに、四階建てくらいだろう。
そして、少し緊張するしながら入る。
カランカランと音を立ててドアが開く。
開けた瞬間騒がしい声が一気に耳へ届く。中はかなり殺伐としていて、ビールが注がれた巨大なジョッキを片手に騒ぐごっつい人たちがまわりを見るとたくさんいる。
どうやら、受付のようなものが真ん中、左右は酒場になっているようだ。
2階へ行く階段があり、宿屋と書いた看板がぶら下がっていので、文字のまんまだろう。
俺は、受付の前に並ぶ。前には5〜6人の冒険者がならんでいる。
『面白そうだね!!こんなに冒険者がいると興奮するよ!!』
「なんで興奮してるんだよ」
『私だって魔王だったんだよ!こんなに戦える人達がいたら腕試ししたくなるじゃ~ん』
そうだった。こいつは魔王で戦闘狂だった。
戦闘狂だとは失礼な!とか騒いでいるが、それを無視する。
前の人がどいたので、俺は受付の女性に話しかける。
「あ、あのー。ギルドの登録はできますか?」
「はあ。一応確認なのですが、ギルドは危険なクエストも多くあります。女性の子供には少し厳しいかと・・・・・・」
またか。女に間違えられるのはそろそろ慣れてきたな。
「すいません。一応俺は男の16歳なんですが」
「!!申し訳ありません!!まさか男性だとは・・・・・・。ゴホン。それでは説明いたしますね。少し長くなるのですが、大丈夫ですか?」
「はい」
「わかりました。まず、ギルドとは、様々な方の頼み事を冒険者がこなし、頼んだ方から冒険者へと報酬が送られます。そして、ギルドは紹介料金としてその報酬から4分の1を頂いていると、このような仕組みになっております。そして、クエストにはランク分けがあります。6級~1級、そしてブロンズ・シルバー・ゴールドとなります。そして、冒険者にも同じランク分けがあり、実力に見合ったクエストを受けることが可能です。次にパーティー機能があります。パーティーとは、二人以上の冒険者で同じクエストを受けることをいいます。報酬はどちらの手柄が大きいであろうと半分です。ここのトラブルが多いのでご注意ください。そして、パーティー機能の利点としては、片方の方が5級で片方の方が6級でも、5級のクエストを受けることが可能です。パーティーは6人までと決まっていますが、過半数が上位のランクの場合、受注可能となります。ここまではわかりましたか?」
「はい。あと、少し質問なのですが、冒険者に配られるギルドカードってありますよね。それのゴールドランクの方って何人いるんですか?」
「ゴールドランクの方を知らないんですか?!この西大陸にはゴールドの称号を持つ方は一人しかいません。それは『アスカ・バルゴトーメル』様ただ一人です。現在勇者ですね」
「・・・・・・そうですか。ありがとうございます」
俺は少し考え込む。
『イフくん。どうしたの?何かあった?』
いや。何でもない。ごめんな。後で話すよ。俺のお父さんとお母さんの事と一緒に。
「どうされましたか?」
「・・・あ、大丈夫です」
「そうですか。それでは、先ほど仰っていたギルドカードです。数字の場合はカードにランクの数字が書かれます。カラーになると、ランクに合わせてギルドカードの色も変わります。ここにお名前と歳、その他もろもろを、書いてください」
そう言って出されたのは、名刺ほどの大きさのカード。第6級と書かれていて、名前 歳 魔法を使うか使わないか 契約期間 と書かれていて、どれも横に俺が書く分の場所がある。
「契約期間とは?」
「はい。一応冒険者とは、全大陸共通の大組織として、契約という形となるので、期間があります。1年に2千ペルを頂きます。しかし、お気おつけください。一度契約を切っしまうといくら実力があっても最初からとなります。そして、契約期間は永久というものがあります。いつでも契約を切ることができて、何年契約するかにもかかわらず、一万二千ペルで入ることができます。その場合は契約期間の欄に永久とお書き下さい」
「わかりました」
俺は、名前︰イフリス 歳︰16 魔法︰使う 契約期間︰永久と書き、受付のお姉さんに渡す。
「ありがとうございます。・・・・・・確認終わりました。これで登録は終了です。カードは失くした場合再発行となりますが、再発行は千ペルかかりますのでご注意下さい」
そう言って再びカードを渡される。そして、お姉さんは付け加える。
「それと、実力がある方を低いランクにすると、クエストを全て消化してしまう可能性があるので、飛び級という制度があります。最高3級まで上がることが出来ますが、どうされますか?飛び級にはこちらで用意した冒険者と戦うことになります」
「・・・・・。それでお願いします」
「本当ですか?失礼かも知れませんが、16歳での冒険者はあまり居ません。このギルドにも3~4人ほどしかおりません。危険ですが宜しいですか?」
「はい。大丈夫です」
「わかりました。明日に試験がありますので午後の4時に受付まで起こし下さい。それと、2階は宿屋となっていますのでよければご使用ください」
「ん、ありがとう」
そうお礼を言って俺は酒場の横を通り、二階へと進む。
2階には先程の騒がしさとは正反対の静けさがあり、ここには小さな受付がある。
受付には先程のお姉さんと真逆の歳・・・・・・こう言っては失礼だが、おばさんだ。
『イフくんってデリカシーがないんだね。女性にそんなこと言っちゃいけないよ!』
「そ、そんなにか?」
『そうだよ!私だって魔王だけど女の子なんだよ!』
「そういうものなのか・・・・」
すこし凹んだところで、俺は受付へと向かった。




