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ひとつばかりの星  作者: マッキー
7/11

幻の絵本


「が、あなた方の事を先に教えてほしい」

『……お前は人の心理が見える奴だと思っていたんだが……そうじゃないのか』


少女はそれに首を振る。


「見える。何を考えているのか……どう思っているのか……。けれど、あなた方の事は何故かうまく見えない。もしかしたら想いが共鳴し合う者の心理は見えないのかもしれない……」




イクは静かに息を吸い、自分達の事を少女に話始める。

『僕はイク・グラウド。言っとくけど宇宙人じゃない。妖人ようじんの吸血鬼。鬼族きぞくだ。それで、あっちの金髪はナル・サルコス。同じ鬼族の鬼械龍で手が器用だから機械も作れるは操縦も出来るしどんなに細かいことでも手だけでこなす……好物はバナナオレ。貯金を渡したら大体はバナナ関連になると覚えとけ』


ナルはそれにギグッとさせる。


『僕らは宇宙人の仲間でも地球人の仲間でも、鬼族のために戦っているわけでもない。僕らは僕らのために戦い、そしてひとつばかりの星を見つけだそうとしている』


「……ひとつばかりの星?」


少女の問いかけはナルが立ち上がりながら答えた。


「三年前、ある幻について書かれた絵本が話題となった。その絵本の題名が、


ー幻の星・ひとつばかりの星ー


その絵本にはひとつばかりの星という幻の星のことについて書かれている。

だがその本の入手方法が謎であった。

そしてこの絵本を入手して読んだと言う者達は全員宇宙へと幻を求めて行く。


そんなにも魅力的な物なのだろうか。


それとも、幻を見つけださなければならない訳でもあるのだろうか……。



嫌に気味悪く、一年前から噂辿りで俺らは幻の星の事を調べ始めた。

イクは寝る暇を惜しんで本と向き合い。

俺は本を手に入れる確率を求めるため長々と計算し続ける。


が、結果は無に等しかった。

さすが幻の星の事を書いた本だ。その幻を求める前に幻の絵本とすら巡り会えない。


イクはまぶたにくまが出来ていた。

俺は頭の中から計算式が離れずにいた。



そんな時、外からどさっと物が落ちる音がして……」

『長い』

「長い」


イクと少女に注意されたナルはえー!っと叫ぶ。

「だってこう……」

『つまりだ』

「……え」

イクが簡単に探し始めた理由を述べる。


『僕らはひとつばかりの星という絵本について調べていた。

そんな時空から真っ白で傷の入っていない本が降ってきた。

それを読もうとしたら眩しく光ってから空へと

飛んでいきながらこう告げてきた。


お前達にとって必要なものを頂いた。

取り戻さなければ体は耐えることができずに張り裂ける。

阻止したければ見つけ出すのだ、ー幻の星・ひとつばかりの星ーを


僕は眠らなくても耐えていられる体を、ナルは頭で考える力を失った。


それで今、こうして宇宙をさまよっている訳だが……全く手掛かり無し』


「え、この説明長くないの?」

「長くない」

「同じくらいじゃ……」

「ない」

ざっくり少女に言われるナル。


『ナルは僕をかばったせいもあって僕より症状が悪いんだ……』

「そ、それかばっているの?けなしているの?どっち!?」

『……僕達の事は話した。次はお前の事を教えてくれ……眠いから出来れば短く……ね?』

「お願い無視しないで!」


少女はイクの方を向いて頷く。


「……俺、泣きそう」

ナルは力なくそう呟いてキッチンへ行き、物陰に身を隠した。



そして少女は静かに息を吸い、こう呟いた。


「私はひとつばかりの星の住人」


その場が凍りついた。

こんばんは!マッキーです♪ヽ(´▽`)/


お待たせしましたの7話です!遅くなりました(T▽T)が、一週間以上かけて練りに練って書いたので、良いものが出来たかなと思ってます((


鬼と少女との絡みが続く一方ですが、とうとう次回新キャラが登場するかも!?


さぁ何人が現れるか?お楽しみに(┃∀┃。)\



短編小説

初恋は白かった


お暇がありましたら読んでいってください♪

連載小説も読み返しなどしていってください♪

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