いつか飛べるだろうか
紙飛行機は飛ぶ
子どもたちは知っている
人も飛べることを
鳥は風を得て飛ぶように
雲は形を無くして漂うように
空は空っぽで広がっていくように
人はきっと飛べる
詩想は無限に飛躍する
鈍重な身体から解き放たれて
あの悲しいほどの澄んだ空に
もう諦めてしまった憧れに
降り注ぐ深淵からの透明に
ただ涙で受け止めることしか出来なくても
導かれるひとすじの光る糸として
何処までも広がっていく
純白の雲を見下ろし
ただ青く
ただ眩しく無音の太陽
一人きりの解放
共に吹く風はそのままの超越した翻り
語らずとも知れる虚空からの音
さみしさは背中から剥がれて落ちて
ただ眩しさへと遠くへと
輝く沈黙を理想としながらも
影の尽きない喧噪に囲まれている
いつか飛べるだろうか
いつか飛べるだろうか
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