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嵐
「うわきもっ」
「これなんかすごくない?」
隠れていた姉の友達も加わって、二人で俺のエロ画像を批評していた。
鬼畜である。生殺しである。俺は神がいるなら殺してやると誓った。
女というものは、かくも無慈悲に人を辱めることができるのか。
だが、エロ画像は友達にもらっただけだからあまり多くはないはずだ。
さっきは殺してやると言ったのに、今は神に懇願している。
つくづく人間は自分勝手な生き物だと思った。
「弟君さわらせて~!」 「いいよいいよ」
やっと終わったと思ったら今度は俺にターゲットを向けてきた。
「かわいい~!」 パシャパシャ
「ショウ笑顔笑顔」
笑顔なんて作れるか!
嵐が過ぎた後、俺はベッドの上に突っ伏して、頭から毛布を被り声を殺して泣いた。




