襲撃
文月の初頭になると、江戸へ降り注ぐ雨粒もつい先月と比べたら大分暖かくなっていた。
さらに今日。梅雨の切れ間に役宅の縁側からふと、空を見上げれば青々とした空に東の彼方に入道雲が聳えている。夏の訪れは近い。
それはつまり、草紙会の期日も大分迫っているということで、 火盗改内と北町奉行所では会場警固の打ち合わせに余念が無かった。
それぞれの与力や同心らが言ったり来たりと色々と忙しそうにしている姿がよく目に付いた。
「今日は一段と熱いですね。梅雨が明けたかのようです」
「呑気なことを言っている場合かお姫様。もっとも、国芳殿の周辺はここ数週は特に動きは無いようだが」
「……そのまま諦めてくれればいいんですけどね」
桐が軒先から滴る雨滴ほどの小声で落とした言葉も、佐嶋の耳にはしっかりと入っていた。
ふと隣を見れば、彼女は睨みを利かせ刀の柄に手をやっていた。桐は苦笑するしかない。
「いや、冗談ですって……それに不気味ですよね。まるで、一気に仕留めるために準備をしているような……」
「その可能性は大いにある。我々の手で護らなければなるまい」
佐嶋はやられまいという風に小さく微笑んで見せた。自信は満々。そこは揺るぎないのだろう。
手紙のやり取りは何度も行われており、警護はひとまず草紙会まで、というところで話が付いていた。そのために超大作を書きあげる、とも国芳の手紙には書かれている。更に、その素案は出来た、という風にも書かれていた。
それだけに、桐らは隠れ家周辺の探索は続けながらも待つほかなかった。
この暑さに勘違いしてか、早く出て来た蝉の鳴き声を耳にしていた桐らだったが、ふと、こぼした。
「……町奉行の矢部殿が更迭されたというのは佐嶋殿にとっても大きな事件だったのですか」
「当然だ。詳しくは知らないが、仕事はそれなりにやっていたと聞いている。まぁ、そのことによって旗本らの不平不満が溜まったと言うより、そのような事でここまで大事になってしまうのか、と恐れ慄いたというような所だろうが」
「ということは、佐嶋殿もその口ですか?」
「いいや、私には縁の無い話だ。いちいちそんなことでぶつくさ思っていられるほど暇ではない」
最初は桐の言葉に意外そうに目を向けた佐嶋だったが、それからはきっぱりと言い切っていた。
親は火盗改の与力である以上、それ以上の出世が望めるかと言えば、ほぼ有り得ないと言っていい。それでも、佐嶋は火盗改長官・長谷川宣冬の背中を追い続けて仕事に励もうとしている。
その素直で真っ直ぐな心意気が、桐には羨ましく思えた。
「それに宣冬様のお顔を見られるだけで私は満足なんだ。だからこそ私の涅槃や蓬莱に土足で入り込んできたお前だけは絶対に許さないが」
「いや、別に私は踏み込んでなんか……」
「違う。お前の存在そのものが謂わば許せない。忠景殿に聞いたが、貴様の母君と宣冬様はそれなりの仲だったと聞く。その時点でおかしい。少なくとも私が生まれる前は母上が宣冬様を最も愛されていた。はっきり言っておかしい」
「おかしいのは佐嶋殿でしょう。意味が分かりませんって」
「愉快そうに話してるな。佐嶋、何がお前の蓬莱なんだ」
茹だるような暑さをひと言で斬り裂いたのは火盗改長官・長谷川平蔵宣冬だった。
桐はもちろん、詰め寄っていた佐嶋の背筋は一本筋が通ったように直立になる。梅雨時なのに鳥肌が立つほどに空気が冷えていた。別に悪い話をしていた訳ではない。でも、なんとなく聞いてほしい話でも無い。だからなのかもしれない。
「その、今の話を聞かれていたんですか」
恐る恐る言った桐の言葉に、宣冬は「何も聞こえちゃいないさ」と鼻で笑いながら続けていった。
「国芳の一件は油断をしなければいいだけの話だ。お前たちの報告は当然目を通しているし、忠景からも事の次第は聞いている」
「その、ありがとうございます」
恐縮し合う桐と佐嶋を見て宣冬は表情を緩ませた。
「それにこのご時世だ。皮肉でも何でもなく、つまらない世事事に付き合わされていると屈託なく感情を見せあうお前たちが羨ましいよ。しっかり励んでくれ」
このひと時は、暑さで氷が解けてしまったのかと思いたくなるぐらいに宣冬の印象が違っていた。
付け加えるとほんの一瞬だったが、確かに笑っていた。口角を上げて、目を細めて、白い歯をこちらに向けていた。しかも、すれ違いざまに二人の肩に手を置いて。
それからはいつもの氷の表情を浮かべて廊下を進んでいった。
「私が言うのもなんですが、宣冬様は、やはりものすごい綺麗な方ですよね」
「ああ、あの、あの、宣冬様が笑われた。しかも、私たちに向かって……」
「常にああやって微笑まれていればいいのでは。きっと敵も減るやも」
「馬鹿言え。一生に一度見られるかどうかだからこそ、いいものなんだろう。ああやって何度も何度も微笑まれては価値が下がる。所詮は姫子だな」
「……いや、長谷川様はお疲れなのでしょう。でなければあのような笑顔はあり得ない」
続けてやってきたのは伊藤忠景だった。宣冬に付いてどこかに行っていたのだろう。額に汗をかき、少々息を切らしていた。
忠景の事を慕っている佐嶋ですらも彼には冷めた視線を送っている。確かにそうなのかもしれない。それでも、宣冬のあの笑みを楽しむ余韻を少しでも味わいたくはあった。
そんなことはお構いなく、忠景は言葉を続けた。
「あ、そういうこと言いますか」
「ここのところ多くの方と会われる用事が多かった。ああいう御性格をされていますから人づきあいはあまり得意ではないようなので気苦労も多いのでしょう」
冷めた目で見てはいたが、彼の言は至極真っ当な意見だった。異論を挟む余地は無いし、きっと言う通りだろう。
長谷川宣冬をここ一月ほど近くで見ていたが、とかく上品な人であるが、景元のような情熱を他人へ傾けるということをしようとするのは好まないのかもしれない。
地べたを這うように物事に取り組む泥臭さを持つと同時に、隼のように天高く飛び上がって状況を俯瞰し、その後急降下して冷徹に仕事をこなす。そこに温情や愛憎は絡むことは無い。そんな印象だった。
当然、それにはかなりの労力はいるだろう。それに、景元のような器用さは含まれていない。
とにかく真っ直ぐに生きている。例え、壁にぶち当たろうが、その壁を避けようとせずに、足をつっかけて登ろうとするか、拳を何度も何度もぶち当てて壊そうとするだろう。
「……なんというか、気高く生きるのも大変なのですね」
「今でこそ遠山様や筒井様が居られますが、それまでは火盗改の与力同心しかおりませんでした。言葉には出しませんが、遠山様をはじめ、桐様・佐嶋殿の二人の存在は相当心強いと思いますよ」
だからこそのあの笑顔なのだろうか。忠景も語尾には「私もここ数年しか見ていないので、何とも言えませんが」とは言っていたが、多分、そうなのかもしれない。
しかし、限界が来ればどうなる。果たして、彼女は再び立ち上がることができるのか。
そこには一抹の不安を感じざるを得ないし、その時は佐嶋らとともに絶対に支えてやらなければならない。そう強く桐は感じた。
○
いわゆる、草木が眠る丑三つほどの夜遅くでも、江戸城中の和田倉御門前にある評定所は、星空に煌めきを与えて続けている。
常時・戒厳令級の体制がとられている江戸の町には、南北奉行所が共同で出張るほどの大事件が少なくなったとはいえ、すべき仕事はいくらでも残されていた。
夜通し明かりが消えぬ仕事が続いている評定所内の一室で、南町奉行鳥居耀蔵と勘定奉行の跡部良弼が密会していた。
密会というよりも、無理やり呼び出されたと言うのが正しいのかもしれない。襟の正された裃を着こなしている耀蔵に対し、良弼は本の先ほどまで寝ていたのかもしれない。羽織袴は歪んでいた。
もう片方の鳥居耀蔵は書状の山に目を通している。常に下を向き、ひたすら文字とにらみ合いを続けている。
「例外はない。それが水野様の思し召しだ」
「……株仲間の解散をやれか。聞いてはいたが本当にやるとは思わなかったよ。例外は無いんだよな?」
そんな状況下で耀蔵の話を聞かされた良弼だったが、頭の方は冴えていたらしい。言葉を聞けば聞くほど、気だるそうだった雰囲気はするすると解けてゆき、不敵な笑みに鋭さか増した。
「何度も言わせるな。勘定奉行が呆けたか」
「いいや、別に構わない。段取りも、アレだな、まぁ、問題ない。それじゃ失礼する」
良弼が耀蔵に何を問いかけても、彼女は微笑むことも無ければ怒ることも無い。
表情を寸分も変えずにただただ淡々と、カラクリのように質問に対して、棘のあるもの言いで言い返すのみだった。
話しにならない、と言いたそうに口元をゆがませた良弼はすぐさま踵を返して部屋を去ろうとした。その時である。
「それと、もう一つ追加だ」
「あ? いや、どうかしましたか」
「屋山家は完全に取り潰す。所属の絵師もろとも全員殺せ」
この物いいでも表情が変わることは無い。耀蔵は何者か分からない者から宛てられた書状に目を通すことを止めず、積もった紙にさっと視線をやり、すぐさま右の箱へと移し続けている。
京まで一歩で行けるんじゃないかというほどに飛躍した彼女の話には、良弼もさすがに参ったらしい。
浮かべていた薄ら笑いは歪み、口内で小さく舌打ちをした。
「いやいや、そっちの方は俺の管轄外だ。そもそもヤツを重用しているのは忠邦のはずだろ。老中の許可は取り付けたのか」
「そんなもの、適当に理由を付ければいい。あの女を生かしておく意味はもう無い。お前だって分かるだろ?」
強まった口調の彼女を止める術は無い。反論する物が居れば、翌日には首と胴が離れているか、適当な罪をでっち上げられて小伝馬町の座敷牢に放り込まれるのがオチとなる。
それは幕閣とはいえ例外ではない。もっとも、死ぬまではいかないし、座敷牢ほどは困窮しないが、地位は簡単に剥奪される。小普請組からやり直しである。
「……決行は明日の夜。連中の動きは掴んでいる。日々の動きから察するに屋山の主は絵師らの隠れ家に訪れるはずだ」
「……好きにしろ。手筈だけは整えてやる。だが、どうなっても知らんぞ」
良弼はそう残したが、彼の言葉に貸す耳は持ち合わせていないのだろう。
すぐさま数名の与力を呼び出し、件の段取りについて話し合いを始めていた。
その姿を見ることも無く、良弼は足早に評定所を去った。
○
生温かな湿っぽい風が乾いた熱風へと変わりつつある梅雨の終わり。
国芳らの隠れ家は本所の裏路地から、江戸の外れ浅草橋場町あたりの船宿へと変わっていた。東の彼方には常陸筑波山を望み、夕暮れになれば不夜城吉原遊廓の妖艶な薄ら明かりが辺りの田畑を照らしている。
草紙会まで一週を切り、桐・佐嶋と忠景もこの数日は隠れ家で国芳・広重らと寝食を共にしている。
「やっほ。また来ちゃったよ。調子はどうだい?」
そんな厳戒態勢の中でも、文は国芳らの隠れ家へとやって来た。
国芳らの居室にひょっこりと現れた文を見て「佐嶋や忠景は何をしているのか」と疑問に思ってしまうほどに彼女の隠密技術は優れている。もしくは、諦めて素通りさせているのかもしれないが。
「文さんよう来られました。出来ましたよ。会心の作ですって」
「へえ。そりゃすごいや。それで、どんな感じなの?」
「まあアレだ。文さんほどの教養があれば一発で分かるでしょうね。これですよ」
「ああ、なるほどねえ。土蜘蛛と頼光四天王か。なかなか面白い構図だね」
源頼光は平安時代の人物で、藤原道長主導の摂関政治に深くかかわった人物で「朝家の守護」と称された。
真偽のほどは定かではないが、渡辺綱・坂田金時ら頼光四天王との大江山の酒呑童子退治は寝物語として一般庶民の中でも広く知れ渡っており、それら逸話の中に土蜘蛛退治というものがある。それが題材となっていた。
国芳の腰は低く恐縮しきってはいたが、作品には自信があるらしい。彼の軽い口調がそう物語っていた。
確かに、白黒のみではあるが、一つ筋の通った力強さは桐が見ても感じられた。
その内容だってただの絵では無い。きっと、何か深い意志を秘めているのだろう、とも素人でもなんとなくわかる。
「この上で寝てるのが頼光でしょ。それがお上で、下の四天王がそっぽ向いちゃってるんだよね。着物の沢潟紋とかを車の紋見る限り、四天王は老中ってところかな。そんで、死んだ土蜘蛛はアレかな。彼らに更迭された幕閣ってところでしょ」
「口で説明されると陳腐に思えてくるんで恥ずかしいですね。ま、そんな所なんですけど」
「いいじゃんいいじゃん。なかなか洒落が利いてていいと思うよ。でも、間違いなく処罰モノだよね。思いっきし幕府批判しちゃってるしさ」
文の解説を聞いて桐も同様のことを即座に感じていた。
というよりも、そのような真意が隠されている絵を世に出すことを聞いてしまった以上、止めなくてはならないとも思った。
しかし、それはどうなのだろうか。当然、世を乱す事に繋がるし、秩序を保つためには彼の処罰は致し方ないのかもしれないし、為政者であれば誰だってそうすることだろう。
それ以上に、彼らの才能は惜しい。寝泊まりする中で彼らの作品に触れることがあったが、常人にただの古典をここまで広げられる物なのか。ただの街並みや川を不可思議な画角で切りとり、実際の風景以上のものにしてしまうのは、誰にだってできる事なのだろうか。
恐縮して穏やかに微笑むこの初老の男を処分することが、果たして江戸のためになるのか。触れれば触れるほど、桐はお上らがしようとしていることが分からなくなった。
「そんときはアレですよ。普通の武者絵だって言い張るだけですって。別にただの武者絵ですし」
「理屈がどうとかじゃないと思うんだけどなぁ。でも、私の所じゃ微妙かな。手は貸すけど、名義は出せないよね」
文の言葉に国芳は少しがっかりしたのかもしれない。穏やかな笑みは、もの寂しい自嘲気味の笑みへと変わった。
それでも、彼は言葉を続けた。
「いやいや、とりあえず出せるんならそれでいいですよ。手を貸してもらえるだけでも絵師冥利につきます」
「これでお縄に付いたんだったら、そりゃ誉れだ。絵一枚で幕府を動かせるんだ。それだけ分かればいいんじゃねえの」
「今まで護って来てもらった桐殿や火盗改の面々には悪いですが、やっぱおかしいものはおかしいですよ。それだけは、はっきりと言いたい。それだけです」
広重も同じ気持ちなのだろう。彼らと同門の者は当然のこと、門弟などもそうだろう。それどころか、市井に生きるもの全て、そう思っているのかもしれない。いや、そうなのだろう。
画一的な物の見方は腐敗を呼ぶ。現実的に腐敗しているのかどうかは桐には定かではない。ただ、元南町奉行矢部定謙を追い落としたことから察するに、異を唱える・唱えようとするものを排除しているのは間違いない。
「いいこと言うじゃん。それじゃ複製を作っておいてよ。一枚じゃ色々と危ないしね」
「ま、サクっと書きあげますって。今なら一人で全部書きあげられるわ」
文はそういうと足早に隠れ家を後にした。
それからしばらくの間、残る国芳・広重の両名は揚々していた。その周りに控える門弟らも同様である。
桐も自然と意気がある。長かった仕事を感慨深く思い起こし、心持ちを新たにして彼らの作業を見守っていた時のことだった。
外で見張っていた忠景が駆け足で登って来た。
「桐、繋ぎから話がきた。どうやら連中の刺客が浅草からこっちに向かって来てるらしい」
「一応、役宅に使いをやりましたが、持ちこたえられるかは定かではありません。こんな形になって申し訳ございませんが、桐様もご覚悟を」
佐嶋と忠景の言葉に、意気上がった門弟らは色を失った。国芳・広重の両名も同様である。
「……お前らはとっととここから逃げ出せ。いられても困る」
「そんな、先生らはどうするんですか」
「先生は間違いなく江戸の宝です。身代わりになりますんで、早く逃げてください」
「んなことを、んなことは気にすんじゃねえ! お、俺が死んだらお前らは別に何の関係もねえ。ただの一介の絵師として生きればいい。破門だ。とっとと消えやがれ」
数名は声を挙げたが、それよりも国芳の意志の方が強かった。風采の上がらないが、この時の中年人気絵師の凄みは違った。さして怖くは無いが、信念や心意気という面では、長谷川宣冬や遠山景元を遥かに超える迫力がある。弟子らもひと睨みで降参せざるを得ない。
それに、彼の思いは嫌というほど知っているだろう。手荷物を持って一人、また一人と国芳らに向かって一礼し、階段を駆け下りていった。
国芳の柄にもない荒っぽい声は震えていた。それでも、彼の利き手は筆置きへと伸び、しっかりと筆を握りしめている。
「桐殿、伊藤殿、私は下絵を書きあげます。それまで耐えてください」
「あまりに無謀ではありませんか。国芳殿も下絵を持って逃げ出した方が……」
「いいや、浪人かなんかは分かりませんが、連中は刀で勝負に来るんだったら、私は筆で勝負しますよ。師匠はそうすると思いますしね」
「その心意気だよ。俺は逃げるがな。手当たり次第に声をかけて仲間を募って来てやる。生き延びてろよ」
「好きにしてください。私は私の戦いがありますので」
広重は国芳の熱っぽい言葉に適当に返事をし、ドタドタと階段を降りて行った。多分、広重なりの気遣いなのかもしれない。誰よりも彼が生きて下絵をもう一枚書きあげることを信じているからこその行動なのだろうか。単に薄情なだけなのかもしれないが。
桐は刀の柄に手をやって深く深呼吸をした。どんな相手なのかは分からないが、とにかく手誰なのは間違いないだろう。そのために剣術に研鑽を重ねた。前のようにはならない自信はあった。隣にいる佐嶋も同じ心持ちだろう。
隣にいる忠景は静かに窓辺から通りを見渡している。どう戦おうか頭中で戦略を練っているのだろう。
それぞれの思いがある中、事態を最も楽観的に見ているのは国芳自身だろう。
彼が浮かべているのは笑顔。自身の人生を儚んで悔しがったり、憐れむどころか、顔を綻ばせて喜んでいる。
いいネタを掴んだ。そんなような表情であった。