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悲しみの向こう側へ
「コウジ!コウジ!死んじゃダメだ!」
その綺麗だった灰色の瞳は今は何も映さず、虚空を見つめていた。
「ショウ、すまない、おまえを守ってやれなくて。」
「コウジ、コウジ……うう」
「はじめておまえを背中に乗せた時、めちゃくちゃ楽しかった。小さな体して、それでいて俺よりも生きる力があって。ああ、だめだ……。もっといっぱいしゃべりたいのに。ショウ、ショウ……。」
「大丈夫、すぐにまた元気になるよ。」
「そっか、そうだな……。じゃあ、おまえをまた背中に乗せてやるよ……。こんどはどこがいい……。」
「寺田てめええええええええ!!!!!!!」
「大神ぃ~いいいいいいいい!!!!!!!」
雨は激しさを増す。




