片翼の双子
この作品を書き始めたのは6年ほど前、書き終えたのは3年ほど前だったと記憶しています。
ひたすら思いついてはノートに書き留めということを繰り返し、完成させたのはいいものの、誰かに読んでもらう勇気がなくて、机の本棚に埋もれていました。
ファンタジーが大好きでいつか自分も小説を書いて多くの人に読んでもらいたいと思い、大学4年間小説の書き方も学べるところに通っていました。それなのに今までどこに投稿することもなく、ただ自分の中だけに留めていました。
今回投稿を決めたのは、ようやく決心がついたからです。私がずっと書きたかったことのすべてが入ったこの作品を、たった一人でも読んでくださる方がいて、少しでも面白いと思っていただければ、それ以上の喜びはありません。
週に一話投稿することを目指して、必ず完成させます。
長文、駄文ではございますがどうかお付き合い頂ければ恐悦至極でございます。
それは、気の遠くなるほど昔の話。
ある星に、一つの世界が誕生した。そのまだ名もなき世界には、ひとりの龍が住んでいた。
龍は、ありとあらゆる命を生み出し、育み、そして護り続けた。
そこに住む生き物たちは皆、その龍のことを、畏れと敬いそして親しみを込めて、祖龍と呼んだ。
そして数千年後、この世界に誰も予想しなかったことが起きた。
突如別の世界から、天使と呼ばれる生き物とドラゴンと呼ばれる生き物が大挙としてやってきたのだった。彼らはいくらも経たないうちに争いを始め、殺し合い、この世界は大きな混乱に包まれた。
彼らの持つ力は凄まじく、多くの命が滅亡寸前まで追いやられ、美しかった世界は荒れ果ててしまった。唯一の希望であった祖龍はあと少しの所で争いを止めることができなかった。
そしてこの世界から姿を消し、争いを止める術は失われた。
それから二千年の月日が経ち、天使の長の元に二人の赤子が生まれた。
彼らが後にこの世界を大きく変えることになる。
これは、天使の双子と、その従者の物語。