【13】
13話目です
「寝てしまわれましたね」
カミラはアリアが目が覚めないよう小声でそう呟いた。
「まだ少ししか経ってないのに色々あったからね、疲れたんだよ」
アリアはあの後泣き疲れたのか精神的に疲れたのかすぐにその場で寝てしまった。
「アリアさんを守るって言われてましたけど大丈夫なんですか?」
「どうして?」
エルミニアはラストリアと同じく、戦争に加担していない数少ない国だ、そんなところにエリーヌの相手になる者がいるとは到底考えにくい。
「表向き平和を粧っていますが、裏では…なんでしたっけ、その…昔に実在したという科学兵器?というやつを使うと耳にしました、指一本で魔術よりも早く相手を死においやる事も出来るみたいです」
「本で見たことあるよ…確か拳銃?って言ったかな、100年くらい前にはこれで戦争をしていたって、弾の数は決まっている代わりに何回も補充出来るみたいだね、でもどうしてカミラがそんな事を知っているの?」
その質問にカミラは返事をせずただ微笑むだけだった。
カミラの話が本当であれば少し訓練された一般市民でも強力な敵となる、一昔前、魔術の圧倒的な力でほとんどの国が科学技術を放棄した、しかし魔術のイメージングを行うよりも早く正確に相手の命を奪える事に目をつけた国がいくつかある、エルミニアもその中の一つということになる。
「まぁ、拳銃は魔術でなんとかするよ」
「そんなに簡単に行けばよろしいのですが…」
魔術が進歩してから拳銃を使った例はない、魔術で銃弾を防いだという実例もなければ仮説すら立てることすら出来ない。
「そろそろエリーヌさんもおやすみになられた方がいいんじゃないですか?」
「私はまだ眠たくないからカミラは先に寝ていいよ」
「…では、お言葉に甘えて、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
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エリーヌは裏庭のベンチに腰をかけ夜空を見上げていた、アリアの事、そしてこれからの事を考えていた。
「…エリーヌさん?」
そこに立っていたのは先程まで寝ていたアリアだった。
「アリア?寝てたんじゃないの?」
「ちょっと目が覚めちゃって…エリーヌさんこそここで何をしているんです?」
少し考え事と言ってはぐらかし、アリアを隣の席に座らせた。
「わたし考えたんです、お父様はわたしを連れ戻すためにエリーヌさんを排除しようとするはずです、どんな魔術を使ってくるとしてもわたしが…わたしがエリーヌさんを守ります」
「ま、まもッ…!?」
(私を嫁って言った上に守るって…これってこ、ここ、告白…だよね?)
「わ、私も守るよ…?(恋人という意味で)」
「はい、頑張りましょうね」
暫くの沈黙が続き辺りには静寂だけが残る
「あ、アリアッ!」
パタン…とエリーヌの肩に凭れるかかったアリアは気持ち良さそうに眠っていた。
「…おやすみ」
エリーヌは寝ているアリアに微笑みながらそう言った。
(う、動けない…)
仕事帰りに投稿したのですが電車の中で自分の小説に間違いがないか見るのって緊張しますね(^◇^;)