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お師匠様は私の嫁です  作者: 稲田 優
エルミニア編
17/21

【16】

一ヶ月も投稿出来てなかったので連休の間は一日に一回は投稿したいと思います、宜しければ読んで行ってください

エリーヌとアリアが目を覚まし(正確には起こされた)カミラが留守中の出来事を説明した。


「…つまり私が買い物に出掛けている間にフィアさんも入れて御三方でとイチャイチャしていたと?」


「三人ではイチャイチャはしてないよ?」


エリーヌはそっとアリアの腕を掴んだ、アリアも特に気にしていないらしい。


「冗談はさておき、このメモ帳の中身を見ないと話が進みませんね」


「そうですね、では、読みます、エルミニアは表向きでは平和な国を装っている、しかしその裏では…化学兵器を作っている、これから約半年後、エルミニアは全世界に戦争を仕掛けるつもりみたいだ、攻める順番は何処を攻めても同じと聞いた、しかし最後に攻めるのは二年前に炎の魔術を得意とする魔術師が現れたというラストリアと言っている、今の戦力では敵わないという判断のもと、最後にと聞いた、戦争?、化学兵器?、どういうこと…?」


「何やら少ししか書いてありませんが頭の中を整理しましょう、まずアリアさんのお父様は化学兵器を使い、全国々を手に入れようとしているのは間違はないでしょう、…このメモ帳は丁度二ヶ月前につけられていますね、そうすると戦争を仕掛けるのもそう遠くない事かと…」


「そうなるとアリアの問題だけでもなくなってくるね」


暫くの沈黙が続く、誰もがこの事実を受け入れられてはいない、アリアからしてみれば訳が分からないだろう。


「他国の武力を手に入れたエルミニアに勝つ手段はないですよ」


「私1人で相手に出来る数は多くても100人程度…今のエルミニアと敵対するだけとしてもこの状況じゃ厳しいね…」


そこでずっと黙り込んでいたアリアが慌ただしくメモ帳を手に取った。

何やら後ろのページから1ページずつ確認している。


「アリアさん?もう他に書いてあることはないのでは?」


「いえ、あるはずなんです、あのフィアがたったこの情報のためだけに危険をおかす理由がわからないんです、それにフィアならきっと…」


その時、アリアの手が止まった。


「ありました、超小型の透明チップ…」


「透明チップ…?」


「わたしが家を出る前にフィアが教えてくれていたんです、世の中には透明のチップがあるって、フィアはこうなる事がわかっていたのかも知れませんね」


アリアはその透明チップをMCTに差し込みデータを開いた、そこには武器の数々や弾丸の発注、入荷までの日付、訓練日などが事細かく書いてあった。


「5月20日 発砲訓練、6月1日 弾丸の補充のその日をつけばもしかしたら…」


「間ではだめです、6月1日の前日、5月30日に仕掛けます」


「何故その日に仕掛けるのですか?」


「わたしの部屋から見えるんですよ、大量のトラックが城から出て行くのが、それは次の日の夜中にしか帰ってこないんです、もしかするとあれは弾丸の補充だったのかと…フィアもわたしの考えている事が分かっているはずです、何かしら手を考えていると思います」


5月30日と言っても今はまだ4月の後半だ、焦る必要はない。


「アリアさん、ご自分のお父さんの事なのに動揺することも驚く事もないんですね」


「驚きましたよ、しかしそれ以上に呆れてます、悪い事をしているならわたしが止めてあげないといけないんです」


「そう、ですね…エリーヌさん、少しの間だけ休暇を頂けませんか?」


「こんな時にいきなりどうしたの?」


カミラは少し顎に手を置き考える素振りを見せた、しかしその顔からは既に答えは出ていたに違いないだろう。


「秘密です」


カミラは笑ってそう誤魔化した。


「…3日だけ、それ以上はだめだからね」


「ありがとうございます、では明日から3日間の休暇を頂きますね」


カミラはそれだけを言い残すと自分の部屋に身支度を整えに行った。


「あの、カミラさんは一体何をするつもりなんでしょうか」


「分からない、何もわからないの」


「何もとは一体?」


エリーヌはリビングにある引き出しを徐にあけ、一枚の紙を取り出した。


「これを見て、カミラの履歴書だよ」


「何ですか、これ?」


その履歴書には名前、写真以外は全てが空欄のままだった。

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