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世界一の金持ちになる方法

掲載日:2026/08/14

 君が世界一の金持ちになりたいのなら、世界一の豪遊をするといい。金持ちほど豪遊するものだと世間では信じられている。ならば、世界一の金持ちは世界一の豪遊家でもあるはずだ。今からその方法を教えよう。 

 「金で買えないものはない」と聞いたことがある。実際、この世の多くのものは、金で買えるか、金によって得られるのばかりだ。金は、この世でもっとも汎用性の高い交換手段なのだ。何物にも交換できるがゆえに、金は高い価値を持ち、金より価値の高いものは、驚くほど少ない。その数少ない例外こそ,「時間」である。

 「時は金なり」という格言がある。「時間はお金と同等に貴重なものだから、無駄にしないように」という戒めを込めた言葉である。しかし、時間を費やして金を得ることはできても、金を費やして失った時間を買い戻すことはできない。もし両者が等価なら、金から時間へも交換できるはずだ。そうならない以上、時間の方が高い価値を持つと考えるほかない。

 ところで、「豪遊」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。高級車を乗り回し、三ツ星レストランに通い詰め、美術品を買い集める――そんな光景を想像する人が多いだろう。もちろん、本人が満足しているならそれで構わない。私はこうした行為を否定したいわけではない。

 ただ、豪遊という行為の根底には、「価値あるものを、生活のためではなく、あえて無駄に消費することに意味を見いだす」という考え方があるように思う。つまり、豪遊とは「価値あるものを意図的に浪費する行為」である。

 さて、時間の話に戻ろう。時は金なりという言葉が生まれるほど、人は時間を浪費することを嫌う。一方で、勉学に励み、良い大学へ進み、良い企業に入り、並々ならぬ努力の末、望むだけの金や権力を手に入れたとしても、時間だけは買うことができない。にもかかわらず、人はその時間を費やし、金や評判、権力といった、時間より価値の低いものを手に入れようとする。

  時間の価値だけを基準に考えれば、それは一見、無駄な行動に思える。しかし、これは豪遊ではない。彼らは、自分が時間をより価値の低いものへ交換しているとは考えていない。むしろ、それを有意義な投資だと信じている。そこには浪費しようという意思がない。

  改めて豪遊の定義に立ち返る。豪遊とは、価値あるものを意図的に浪費する行為であったはずだ。つまり、世界一の豪遊とは、世界一価値のあるものを意図的に浪費することともいえる。世界で最も価値のあるもの、それは、富でも名声でも力でもない。「時間」だ。意図して時間を浪費し、何ひとつ生み出さないまま日が暮れる。それこそが世界一の豪遊である。

 世界一の金持ちとは、世界で最も価値あるものを、世界で最も自由に浪費できる者だ。その価値あるものこそ、時間である。そして、最も徹底して時間を何にも換えない方法は眠ることである。必要以上に眠る時間は、休息としての意味すら失ってしまう。故に世界一の金持ちとは、惰眠をむさぼる者である。君は、自らの怠惰を理解したうえで、一日中眠ればいい。その「努力しない努力」を貫く者ほど豊かな者はいない。

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