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機械仕掛けと護衛の王  作者: 杉下 徹
終章  凡俗
60/67

5-2

「チャイ・ラッセルです! の、ノーラさんにお会いできて、光栄であります!」

 挨拶ついでに、と朝食を俺達と共にする事になったノーラに対し、ノヴァはガチガチに緊張した様子で敬礼をしてみせた。

「あはは、固いなぁ。シモンの同級生なら、私とも同い年なんだし、もっと気楽な感じでいいのに」

「そういうわけには参りませんです、はい!」

 ノーラのファンを以前から公言していたのはどうやら本当だったらしく、チャイはこれまでに見た事が無いくらいに落ち着きを失っている。

「シモンの親友の、クライフ・クライムです。どうもよろしく」

「おお、親友! シモンにもやっと親友ができたかぁ、私は嬉しいよ!」

「俺もいつの間にか親友ができてたみたいで、嬉しい限りだ」

「本人はこんな事言ってるけど、本当に親友なんで。少なくとも、友達ではあるんで」

 一方、クライフはそれほど緊張した様子は無く、普通に友人の友人と接するような距離感で会話を進めていく。

「ノーラさんとシモンは、どういう関係なんですか?」

「一言で言えば、幼馴染! 色々付け足すと長くなっちゃうから、その辺は追い追いで」

「なるほど、幼馴染。それにしても、仲が良さそうですね」

「えっへっへ、そう見える? 実際に仲良いからね!」

 オルゴも少し緊張してはいるようだが、あくまで常識の範囲で無難にやり過ごす事は出来ている。

 ノーラが浮かれたように上機嫌な事もあって、五人での朝食の席は比較的和やかな雰囲気を保っていた。

「残りの二人にも、後で挨拶しに行こうと思うんだけど、大丈夫かな?」

「それなら俺も行こう、お前が一人で行っても微妙な感じになるだろうし」

「って言うか、皆で行けば良くね? どうせ顔出すつもりだったし」

 この場にいない残りの二人、ヒースとノヴァは、負傷の為に近くの病院に搬送され、今も入院したままだ。ただ、傷の深かったヒースでも、命に別状は無く、後遺症も残らないだろうと昨日の内で判明しており、皆それほど心配はしていない。

「しかし、昨日のノーラさんはすごかったですね」

 その話題に踏み込んだのは、オルゴだった。

 昨日、救世主のように現れたノーラの活劇に言及するのはある意味必然の事で、オルゴに落ち度は何も無い。だが、あの時の事を、それに至る過程を語るのは、せめてノーラと二人の時であってほしかった、というのはきっと俺のエゴなのだろう。

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