~はじまりの詩(うた)~
東を統べるは春の王 鳥は歌うよ 花咲く甘い香りの春の国
西を統べるは秋の王 実り豊かな 金の草原麦の香る秋の国
南を統べるは夏の王 煌めく太陽 濡れる青葉の香る夏の国
北を統べるは冬の王 氷に覆われ しんしんと雪降る冬の国
僅かに残る中の国 住まうはか弱き人の子ら
魔力も持たず 短き命 子だくさんの人の子ら
一人の人の子旅に出て 精霊たちと契約す
清く美しい4人の娘 花嫁衣裳を身にまとい
4人の精霊王が待つ国へ 精霊たちの祝福を受け
春・夏・秋・冬の女王となる
精霊たちと契約せし者 人の子らの王となり
中の国の真ん中に 天まで届く塔を建てる
精霊王たち4人の魔力 集まり輝く四季の塔(Le quattro staigion)
女王様のお帰りは年に一度3か月
かわるがわる四季の塔(Le quattro staigion)へ
輝く塔に体を残し女王様は風になる
風の精霊引き連れて世界中を廻るよ廻る
廻るよ廻る季節が廻る 世界に季節が廻りだす
こうしてか弱き人の子は
東西南北各地をめざし中の国から旅立った
中の国の王都には 今も王の子供らが住む
人の子王 精霊王との契約者 塔の守り人
精霊王との契約から時は流れ
各地へと散っていた人の子らの子供たちはすっかり精霊たちの存在を忘れ、精霊たちは詩に残る伝説や昔話の中だけのものとかしてしまっていました。
王都に住む人の王は今も四季の塔の守り人ととして季節ごとに女王を迎えていましたが、今や各地へとちっていった人の子の子孫の中には「はじまりの詩」をも忘れあらたに東西南北の端に築かれた町や村ごとの精霊伝説のみ伝わっているような小さな集落も点在しています。