第3話 ゴルダルの街へ
『なんか変なことになったね』
「全くだ」
俺は、ゴンゾウとの勝負に勝ち、ゴンゾウが弟子として加わった。
別に何を教えるわけでもないが、俺が毎日こなしていた修行を勝手にやらせて話を誤魔化す。
「兄貴!金額はいくらほど必要でしょうか」
「いや、それなんだがな。俺は常識に疎くてお金の価値があんまりわからないんだ」
「わかりました!それなら俺が色々教えてあげます!少し待っててください!」
そう言って洞窟に走っていく。さっきより随分縮んだな。どうやらユニークスキル持ちらしい。色んなスキルがあるもんだな。
『今まで私が見て来た中で、かなり珍しい方じゃないかな。まあ、ユニークスキルを持っているだけでも珍しいんだけど』
「そうなのか?」
『うん!ユニークスキルってのは、選ばれた人にしか獲得できないんだ~。スキルは努力すれば獲得出来る物もあるんだけど、ユニークスキルは並大抵の努力じゃ獲得できないんだ。生まれた瞬間持っているか、尋常じゃない努力と才能と奇跡が重ならないと獲得できないんだ』
「なるほどな」
そんな話をミルルとしていると、バタバタとゴンゾウが出てくる。
右手にはジャラジャラと音を立てている袋を持っている。
「持ってきました!一つ一つ説明しますね。えっと、これがーーーーー」
そう言ってゴンゾウから説明を受けた。まとめると、お金は、鉄貨・銅貨・銀貨・金貨・白銀貨・白金貨がある。
順に、10ペル 1000ペル 1万ペル 10万ペル 1千万ペル 十億ペルになるらしい。白がつくお金は、大取引などでしか使われないらしいが、一部の貴族が所有している高価なお金だそうだ。
次に、街のことについても聞いてみた。ゴルダルの街は、このカルトリア王国の中でも1〜2位を争う大きさらしい。それだけ人がいるから、お金持ちも多いそうで、ゴルダルってのはこの街を治める貴族の名前だそうだ。
そして、ゴンゾウが言っていたギルドとは、大体の戦士や魔術師がそこで誰かがお願いした色々なクエストを受けて、クリアすると報酬が貰えるという、いわゆる何でも屋みたいだ。
そこまで聞いて、俺は再びゴルダルの街に向かう事にした。ゴンゾウには
「それじゃあ毎日剣の素振りを8000回。慣れたら徐々に増やしていってくれ。それと、睡眠は3時間。食事はたくさん取って、腕立て腹筋500回を1セットとして1日3セット。わかった?」
「うぐっ。そんなにきついんですかい?!」
「なんだ?破門にしてやってもいいぞ?」
「精一杯やらせて頂きます!!」
そんな事言って無理やり押し付けた。俺がやってたのはもっと楽なんだけどな。
♢
くそ。魔物が多いな。
何故か街に近づくにつれて魔物が多くなっていく。森の奥深くほど魔物は強くはないが、それにしても普通ではない。
はあ、あまりここで体力は使いたくないんだがな。
『ねえ。さっきのゴンゾウどうしたかったの?』
少し邪魔になって大剣をスキル『収納』でしまってゆっくりと歩いていると、いきなりミルルが笑いながら話しかけてくる。
「い、いや?別に何にもしようとはしてないけど?」
『嘘つけ~。ちょっと殺そうとしてたでしょ?』
「・・・・・・心読むなよな。しかし何だろうな。こんなにも簡単に殺すとか考えられるほど心強くなかった気がするんだけど」
『そりゃあね。私のせいというか、私のおかげというか』
「ミルルのおかげ?」
『うん。まあ、少しめんどくさいけど話すね。前にイフくんの容姿は私と似ているって言ったことあったでしょ?それとも通じる話なんだけどね。まず、私とイフくんがどうしてこんなふうに繋がってるかって事。それはね、イフくんと私の魂がくっついてるからなんだよ。少し話は変わるけど、闇魔法に魂を抜く魔法があるのね。その魔法の発動条件は、「相手を絶望させること」なんだ。絶望することによって魂と体の繋がりが弱くなってしまうの。それで、イフくんは、十年前にお父さんとお母さんが目の前で殺されたから、その事に絶望した時に丁度魂のまま、さ迷っていた私が入っちゃったってわけ』
「・・・・・・でも、魂はそんなに何個も体に入れるもんなのか?」
『そう!そこなんだよ!何故かイフくんの魂には穴が空いてたんだ。そこに私の魂が入ってしまったの』
「穴?」
『そう。多分私の推測なんだけど。イフくんは前世は集団転移でここに来たんでしょ?それで、イフくんだけここに来たってことは、君だけあぶれちゃったってこと。それで、前世からこの世界に魂が渡る時に、何らかの理由で魂に穴が空いちゃったんだと思うの』
「なるほどな。それで?なんで俺の思考がミルルのおかげなんだ?」
『魂っていうのはね。その人の全てを象る核なんだよ。脳が物事を考えるって言われてるけど、脳も中間地点に過ぎない。全ては魂が記憶して、魂が判断するんだ。もちろん体の形も記憶しているから、イフくんの体は私の体に似てしまって、思考も少し私よりになってるんだ~』
「全てお前のせいってことか」
『・・・・・・』
「おい!何とか言えよ!」
そんなこんなで騒がしく歩いていたが、ゴルダルの街にはなかなかつかない。
少し日も傾いてきて、どうやら今日は森で野宿することになりそうだ。
そう判断した俺は、スキル『収納』に入っているリュックを出して、中から折りたたみテントを出す。
もちろん普通のテントではなく魔法道具だ。四角い板を置くだけで六畳位の大きさのログハウスが出現する。
このような四角い板に召喚魔法を刻んで、どこでも召喚できる板の名前を「フォーアラー」という。
このフォーアラーはかなり有能な魔法道具で、二階建てでキッチン付きのログハウスだ。家にあったのを持ってきたのだが、かなり高価なものだと思う。なんでこんな物が家にあるんだろうな。
『そんな事より早く入ろうよ!!』
そうだな。
そう返事をして、考えている事を一旦消去してから、中に入る。
中は、かなりしっかりしていて、大きなソファーやフカフカの絨毯が敷いてある。今夜はゆっくりと休めそうだ。
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これから毎日一本投稿します。出来たらいいな。




