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ニートが2つの世界を救うには  作者: 黒犬 そら
4/8

早めの帰省


……ん。



いつものじめっとした部屋のにおい…?パソコンが動いている音が聞こえる。



「あれ…?ここって…。」



さっきまで女神と話していたはずが現在地は慣れ親しんだいつもの場所。黒川邸だった。



「もしかして。これってものっっっすごい恥ずかしい展開だったりする?あの最低とかなんとかぼやかれる夢オチってやつ?」



現実世界よ!バイバイ!新しい自分に生まれ変わるよっ!といった自分の中の決意表明を思い出し、身体中から冷や汗が流れ出ていた。



「やばいやばいやばいやばい…。高校サボって家にいる間にこんなに痛い子になっていたのか俺は…。」



寝言を口にしていたかもしれない…ッッ!



普段の生活を考えて誰も部屋のなかにいないはずだが、そんな冷静に考えることもできず、自分の黒歴史を広めないため…、ただその一心で周囲を見渡す。

しかしそこにはいた……。



「ッッッッ?!あ…あああぁぁあ…綾香?!」



決して部屋からは出る筈のない、難攻不落の城で生活しているはずの黒川綾香…。妹が自分の横でスースーと気持ち良さそうな寝息をたてていた。



「ね…寝てる…よな?」



焦りはしたものの段々と冷静さを取り戻していく。それに比例して怒りがこみ上げてくる。



ーーーナンデコイツガココニイル?



気持ち良さそうに寝ている妹の耳にヘッドホンを被せ、そこら辺にあった音楽プレイヤーにつなぐ。自分の持っている曲で最もロックと思われる曲にカーソルをあわし、音量をMAXに上げる。

そして…放った!



ガガガガガガガガーーーーッッ!!



ヘッドホンをしている筈の妹の耳から近所迷惑なほどの音もれが起きる。曲を流した瞬間妹の体がビクビクッッ!と波打った気がしたがすぐに動かなくなった。



「しまった…。嫌がらせを兼ねて起こすだけのつもりだったのに…。完全に意識が飛んでしまったな。」



すぐに音楽プレイヤーをとめ妹をベッドに運び目を覚ますのを待つことにした。



ーーーー10分程経ったところで妹が目を覚ました。



「ようやくお目覚めですか?」



あれ…。くらくらする…。周りがふにゃふにゃして何が起きているのか…。確かパソコンで新しいゲームをしようとして…?



情報を集めるため虚ろな目を精一杯動かしてみる………と…。



「ふにゃあっっ!」



彼女の頬がりんごのように赤く染まっていく。



「わたしがにいさんのへやにいてべっどのなかにはいっていてにいさんがめのまえにいてててててててててててーーーー…。

事後?」



「なんでそうなるッッ?!」



対照的に彼の顔は青ざめていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「っと、言うわけで全部誤解だ。俺がお前のことを襲うわけないだろう!」



妹はまったく信用しようとしていない。



「なにもしていないのは分かったけど、なんで眠っている私を自分の部屋に連れ込んだのさっ!こればっかりは言い訳させないよ!私の純潔を…私の…じゅ・ん・け・つ・をッッ!!」



「とりあえずお前は廊下に出ろ!」



俊は焦っていた。もしあの夢のことを妹に話すと流石に兄としての尊厳が無くなってしまう…どころか弱味を一つ握られてしまう…ッッ!!

急いで妹の首根っこを掴んで廊下に放り投げる。そして…嘘をつくことにした。



「いっとくけどな!お前の方から夜這いに来たんだからな!この思春期の淫乱娘が!お前は自分がこの件について優位に立っていたつもりらしいがまったくの逆だ!」



収まっていた彼女の顔がまた赤くなっていく。



「ばっ、ばかっ!!そんなわけないでしょ!あんたみたいな引きこもりニートのところになんて理性なんて無くても体の拒否反応だけでいけなくなってるわ!」



「なに言うんだよ。このばか妹は…。」



口論になりながら廊下を出ていく。



「ばか妹!お前中心に事が動いていると思うなよ!この自己中やろう!今回の被害者は俺なんだよ!」



ぺたっ ぺたっ ぺたっ ジュウワァァァッッ!



「だいたい、兄さんはいつもそうだ!自分の都合ばかり考えて……って、どうしたの兄さん? そんなに青ざめた顔をして。 ようやく妹の偉大さに気づいたか!」



ぺたぺたぺた…。ジュウワァァァ。




何か聞こえる…。



ぺたぺたぺた…。



その音は明らかに大きくなっていた。



おいおいおいおい…母さんは仕事だろ?父さんは出張だろ?空き巣がこんなに音をならして入ってくるものか!とんだけドジなんだよ…。



そんなことを考えて現実逃避に耽ろうとしていたときに…そいつは現れた。



「おいおいおいー♪今なら許してやらないでもないぜ?お兄さんよぅ?」



「ッッ?! おいッッ! 黙れ馬鹿引きこもり! この音に気づいてないのか?! 後ろだよッッ!う・し・ろ!」



「引きこもりって! 兄さんも言えた口じゃないだろ! 何だよ後ろって……。」



「キシャャャャャッッ!」



理科の教科書でも生物図鑑でも見たことがない、紫色のドロドロヌメヌメした体で、巨大な四肢をブンブンと振り回して歩く四つん這いの何かがそこにはいた。



「………………。」



「………………。」



二人はいつになく冷静で、かつ互いに敬う顔で頷き合い……



ドタドタドタドタドタドタッッーーーーーー!



一つのドア目掛けて一斉に走り出した。



兄が先にドアにたどり着き妹をおいてドアを全力で閉める。



ガタンッッ!



妹の足がドアの隙間に滑り込んでくる。



「兄さん!こう見えて本当は、兄さん格好いいなぁって毎日思ってるんだぜ?その格好いい姿見せてくれよぉぉぉッッ♪」



「妹よ。兄さんはお前の運動神経だけは買っているんだ。お前が大好きな兄さんのために一つあの化け物の劣りになってみたらどうだぁぁぁッッ!」



「本当にヤバイって!死んじゃう!私死んじゃう!」



火事場の馬鹿力というやつだろうか?もの凄い力でドアを開け、妹が部屋に入ってきた。



「はぁーーー!助かったぁ。」



「何安心してんだっ!早く鍵かけろ!」



急いで鍵をかけ、セーフティゾーンを確保した。



「にしてもなんだよ…あいつ。」



考えに耽って見る。



おいっ…。待てよ。これって俺の黒歴史(仮)にそっくりじぁないか?そういえばあの女神。家の警備をしろとかなんとか言っていたよな…?



考え込んでいると聞き覚えのある女性の声が部屋に響き渡った。



「おーーー。まだ生きてるかー?ニートの諸君!」



妹が頭を抱えて怯えている。あーーー。そういえばこいつ寝ていたから初対面なんか。



「みんなーー!戦っているかーー!みんなの実力を試すために試験をさせてもらうよ!」



「おいっ!試験ってあんなんに勝てるわけないだろ?!」



「勝てる勝てる!皆なら勝てるよ!」



「それに今試験っていったか?あの気持ち悪いやつって魔王が召還するんじゃないのか…?」



「イヤイヤイヤ…ケッシテニートヲユウシャニシヨウトシテイタノガマオウニバレテソレゾレノイエニショウカンサレテシマッタカラアワテテミンナヲオクッタトカ…、ソウイウノジャナイカラ。」



こいつ全部吐きやがった。



とりあえず、ドアはギシギシ言っているもののまだ突破されそうにない。手っ取り早く今の状況を綾香に説明する。



「そんなの聞いてない?!やだよ!いざ自分が戦うなんて!死ぬかもしれないじゃん!あんなのファンタジーじゃん!」



「聞いてないって、お前はずっと寝てたんだよ?!」



っと言ってもこの馬鹿が言っていることも一理ある。



「おいっ、どじっ子女神。こいつの言うとおりあいつに勝つ手段がないんだが…?」



「その口塞いでやろっか?二度と話せないようにしてやる。」



普段職場でも言われているのかどじっ子への反応が尋常じゃない。



「そんなことより、どうすればいいんだよ?」



「はっ?武器やら防具やら配ったろ?ゲームに入った勇者にはみんなに配るサービスの。」



「まだ配ってもらってないぞ?」



「……え?」



だめだこいつ…、なんだこのちんちくりんは…。本当に忘れてやがった。女神ってもっとなんでも出来る優しい存在じゃなかったのかよ…。命綱をそもそも渡さないって。



「あははー!ごめんごめん!成る程ねー!そういうこと。フンフン。だから何人か死んでいたのかー。」



「おいっ?!お前今何て言った?!」



「んじゃ、配るよー。」



部屋の天井が明るく光、魔方陣が描き出される。そして、相棒になるべくものが二つ落ちてくるのだった。











文章が下手くそ、支離滅裂。どうか指摘してやってください…。

投稿頻度はバラバラです。

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