1-4
着信音を発していたのは宝船のスマートフォンだったようだ。鞄からスマートフォンを取り出した宝船は液晶画面に表示された名前を見る。
「あら、噂をすればお母さんからだわ。もしもし?」
言って、宝船はその着信に応答した。機器を耳に当てた彼女はその母親と会話を始める。
「今? 今は友達の家だけど……うん。あれよ、前に話した……そうそう、萩嶺君。え? 今から? 分かったわ、ありがとうお母さん。それじゃあ……え? た、偶には『お母さん』って呼びたくなるわよ。そういうものなの、べ、別にいいでしょう。じゅ、住所は今からメールで送るから……そ、それじゃあね」
後半やけに早口になっていたようだが――何はともあれ、母親との会話を終えた宝船は通話を切るとスマートフォンでメールを打ち始める。
「何だったんだ? 何か住所とか言ってたけど」
「え? ああ、うん、何か……」
僕の問いかけにそう言葉を返しながらメールを送信し終わった宝船は鞄にスマートフォンを仕舞った。
「お母さん、今からここに来るって」
「マジで?」
突然の話の流れに僕は少し驚いた声を上げてしまった。
「どうしてまた急に」
「ほら、この前の廃工場での一件があったじゃない? それからお母さん、仕事の後で時間がある時は可能な限り私を迎えに来ることが多くなったのよ」
「なるほど、そういうことか」と僕はその場に座り直した。
「お前のお母さん、いい人だな」
「萩嶺君のご両親は、あの一件の後でそういうことをしたりしないの?」
「一応病院にも来てくれたし、心配はしてくれているんだろうけど、基本放任主義だからな、僕の親は。どこで何をしようと間違ったことをしない限りは多分何も言ってこないよ。何度も言ってるけど、何かと仕事を優先する社畜でもあるしな」
「いいじゃない、放任主義。放任主義っていうのは、基本は何も子供に干渉しなくて放置しているように見えるけれど、それは多分信頼の裏返しみたいなものだと私は思うわ。萩嶺君のご両親もあなたのことを信用しているから、そういう育て方をしているのではないかしら」
「なるほどねえ……」
宝船の言葉に納得しつつも僕は半信半疑であった。あの両親がそこまで深く考えているとは到底思えなかったからである。信用されていない――とは思っていないが、仕事を優先し続けた結果が今の状況なのではないかと僕は考えている。いや、考えているだけで本気で両親に対してそう思っているわけではないが。仕事が好きなのは仕方がないし、僕も僕で好きにやらせてもらっているので、両親に対しては不満もないし、少なくともこちらはあちらを信用しているのだ。
「……そう言えば」
徐に話を切り出した宝船はテーブルの上に置かれたコップを手に取るとそれを自らの口に傾ける。元々飲んでいた途中だったその少量の麦茶を飲み干した彼女はコップを元の位置に置き直した。結露してコップの表面に付いた水滴が流れ落ち、テーブルのその一か所だけを水浸しにしている。
「……萩嶺君に、1つ質問があるのだけれど」
「質問? 何だ?」
「萩嶺君は……夏休みとか、どうやって過ごしているのかしら」
その質問の内容はごく普通のものだったが、何故か宝船はどこか聞きにくそうに僕から視線を逸らした。
「夏休み? まあ、普通に過ごしてるけど」
「普通と言うと……あれかしら。海に行ったり山に行ったりするのかしら」
「は? それのどこが普通なんだよ。普通と言えば、家に籠って冷房の効いた部屋でアニメを観たりゲームをしたりするインドアライフのことだろ」
「萩嶺君、それは普通とは言わないわ」
呆れた顔を浮かべて僕をそう諭してくる宝船。
「何だって? それじゃあ、他の奴等は一体全体何をして夏休みを過ごしているんだ?」
「私がさっき言ったようなことよ。友達と一緒に海やプールに行って泳いだり、山に行ってキャンプをしたり、アウトドアな時間を過ごしているらしいわ」
「え? それって、二次元の世界の中で主にイケメンや美少女を中心に起こるイベントじゃないのか?」
「……萩嶺君」
「はい」
「現実逃避を止めなさい」
「くっ……!」
そう、宝船の言う通りだ。
僕はきっと現実逃避をしていた。
二次元の世界に籠って現実世界の光景をシャットアウトしていたのだ。
アニメやゲームやラノベや漫画――それらの中で起こっている出来事と同じように、他の奴等が海や山に出かけて俗に言うリア充ライフを送っているという事実を考えないようにしていた。知らないふりをしていた。気付かないふりをしていた。
いつからだろう。
こんなにも――卑怯な人間になってしまったのは。
「何を無駄にシリアスモードに入っているのよ萩嶺君は」
宝船に一蹴されてしまった。折角の雰囲気が台無しである。いや、オタクが世のリア充に対して嫉妬しているシチュエーションなど台無しどころか粉砕してしまって構わないが。
「……それで? お前はどうしてそんなことを僕に聞いたんだ?」
「萩嶺君のその嫉妬心を煽って心の傷を抉るためよ」
「最低だなお前!」
「というのは冗談で。まあ、かく言う私も萩嶺君と同じように夏休みを過ごしているし」
「お前も同類じゃん」
「黙りなさい引きオタク」
「引きニートみたいに言うな」
ていうか、今のやり取りからするとお前もその引きオタクとやらに分類されてしまうのではないのか。
「それで、私が萩嶺君に夏休みの予定を聞いたのは、折角私達友達になれたのだから、夏休み中に何度かあなたと遊ぼうかなと思ったからよ。萩嶺君がどこかのイベントに行ったり、躑躅森さんとどこかに出かけたりして夏休み中忙しいのなら諦めようと思っていたけれど……まあ、その返答の通りなら大丈夫そうね」
「そういうことか。夏休み中は基本暇だから大丈夫だと思うけど」
「躑躅森さんからはどこかに行こうと誘われないの? 彼女ならあなたをそれこそ海にでも山にでも誘ってきそうだけど」
「一応毎年誘われてはいるんだけどな、僕が休みの日に態々外出しようと誘われて首を縦に振ると思うか?」
「思わないわね」
完膚なきまでの即答だった。流石は最近何かと僕と一緒にいることが多い宝船である。僕という人間がどういう人物なのか理解してくれているようだ。
「有り難いことに、彩楓は毎年僕を誘ってきてくれるんだ……まあ、僕が断ることを前提としているみたいだけど。一応誘っている感じかな、結局は事前に約束していた彩楓自身の友達と出かけているみたいだし。毎年誘ってくれる彩楓には悪いんだけど、外は暑いし、夏だから海は人多そうだし、行く前から既にモチベーションは地面擦れ擦れを低空飛行してしまっているわけなんだよ」
「とても分かるわその気持ち。山にキャンプに行くにしても、山道登るの辛そうだし、森の中は虫が――特に夏は蚊がいっぱいいるし、行く前から行く気力を削がれるわよね」
「そうそう、全く以てその通りだ」
と、そんな感じで互いの意見に対して僕達が互いに納得の頷きをしていた時だった。どこからともなくバイクのエンジン音が聞こえ始めたのである。段々と大きくなり始めたその音は僕の家の近くで最高潮に達した後、ブレーキと共に発せられたであろうタイヤの軋む甲高い音に呑み込まれて消えた。今の一瞬の出来事が嘘のような静寂の中、僕が呆然としていると不意にインターホンが家中に響き渡った。
「多分お母さんだわ。意外と早かったわね」
言いながら立ち上がり玄関に向かおうとする宝船。そんな彼女を見て一度宝船を引き留めようと僕もその場に立ち上がった。
「ちょっと待った。本当にお前の母親かどうか、先に僕が確認するよ」
「それは有り難いけれど……萩嶺君、私のお母さんの顔知らないじゃない」
「それはそうだけど、まあ、玄関の覗き穴みたいな奴から怪しい人物かどうか確かめるくらいは出来るし、いざという時のためにお前は玄関から少し離れていた方がいい」
「確かに一理あるわね。それじゃあ、お任せしようかしら」
「おう」
僕は玄関へと向かい、その扉の前に立つ。後方のリビングの入り口の陰で宝船がこちらの様子を伺う視線を背中に感じながら、僕は玄関扉のその小さな穴から外の様子を覗き込んだ。
玄関扉の前に立っていたのは漆黒のライダースーツを身に纏った人物だった。その人物の顔は黒いヘルメットで隠れていて見えなかったが、ライダースーツの上に浮き出た体のラインからおそらくこの人物は女性だろうか。予め僕が確認をして良かったということか。どこからどう見ても、この人物は宝船の母親には見えない。いや、先程も彼女と話した通り、僕は宝船の母親の顔を知らないし、そもそもこの人物は頭にヘルメットを被っているわけだが。
「……萩嶺君、どう?」
後ろから宝船が小声で問いかけてきた。玄関扉越しに立つその人物が素手で武器のような特に怪しいものを持っていないことを確認しながら僕はその問いに応答する。
「いや……何か物凄く怪しい奴が立っててさ?」
「え? そうなの? どういう人?」
「何か……上から下まで真っ黒の、ヘルメットとライダースーツを着た女の人なんだけど」
「ああ、それ多分私のお母さんだわ」
「は?」
予想外の言葉に僕は素早く後ろを振り返る。宝船はリビングの入り口の陰から出るとこちらに向かって歩き出した。
「え? お前の母親こんな感じなの? 何かどこぞの池袋在住のデュラハンみたいな感じの人なんだけど」
「そうなのよねー。仕事は大体遅くなるから、夜に真っ黒な格好は危ないって前から言ってるんだけど……」
呆れ顔を浮かべた宝船は溜息交じりにそう言うと玄関扉の覗き穴に目を近付けた。
「あー……うん、これはお母さんだわ。大丈夫よ、開けても」
「マジかよ……それじゃあ、開けるからな」
宝船の言葉に半信半疑ながらも玄関扉のロックを解除し、僕はその扉を押し開ける。玄関扉という名の壁が取り払われ、その漆黒の人物と僕らを隔てるものはなくなった。間近で見るその人物は、覗き穴から見た時よりも不信感、そして、迫力が増しているようにも思える。ていうか、本当にこの人物は宝船の母親なのか。やはり、玄関扉を開けるべきではなかったのでは――。
「いい加減その怪しい格好を止めてって言っているじゃない」
「仕方ないだろう。私は黒という色が好きなんだから」
…………。
僕の心配も空しく普通に会話を始める宝船とその漆黒のライダー。どうやら、本当にこの人物は宝船の母親らしい。
「ところで……アンタが萩嶺直斗君か?」
「え?」
急に話しかけられたので少し驚いてしまった。漆黒の人物――もとい、宝船の母親からの質問に僕は頷きながら答える。
「あ、はい。そ、そうですけど」
「……そうか」
その一言だけを呟いて、宝船の母親は僕のすぐ目の前まで歩いてきた。宝船の母親なだけあって、女性にしては割と身長が高い彼女を僕は見上げる。漆黒のヘルメット越しに見つめられているため、宝船の母親がどんな表情でどんな感情を抱いているのかが全く分からない。ひょっとして、こんな夜遅くまで宝船を僕の家に滞在させていたことに対して怒っているのではないだろうか。現状、宝船は誰かから狙われている身である。だとすれば、その怒りは妥当というものだ。
宝船の母親の体が動く。
僕に対して怒りを感じているのならば、その感情を素直に受け入れて――。
「……え?」
宝船の母親が起こした行動の結果に僕は唖然とし、真っ暗になった視界の中で怪訝な声を漏らす。暗闇に包まれた視界は僕が宝船の母親に殴られたショックによるもの――というわけでは勿論なく、それどころか、彼女は僕に怒りの感情をぶつけることはなかった。宝船の母親は無言で僕を優しく抱き締めたのである。僕の視界が暗闇に包まれているのは、僕の顔が丁度宝船の母親の胸の位置にあって、顔面がライダースーツ越しに胸に埋まっているからで――。
…………。
え?
「え? ちょっ、あのっ」
現状を理解した僕はジタバタともがいて、その場から逃れようとする。何で僕は今友達の母親の胸に顔を埋めているのだ。ていうか、宝船の母親なのに胸が大きい――って言っている場合じゃなくて。
「ありがとう」
耳元で発せられたその言葉に僕は思わずもがくのを止めた。
「ずっと……アンタに、この言葉が言いたかったんだ」
「……僕に、ですか?」
「ああ、そうだ。アンタにだよ、萩嶺直斗君」
僕を抱き締めたまま宝船の母親はこう続けた。
「璃乃を……私の娘を助けてくれて、本当にありがとう」
「……どういたしまして――って言いたいところですけど、僕は何もしていませんよ。してないって言うか、出来なかったんですけど……結果的に僕は巻き込まれただけで、本当に僕達を助けてくれたのは、僕の幼馴染です」
「……なるほど。どうやら、アンタは璃乃から聞いていた通りの人物らしいな」
「確かに結果はその通りだっただろう」と宝船の母親は僕の体を解放すると、こちらを見下ろして言う。
「だが、時には結果じゃなくて過程が重要な時もある。だって……アンタは、璃乃を助けようとしてくれた。璃乃が助かったっていう結果だけが大事なんじゃない、璃乃を助けようとしてくれた――その気持ちも大事で、私にとってはとても有り難いことだ。実際、あの場にいなかった私には何がどうなったのかは知らないけれど……きっと、アンタが璃乃を助けようとしたことで、この結果が――璃乃が助かったという結果が生まれたと私は考えている」
「だから」と宝船の母親は僕の頭にポンと手を乗せた。
「アンタは、私に胸張って『どういたしまして』って言ってもいいんだよ、萩嶺直斗君」
「…………」
僕があの場に駆け付けたことで結果的に宝船は助かった――か。
そういう風な考えは少しも思い付かなかった。
僕は『宝船が助かる』という結果の過程の一部にでもなれていたのだろうか。
その歯車の一つにでもなれていたのなら――僕は。
「……どういたしまして。……それから」
漆黒のヘルメットを真っ直ぐに見つめて僕は言う。どこか心が洗われたような気分を感じた僕の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
「……ありがとうございました」
「お取込み中申し訳ないのだけれど」
いつの間にか僕の隣に立っていた宝船は言う。彼女の表情とその声色には不機嫌そうな感情が込められているように思えた。
「2人とも、そろそろ離れてもらえるかしら?」
「どうした璃乃。彼氏を私に取られそうになって妬いているのか?」
「は、萩嶺君はただの友達だから。ていうか、妬いているとかそういうことではなくて、自分の友達と自分の母親が抱き合っているという光景を見ているのが辛くなっただけよ」
「何だ、そういうことか。確かに私は今萩嶺君を抱き締めたが、胸の脂肪が邪魔をして、余りその現状に対する実感が湧いていなかったみたいだ」
「それは遠回しに私に喧嘩を売っているのかしら?」
「喧嘩は同レベルの者同士でしか起こらないものだ。私とお前では胸部に差がありすぎる」
「くっ……!」
怒りで拳を震わせている宝船だったが、どうやらこれ以上はぐうの音も出ないようだった。しかし、流石は宝船の母親だけあって彼女の扱いに慣れている。見ていてとても参考になる切り返しだ。今後の参考にさせてもらおう。
「そう言えば、僕1つ聞きたいことがあるんですけど」
「ん? どうした、萩嶺直斗君」
「さっきからずっとヘルメット被りっ放しですけど……首から上ってあるんですか?」
「は?」
ヘルメットの奥から怪訝な声が聞こえてきたと同時に宝船のチョップが僕の脳天に振り下ろされた。
「痛いじゃないか、何をするんだお前は」
「それはこっちの台詞よ。人の母親にどんな質問をしているのよ萩嶺君は」
「いやいや黒いライダースーツを着た女の人だぞ? ヘルメットの色は違えど、ひょっとしたらデュラハンだっていう可能性を普通は感じるだろ?」
「普通の人はそんな可能性微塵も感じないから。大体、母親がデュラハンなら、私もデュラハンじゃないとおかしいじゃない。いや、そもそもデュラハンが子供を産めるかも知らないのだけれど」
「お前は首の代わりに胸がないんだろ?」
「待ちなさい。それは色々とおかしい」
「胸を探しにこの町に辿り着いたって会った時に教えてくれたじゃないか」
「言ってないから! 私のこの胸の小ささは生まれつきよ! ……何か自分で言ってて悲しくなってきたわ」
宝船のメンタルにブーメランが刺さり、彼女が愕然としたところで、宝船の母親が笑いを堪えきれずに噴き出す音が聞こえてきた。
「……私、自分の母親にまで胸の大きさを笑われてしまったらもうどうしようもないのだけれど」
「え? ああいや違う。違うんだ璃乃。それで笑ったわけじゃない。ていうか、お前もまだまだこれからだろう。時間が経てば、自然と大きくなるさ」
「……お母さん」
「まあ、高校くらいになると成長期も終盤と聞くけどな」
「…………」
「いや、でも高校生からが本番とも……ってあれ、どうした璃乃?」
元々ブーメランが突き刺さっていたメンタルが今の言葉の一撃で崩壊したのか、両手で顔を覆った宝船はその場にしゃがみ込むとそのまま動かなくなってしまった。そんな娘を見下ろしながら呆れた様子でその母親は口を開く。
「全く、仕方ない娘だ。折角母親が話しているのにそれも聞かずに」
「今のはその母親の言葉が原因だと思いますが……」
「え?」
「いえ、何でもないです。それで、さっきはどうして笑ったんですか?」
「ああ、それか。何と言うか……話しているアンタと璃乃を見て、何だか嬉しくなってしまったんだ」
「楽しくなったのもあったかな」と宝船の母親は言う。
「嬉しい感情と楽しい感情が同時に出てきて思わず笑いを堪えきれなかったんだ。だって、私以外であんなにも感情をぶつけて話している璃乃を見たのは久しぶりだったからな。璃乃が友達と遊んでいるところを全くと言っていいほどこれまで見かけなかったから心配だったが……アンタのお陰で、その心配からも解放されそうだ、萩嶺直斗君」
「いえ、僕は別にそんな……」
「ていうか、フルネームだと堅苦しいし、それに長いな。下の名前で呼ばせてもらっていいか」
「え? あ、はい、どうぞ」
「ありがとう、直斗君。そうだ、ついでにさっきの直斗君のよく分からない質問にも答えておこうか」
思い出したように右の人差し指を立てた宝船の母親は次に両手を使ってその漆黒のヘルメットを取る。真っ黒なプラスチックの下から出てきたのは立ち込めた黒い靄の塊――ではなく、そのヘルメットと同じく黒い肩の辺りまで伸びたショートヘアーと、普段二次元のキャラクターしか見ていない僕でも一目で分かるほどのいわゆる『美人』の顔付きだった。
簡単に表現してしまえば『宝船が髪を切った際の容姿』だろうか。流石親子なだけあって、2人の顔はとてもそっくりであった。宝船も『美人』のカテゴリに入るほどの容姿を持っているが、宝船の母親は口元に黒子が1つあり、上手くは言えないのだが、どこか大人な雰囲気を醸し出している。違いと言えばその黒子と――後は胸の大きさだろうか。絶対に本人には言えないけれど。