【17】
17話目です!よかったら読んでみてください
「これは一体どういうことなんですか?」
「私も最初会った時に聞いたんだけどね、何も答えてくれなくて、全部笑って誤魔化されちゃった」
あのカミラの事だ、また秘密ですとニッコリ笑いながら押し切ったのだろうとアリアは察した。
「でもこんな履歴書でよく採用しましたね」
「えぇと…うん、カミラ以外申し込んできた人がいなかったから…じゃなくて、…で、でも話し合っていい人っていうのは分かったから採用したんだよ?」
「そ、そうなんですか」
これに対しては苦笑で返すしかなかったアリアだった。
「でもカミラさんの事はまったく分からないって事ですよね」
「カミラは生粋の百合好きで変態で…まぁ家庭的な面においては優秀かな?、でもそれしか知らないね」
(百合?お花の事かな?)
「カミラさんが変人にしかなっていないような気がします」
カミラのイメージは言った通りだ、しかしそれ以外に知る方法がない。
今までエリーヌがいくら調べようとしても全てが謎に包まれたままとなっている。
「もう遅いのでそろそろお休みになられたらどうですか?」
ふいにカミラが部屋から出てくる。
「「は、はーい!」」
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「話を聞かれてたと思ってびっくりしましたよ」
「うん、私もちょっとびっくりした」
二人ともベッドの上で小さく笑いながら話していた。
さすが初日から2人で一緒に寝ているため慣れてしまったみたいだ。
「…ねぇ、率直に聞いていい?」
「はい?」
「アリアは本当にこれでよかったの?」
「お父様の事ですか」
少し不機嫌そうに答えるアリア。
父親の話になると少し不機嫌になるようだ。
「だってエルミニアと敵対するということはきっと多くの犠牲者が出るよ、アリアのお父さんは命すら危ないかもしれない、本当にいいの?」
「でも、お父様が戦争をすればもっと多くの犠牲者が出ることになるでしょう。それにお父様が昔言っていたんですよ、自分が自分で居られなくなった時が来たら迷わず切れと」
迷わず切れ、それは殺せという意味にもとれる。
「そっか、でも自分の親を簡単に殺そうなんて思っちゃだめだよ?あともう一つお願いしていい?」
「はい、どうしたんですか?」
「その、ね?…エリーヌって呼んでほしい…かなって」
辺りが真っ暗にも関わらずエリーヌの頬が赤くなっている事が手に取るようにわかる。
「わ、わかりました、ェ…エリ…」
「け、敬語も禁止」
よく見るとアリアも赤くなっている事に気がついた、この場合は恋愛対象として恥ずかしがっているのではなく、緊張しているからだろう。
「ェ…エリーヌ」
「うん、アリア」
エリーヌはそっとアリアの手を握った。
「おやすみ」
「お、おやすみ」
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カミラは自分の部屋でMCTを開いていた。
「はい、明日の朝に着く予定です、えぇ、お願いします」