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変死体
この体でまともな仕事ができるはずがなかった。
漠然とした将来への不安に押しつぶされそうで苦しかった。
常に、見えない右側に不安と恐怖が張り付いているような気がした。
友人がいる、支えてくれる大人もいる。
だからこそ、さまざまな思いが巡り不安に駆られる。
その日も、カーテンの隙間から漏れ出る光に希望を感じて眠りについた。
「おい、ショウ!これ今朝の新聞。」
「ん?ああ、どうした?、ユウ。」
「どうしたっておまえ、さっきの話聞いてなかったのかよ。」
「へ?」
「空を見ることも大切なことだけど、今はそれどころじゃないんだ、この新聞見てくれ。」
『大上市で謎の変死体 今週で三人目』
大上市というのは自分が今住んでいるこの街だ。
「詳しいことはあまり書いてないけど、首に何かの噛み跡がついてるのが共通してるらしい。」
それってまさか―
「かもしないな。ショウ、どうする?」




