プロローグ その3
うかうかしていたら、日をまたいでしまった…
すみません<(_ _)>
家を出て、最寄駅まで十分。家の最寄駅から学校の最寄駅まで二十分。
学校まで長い坂を上り歩いて行くこと十五分。校門に着くと守衛さんがいた。
「おはようございまーす」「おはよう、はやいねぇ」
軽く頭をさげ挨拶をし、昇降口で上履きに履き替え教室を目指す。
この学校は中高一貫校なので一階が中1、中2。二階が中3、高1。三階が高2、高3となっている。
俺の教室は二階の1年5組だ。だから昇降口から少し距離があるので、いつも時間ギリギリで登校していると廊下でチャイムがなることもある。
だが今日はその心配もないッ!!
さぁ、いざ初一番乗り!!
と思いきや、中には一人、本を読んでいる人がいた。
その人の姿に一瞬見入ってしまった。
中にいた一人とは、学年一、いや学校一美しいと謳われる涼風 夏葵さんではないか!(そして初恋の…… なんでもないや)
うん?あれ?確か涼風さんってお隣の6組じゃなかったっけ? そうだ、6組だったはず。なんでここにいる…
「ねぇ」
っ!! はい。なんですかね?呼ばれた気が…
「ねぇってば」
あれ、呼ばれたなあ。誰だ?誰って、俺以外にもう一人しか… てことは…
「はい、はい!なんでしょう、なんでも聞いてくださいな、俺はこの5組の者ですので!名乗らせて頂くと、信条 隼っていいます!」
「少し静かに。 それに私は君を知っている。」
うるさかったです、反省してます……
えっ、ていうか知ってるの!マジか!やったぜ、たぶん名前だけって意味だろうけど…
それでもいいや!!
「それでどうしたんです?」
「タメでいい。 それでこの手紙あなたも持ってる?」
俺は涼風さんから手紙を受け取り、内容をみると、
『未来を望むなら1年5組朝一番で待つがよい』
と書いてあった。
手紙の内容がとても変わっている。悪く言えばおかしい。そしてその手紙通りに来る涼風さんもどうかと思うけど……
しょうがない、俺が見守っておこう。(べ、別に一緒にいたいからじゃないんだからねっ!)
とりあえず、「持ってないよ」とだけ答えた。
涼風さんは「そう」といって再び読書を始めた。
そんなこと俺に聞いてどうしたんだろうか、と思っていると教室のドアが開き、喋り声が聞こえた。
「ふぅ、ついた~」「何かあるのか?」「結局、来て、しまった…」
「これってなんだろね?」「さぁ?」「とりあえず入ろう!」
まだ登校してから五分くらいしかたっておらず、まだ、いつも早く来る人が登校する時間ではないというのに、この部屋に、さらに6人も増えた。
今日珍しく超早く家を出て、まだ先生しかいないはずの学校に来たというのに、もうこの教室に8人集まっており、しかも5組の人は俺だけしかいないし、今入ってきた人たちは皆無に近いほど喋ったこともない人ばかりで、そもそも接点がない人もいる。
ここにいる人がこの教室に集まったのは、さっきの謎の手紙のせいなのか?
けど普通あんな宗教みたいなあやしい手紙の内容は信じないだろう。
やっぱ、なんかおかしいと思う。考えてみても、とても変な状況だ。
俺は嫌な予感がした。
直後、頭の中にぼんやりと一面真っ黒の空間の”鮮明”に光景が浮かびあがる。
っ!!これは過去視か? なんで今…… しかも、いつもと違って鮮明だ…
そう考えている瞬間に、急に別の光景に変わった。
一人の少女が何本もの槍のようなものに刺され、血が滴っている光景に_____
「!!…うっ、ぐッ!」
次の瞬間、吐き気がこみ上げ意識が薄れる。
そして光景はすぐ消え、代わりに視界全体が光に包まれていき、俺は自分の闇の中へとおちて行った。
アドバイス、誤字脱字があればご指摘ください!
次は一話!!