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乾杯~!


なんて言って四人でビールジョッキを合わせる。


中身は清涼飲料水だが。


それから、誰ともなく話し始める。


この街は全国でも有名な桜の名称で、毎年の春は街全体が淡い桃色に包まれる。


つまり俺たちは花見に来ているのだ。


「ちょっと俺そこら辺歩いてくるわ」って俺が言うと、


じゃあ俺も一緒に、なんて言ってユウが立ち上がる。


「なんか飲み物買って来てよ」って早瀬が手を挙げる。


「わたしも~」と緑川が手を振る。




川沿いを歩こうぜ~


ユウを誘って川のすぐそばを歩く。


そこには俺の好きな光景が広がっていた。彼女も好きだった景色……。


「うわすごいな」なんてユウが驚く。


そこには桜の花びらで隙間なく埋め尽くされたピンクの絨毯が遠くの方まで続いていた。


川面に落ちた花びらは幾重にも重なり川に沿って漂っている。


近づいてしばらく足元にある花びらをなにをするともなくただ見つめていた。


「ユウ、すまん、しばらくここにいさせてくれ」


「ん?ああ、じゃあ俺先に戻ってるわ。なんか食べたい物ないか?」


「ジュースだけでいい」


オッケーって言ってユウがその場を去る。



「キミ、ここが好きなの?」


赤い瞳に整った綺麗な顔、赤い髪をツインテールにしている。肌は白く、外国人かなと思った。


その宝石のような瞳は自分の顔をまじまじと見つめ返してくる。


「あなた目が青いのね」


神妙な空気が漂う。空間がそこだけ切り取られたかのような錯覚を受ける。


一瞬だったかもしれないし、長い時間が経っていたのかもしれないが、その間お互いになにも喋らずただ見つめ合っていた。


自分も彼女も、瞳の奥にあるものを見ようとしていたのかもしれない。


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