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お師匠様は私の嫁です  作者: 稲田 優
エルミニア編
19/21

【18】

明日で連休は最後です、来週は忙しくなければいいのですが(^^;;

朝、いつもより早く目が覚めたエリーヌは違和感を感じた。

隣にいつもの温もりがない、ここ最近の始まった事だが、もうアリアがいないダメみたいだ。


「アリア?」


昨日の夜、一緒に寝たはずのアリアが隣にはいなかった。

ひとまず、リビングに向かう事にするエリーヌ。

リビングではとてもいい匂いがしている。


「あ、おはようございま…おはよう、エリーヌ」


昨夜、敬語を禁止された事を思い出したのかしっかり笑顔で言い直した。

エリーヌも満足気だ。


「おはよう、アリア、今日はいつもより早いね」


いつも昼過ぎまで寝ているアリアがこの時間に起きることは珍しいと考えたがエプロン姿を見る限り料理を作っていたのだろうとエリーヌは考えた。


「朝ごはん?」


「朝ごはんって言うか、もうお昼ご飯だね」


時計に目をやると時刻はすでに12時過ぎを指している。


「もうそろそろ出来るから先に顔洗ってきて?」


「うん、わかった」


エリーヌは言われたとおり洗面所で顔を洗うとリビングに戻った所であるものに気がついてしまった。


「…ねぇ、アリア?今日起きてからテーブルの上見た?」


「いえ、見てないよ」


まだ完全に敬語抜きの言葉にはなっていないが料理の盛り付けをしながらアリアは返事をする。


「カミラの作り置きがあるんだけど…」


「えっ?」


盛り付けをしていたアリアの手が止まる。


「ご、ごめんなさい!ど、どうしましょう!?」


「お、落ち着いてアリア、敬語に戻ってるから!、まぁ、どっちにしてもカミラが作ってるのは冷めてるみたいだから先にアリアのを食べよう?」


「う、うん!」


結果的にアリアの料理を先に(性格には早くアリアの手料理を食べたかった)食べることになったのだが、先に気づいておくべきだった。


「美味しそう」


「盛り付け頑張ったんだ、ねぇ、食べて見て?」


「うん、頂きます」


アリアの料理の腕を…


「ぶふっ!?」


「どうしたの!?だ、大丈夫ですか!?」


不味かった、見た目は完璧で匂いも最高に良かった、なのに味が今まで食べたことがないくらい不味かった。


「やっぱり、美味しくない…かな」


「ぇと、その…あ!アリア!冷蔵庫から飲み物とってきてくれないかな!?」


「あ、うん」


アリアはキョトンとしながらも席を立った。

その隙を伺いエリーヌはアリアの料理に魔術を掛ける。


「レモンティーしかなかったけどこれでいいかな?」


「う、うん、ありがと」


レモンティーで流し込み、また料理を口に入れた。

少し息も荒っぽくなっている。

味は美味しくなっている、アリアには悪いがあのままでは自分の命が危ないとエリーヌは考えた末出した答えだった。


「お、美味しいよ」


「ほんと?良かったー」


少し罪悪感に苛まれたが結果的にアリアに喜んでもらえたので仕方ないと何度も言い聞かす。


(カミラが帰ってきた時にでも料理のアドバイスをするように言わなきゃ…これはまだアリアの実力が発揮出来ていないだけ…)


「りょ、料理上手なんだね」


「そ、そうかな?初めて料理したから不安だったんだけど」


照れくさそうに言っているがさらっと爆弾発言していることには気がついてはいない、確かに今まで自分の部屋から出ることさえ少ないアリアが自分で料理するというのは極めて低いと言えるだろう、フィアのようなメイド達がいれば尚更だ、しかし料理の盛り付けを腕だけは認めざるを得なかったエリーヌであった。

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