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本人はいたってノーマルです(汗)
「さぁ、召し上がれ〜」
ほかほかと並ぶ料理たち。
こんな美女に手料理を振る舞われるなんて滅多にない。しかも、誰かに作ってもらうなんて久しぶりで、なんだか涙がでてきそうだ。
しかしながら…それにしても…
(お…男の料理だ…)
ザクザクきった野菜炒め
これでもかと盛ったご飯
あとは――――
…これだけ?…うん…だけ。
(いやいや。文句なんてないよな自分っ!?ありがたいと思えよっ!ほっほら、好物のロースハムも野菜炒めに入ってるぜっ!!)
「…どうしたの?嫌いなものでも入ってた?」
あまりのギャップに固まった私をカレンさんが肩をゆさゆさと揺らしてくれたおかげで、現実の世界に戻ってきた私は、いらぬ誤解をまねかないように勢いよくご飯と野菜炒めをかっこみはじめた…。
(…うん。やっぱり大味。男の料理だー)
「どう?おいしい?」
心配そうにモクモクと食べる私を見つめるカレンさん。
ほへー、ハの字にさがる眉毛まで美しい…っじゃなくて
「はひっ!おいひいでふ!」
※[はい。おいしいです]
嘘はいってない。父親が料理してくれたらたぶんこんな感じなんだろうなーと思った。
(あーお腹いっぱいだぁー。ふふ、しあわせだなん、ふへ)
カレンさんは私の反応に満足したのか女神のほほえみをうかべながら、先ほどの修羅場のときのお礼が出来て良かったとか、野菜はちゃんととった方がいいとかいっていた。
[いっていた]というのは、私の意識がカレンさんのお話のあいだになんだかうとうとしてしまって、しまいには寝てしまったからであった。
(寝ちゃいかんぞ私…ねちゃ…)
Zzzz…
私は、カレンさんの瞳があやしげに光るのを知らずに、のんきにも寝てしまったのだ。
はい。ベタな展開です。